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時差ボケ解消法

フランスから日本に帰国すると、時差ボケがひどい。逆の日本→フランスは、割と平気なのだが。

日本に帰国した直後は、夜、布団に入ると、すぐに寝入るが、2~3時間で目が覚め、そのまま朝まで眠れないというパターン。それが数日続くと、昼間は頭がぼーっとして、特に暑~い日本の夏は、しんどい。去年の夏はその状態が1週間以上続き、堪えた。
普段、たっぷり7時間は寝ている私が、その状態でも、何とか身体が持ったのは、昼寝をするからだろうな。移動中、乗り物に乗ると、すぐに睡魔が襲う。暑い戸外を歩いて、冷房の効いた電車なんかに乗ると、あっというまに爆睡。おかげで夜眠れなくなるわけだが、昼寝と言っても、何時間も眠るわけじゃないから、身体はちゃんと回復しないまま、ということか?

一度、年末年始に日本に帰ったことがあるが、昼間、こたつでうたた寝(これが気持ちいいんだな)を繰り返していたら、10日の滞在期間だったが、最後まで時差ボケが直らなかったのだ。結果、フランスに帰ってから、時差ボケが全くなかったけど。

要するに、昼間の睡魔に負けず、一瞬たりとも昼寝をしなければ、時差ボケは早く解消するのではないか?と思いつき、今回の帰国中は、断昼寝を実行して、みごと3日で時差ボケを解消した!

と言ってもたまたま、日本に着いた翌々日、一番、昼間に眠気の襲われやすい時に、レンタカーで、箱根に出かけたのだが、いつもは車に乗るとすぐに寝てしまう私も、運転する夫にナビをフランス語訳せねばならず、昼寝などできない状況に。また、日光をたくさん浴びると時差ボケは早く直るというが、天気のいい中、箱根神社、元箱根港、恩寵公園の近辺を散策。夫が日本に来る直前にアキレス腱を痛め、足を引きずりながらのろのろと歩くのに合わせていたので、日光を浴びる時間が長かったかも(これぞ、怪我の功名か)。

ちなみに、箱根は、天気はよかったが、雲が多くて、富士山は見えず。

時差ボケ解消

夫は、今回で通算11回、日本に来ているが、富士山を見たことが一度もない。私の実家が箱根に近いにも関わらず、だ。
初めて箱根に行き、ロープウェイに乗った時は、ひどい曇りだった。
息子が幼稚園の時、トーマスランド目当てに、富士急ハイランドリゾートに泊まった時も、今にも雨が降りそうな天気で、ガラス張りエレベーターの中で、部屋まで荷物を運んでくれた従業員さんから、「天気がよければ、ここに大きく富士山が見えるんですけどねぇ」と言われた。
今回も、時々太陽が出ていたにも関わらず、富士山は一向に姿を表さず、で、箱根関所近くの土産物屋で、美しい富士山のポストカードを見つけた夫は、不機嫌な顔で「本当は、富士山なんて存在しないんだろう?」とまで言い出す始末であった。

話を時差ボケに戻し、今回、早く体調回復したおかげで、猛暑でも夏バテせず、いつもより長めに日本にいたにも関わらず、それほど疲れずに、フランスに戻って来れた。

と、思ったら、帰って来てからの時差ボケがひどかった。
いつもなら、夕方の便でシャルルド・ゴール空港に着き、軽く夕飯を食べて寝ると、朝の6時か7時くらいまでぐっすり眠って、そのまま普段の生活に、って感じなのに、今回は、まず、初日から午前2時に目が覚め、その後、全く眠れない状況に。
日本の時差ボケが早く終わった分、こっちに来てからの時差ボケがひどい?そんなわけはないか。

慌てて、断昼寝をしてみたら、夜の9時には睡魔に襲われ、そのまま眠り、4時、5時には目が覚めるという日が続いた。
小学生じゃあるまいし、の就寝時間だが、睡眠時間はたっぷりとっているし、早寝早起きは三文の得、とも言うし。
早朝からパソコン立ち上げるのも何なので、旅行荷物の片付けから始め、部屋や台所の掃除をしたり、洗濯したり、となんだか、働き者になった気分。
さらに、夜、パソコンに向かう時間がなくなるので、ちゃんと夕食までに仕事を終わらせようと集中するようになる。
このパターン、悪くないな、と思っていたが、だんだん、寝る時間が遅く(ても平気に)なって行き、帰国後1週間で、いつも通りの0時就寝、7時起きに戻ってしまった。
残念。




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20年ぶりのスタジオ・セッション

この夏、日本に帰省した時、楽しみにしていたことの一つが、前回のブログ(だいぶ、間が空いた)にも書いた、スタジオ・セッション。
 出発の少し前に「何の曲、やりたい?」とメッセージが来て、考え込む。なんせ、ドラムは20年も叩いていないし・・(恐ろしや)。それでは原点に戻り、初めてコピーした曲、UFOのOnly You can rock meと、もう一曲は、ドラムを始めたきっかけになったレッド・ツェッペリン(ジョン・ボーナムの音を聞き、目覚めた)から一曲選びたいよなぁ、でも、ギターがないのに、Rock’n rollでもないし、と、なんとなくSince I’ve been loving youを選ぶ、ゆっくりで叩くのが難しくなさそうだし。
 Mは自分のやりたい曲、ということで、高校時代にT君と組んでいたバンドの演奏テープ(って言わないのか今は、データか?)をメールで送って来る。学園祭で演奏したのかと思ったら、けっこうレベルが高くて、実は学外のメンバーと組んで、ライブハウスで演ったものなんだとか。メンバー中3人(T君含めて)はプロとして今でも活動を続けているそうだ。
私はバンドをまともに組んだのは大学からで、もっと早く始めていれば、高校の時にT君とMとバンド組んで、そうしたら、もっともっと上(ってどこだ?)まで行けたかも、なんて夢想する。まあ、そもそもそんなうまいバンドには入れてもらえなかった可能性が高いけど。

 二人とも拙ブログを読んでいて、ジェフ・バックリーのHallelujahも演ろう、ということに。てことはドラムじゃなく、そうだ、歌うのだ、私が。
カラオケ以外で人前で歌うのって、中学の時に文化祭でピアノを弾きながらLet it beを歌って以来。白状します、歌、下手です。子どもの頃、ピアノの先生に「音感はいい」と言われていたが、ピアノも上達しなかったし、歌もダメ。音程ははずれていないが下手、って、それでは、一体、歌のうまさって何だろう?早川義夫が言うように、心がこもっているかどうか、ってベタなようで、真実だな。そうだ、天国のジェフのために心をこめて歌うのだ。ステージじゃないんだから、誰にも迷惑をかけない・・、T君とMだけが我慢すればいい話だ。

フランスを発つまでは忙しく、練習している暇もなし。iPodシャッフルが帰国直前の絶妙のタイミングで壊れたので、iPhoneにHallelujahを入れ、機内にプリントアウトした歌詞を持ち込む(が、実際には機内では、映画見て、眠って、Hallelujahは一度も聞かず)。
日本に帰ってからは昼間はほとんど出かけていたので、夜、ちょっとだけ自主練(?)。

さて、スタジオ入り当日。日本の夏は恐ろしく暑く、少し外を歩けば、汗が流れ、こんな汗臭いままで歌ったらジェフに失礼だわ、と、オード・トワレを買おうと思い当たる。ちょうど、セール時期で駅ビルの香水屋さんも○%OFFなんて張り紙がぺたぺた。「ジェフはどんな香りが好きかしらん?」ときょろきょろしていると、声のいい若い男性の店員が寄って来て、色々と説明してくれる。キャンペーン中らしい、ジル・バイ・ジル・スチュワートのオー・ド・トワレがロールオンタイプで、持ち運びにも便利で値段も手ごろなので、「これ、ください」と言うと、「これだけ、ちょうど在庫がないんです」!!新しい香りを選ぶのは面倒なので、同じ香りの瓶入りを買うことにしたら、「これはセール対象外です」!!!もう待ち合わせまで、時間もないし、と購入、散財、いやジェフのため(?)にせこいことは言うまい、瓶もかわいいし。あとでよく見たら、外箱にしっかりMADE IN FRANCEと記してある。なんで、わざわざ平塚でフランス製品を・・。
ジルスチュアート
(ジェフのために買った、オー・ド・トワレ)


 駅前のドトールでT君とMと待ち合わせてから、スタジオに向かう。入り口で履物を脱いで、ビニール袋に入れて持って入る、ってのがいかにも日本らしい。待合室には若者がたくさんいて、ちょっと気後れする(必要はないんだけど、別に)。

2時間予約したというので、長いなぁ、と思ったが、学生の頃、夏合宿なんて行った日には一日6時間とか8時間とか平気で叩いてたんだよな、わが青春の時・・。
結局、セッティングにも時間がかかるし(スネアの音変だぞ、と言われ、ストレイナーを緩めたままだったことに気付いたり。恥!)、途中、Mがタバコ休憩入れたり、で各曲、2回ずつ演ったら、あっと言う間に2時間が過ぎる。
やっぱり、音楽って、人と一緒に演るのが楽しいな。

夜にイタリアン・レストランで飲み会が入っているにも関わらず、最近、2時間ごとに「腹が減った」という息子の希望で、平塚の有名お好み焼き店へ。
 スタジオ入って汗を流し、その後、お好み焼き食べながら、ビールを飲むって、ああ、なんて幸せ(オヤジか)。
 そこに、イタリアン飲み会の前に早めに平塚に着いた、同じく高校の同窓生のOが加わる。彼女は、私がパリに来た時に、ジュネーブで仕事をしていたので、ジュネーブに遊びに行かせてもらったりしたのだが、実は、その時期にT君もロンドンに住んでいたことが発覚。「なんだ、知っていたら一緒に遊んだのにねぇ」と、そうだ、T君も一緒にロンドンでライブハウスめぐりなんてやっていたら、楽しかっただろうな。

イタリアン・レストランにピアノがあったので、酔っぱらったMは、T君に伴奏させて、例の高校時代のバンドの歌を披露し、さらに3次会の中華料理屋では、合唱コンクール課題曲を歌い、と2時間のスタジオじゃ物足りなかった様子。
翌日、二人から、また演ろうね、とメッセージが来たので、私もちょっと自信がつき(社交辞令じゃないだろうな?)、次回(って来夏か?)は、もっとまっとうに叩けるように、練習するぞ!とブログには書いておこう。

映画が“分かる”ということ

フランスで、宮崎駿監督の『風立ちぬ』が公開中だ。外国の(フランスにとっての)アニメーション映画は吹き替え版が多いが、この作品は、字幕付きオリジナル版を上映する映画館が多い。大人向けの作品と捉えられたからだと思う。日本人ママの中にも、子どもには難しい、特に時代背景を知らないと分かりにくいのでは?なんて声もあがっていた。確かに『千と千尋の神隠し』や『崖の上のポニョ』に比べれば、ね。
しかし、映画なんてものは、子どもがその時点で持ち合わせている知性と感性で分かる部分だけ分かればよろしい、というのが私の持論。
残酷なシーンや過激な濡れ場などがなければ、本人が興味を持った映画をどんどん見せていいと思う。分からない=つまらないとも限らないし。

それは、子どもに限らず、大人にも当てはまることで、簡単な例を挙げれば、一体、誰が、J・L・ゴダールの映画を“分かる”のだろう?あの夥しい引用の元を全て知っているほど博学で、あるのかないのか分からないような筋を追うことができる人とは??
昔、東京でフランス語学校に通っていた頃、当時封切りされていたJ・L・Gの『右側に気をつけろ』を見たクラスメートが、「なんだか、全然分からない映画だった。ドストエフスキーの『白痴』を読んでいたら少しは分かったかなぁ」とつぶやいたので、私が「『白痴』は読んだけど、映画はよく分からなかったよ」と言うと、ほっとしたような顔をした。そして、分からなかったけど、つまらないとは思わなかった、と結論していた。そう、例え、ストーリーや作者の言わんとしていることがよく分からなくても、印象的なシーンや笑える(または泣ける)シーンがあったりして、分からないながらも「この監督の他の作品をもっと見たくなった」なんて思えたら、それだけで、その映画を見た価値は十分あるのではないか?
思えば、私が19歳でJ・L・Gの『パッション』を見た時は、J・L・Gの名前もヌーベルヴァーグというムーブメントの存在も知らない、無知ぶりであった。神奈川県の田舎の高校を出たばかりで、たまたま高校の同級生に「東京に六本木っていうおしゃれな街があって、そこに新しく映画館ができたらしいから見に行くべ~」と誘われたのだ。アマンドの存在も知らず、待ち合わせに苦労した後(もちろん携帯電話もない時代で)、六本木シネヴィヴァンで『パッション』を見て、何だかよく分からなかったにも関わらず、映画ってこんなに自由自在なものなんだ~、と感激し、パンフレットに解説(というか対談)を載せていた、映画評論家が自分の通っていた大学でも週1回、『映画表現論』なる講義をしていることを知り、さっそく翌年に登録し、名画座にもせっせと通い始め、挙句の果てには、パリの大学まで映画を学びに来ることになった。つまり、あの“何だかよく分からなかった”映画のおかげで私は今、フランスに住んでいるのであり、分からない映画は何ももたらさないということではないのだ。まあ、フランスに住んでいることが私にとって“良い”もたらしであったかどうかは、いまだ判断つきかねるが。

さて、同年代の子どもより理解力が低く、表現力も拙い我が11歳の息子であるが、『風立ちぬ』を最後まで退屈せず、大人しく席に座って鑑賞し、自分なりの感想を持った。「カプローニさんが、飛行機が落ちるところを撮ったフィルムを怒って水の中に捨てたのがおかしかった。それから、菜穂子が血を吐いてかわいそうだった」。
そう、何も小難しい感想など言えなくていい。(バカボンパパの口調で)これでいいのだ。


出会えて幸せ!な、本。クッツェーの『マイケルK』

日本に帰国した時、学生時代によく遊びに行った、マダムシルク(カフェバーとでも言いましょうか。文学、演劇、美術サークルなどの学生がたむろし、夜はお酒も出る店。私はここでバイトをしていた時も)に、文学サークルで仲よくしていた後輩ミワちゃんと、その同学年のタケちゃん、私と同学年だったI氏で集まり、スパゲティを食べながらおしゃべりをした。
ふと、I氏が、「ここ3年くらいの間に読んだ本の中で一番面白かったのは、クッツェーの『マイケルK』だな」、とのたまう。本好きのI氏が言うなら、さぞかし面白いのだろうな、と、みんなカバンからメモ帳を取り出し(アナログな人ばかり)、メモメモする。ジョン・マクスウェル・クッツェー。南アフリカ出身の文学者で小説家。ノーベル文学賞を受賞している。ちなみに、私はそれまで、彼の本を一冊も読んだことがなかった。
 それは、フランスに帰る前々日の夜だったので、翌日、つまり日本滞在最終日に、池袋東武の旭屋書店に行くも、置いておらず。池袋東口のブックオフにも行ってみるが、見つからず。最後のあがきで成田空港の書店を見るも、ない・・当然か。

 手に入らないと分かると、ますます読みたくなるのが、人間の性で、次回帰国まで待つか、パリに来る予定の知人に頼もうか、なんて考えていたら、まもなく、ミワちゃんが、個人ブログ“メンデルスゾーンのはなうた”で、「『マイケルK』を読み終えた」と書いているではないか。く、くっつぇ~!(くっそぉ~!のつもり)。
さらに、ミワちゃんは、クッツェーの他の作品、『恥辱』、『動物のいのち』と読み進め、「クッツェーは癖になる」、とまで書いているし。・・ちなみに聡明なミワちゃんは、クッツェーはくっつぇになる、なんてことは間違っても書かない。
 日本語の本が簡単に手に入らない、異国暮らしの悲しさよ。こうなったら、フランス語で読んでやる~、と近所の本屋に行ったら、クッツェーがあった、3冊も!しかし、『マイケルK』は置いておらず、試しに『エリザベス・コステロ』を購入。
 エリザベス・コステロは、主人公であるオーストラリア在住の67歳の著名な女流作家の名前。文学賞を受賞して、その授賞式に出席し、講演を行うためにペンシルバニアにやって来る。長旅の疲れ、自分の老いを同行の息子に隠さない・・、なんかアンニュイな雰囲気がいい感じ!映画化するなら、シャルロット・ランプリングが適役だな、そういや、フランソワ・オゾンの『スイミング・プールで、彼女は小説家の役をやってたし、なんてわくわくしながら読み始めたのだけれど・・。
彼女の講演の中で次から次へと出てくる、文学作品の引用・・、ジョイスの『ユリシーズ』?タイトルは知ってるけど、読んでまへん。カフカの人間の言葉をはなす猿、って??なんだか、読者を選んじょるな、この本、と(自分の無教養を棚に上げ)、面白くなくなって、投げ出す。そもそもフランス語で読むのが面倒だし。

さて、日本で会った時、ミワちゃんに拙著『夢は待ってくれる』をプレゼントしようと持参したら、なんとすでに買ってくれていて(日本でまだ売ってたのね・・)、フランスに持って帰るのもアホくさいので、ミワちゃんに悪いな、と思いつつも、その場でタケちゃんにあげた。その時に、ミワちゃんが、続きが読みたい、と言ってくれたので、続編が載っている、フリーペーパーの『ビズ・ファミーユBisouFamille』と『ビズ・ビアンエートルBisouBien-etre』合わせて30冊を送る。すると、ミワちゃんが、お返しに、クッツェーの『マイケルK』と『恥辱』(日本語版、もちろん)をフランスまで送ってくれたのだ!う、うれぴー。

それで、『マイケルK』であるが、パリに向かう電車の中で読み始めたのだけれど、文字を追う自分の視線の動きのとろさ(オツムの方か?)にいらいらするほど、引き込まれ、映画館の中でも場内が暗くなるまで読み続け、映画が始まっても、『マイケルK』の続きが気になり、映画など見ずに、本を読み続ければよかったと後悔(じゃ、さっさと映画館を出ろよ、って話だが)。ギャラリーの店番中も、帰りの電車でも読みっぱなし、夜はベッドで眠気と闘いながら読み続け、でも、こんな半分眠ったような状態でこの傑作を読むのはもったいない、と自分に言い聞かせ、中断。翌朝、夫と子供を送り出すや、再び、ページを繰り始め、まもなく読了。
なぜ、この年齢になるまで、この本に出会わなかったのだろう、いやいや死ぬ前に『マイケルK』を読めたことを神に感謝しなければ(謙虚な私)!
と、ここまで言ったら、あらすじを書かないとね。

―アパルトヘイト時代の南アフリカを舞台に、口唇裂を持つ庭師のマイケルが、内戦で疲弊した都市ケープタウンから、母親が少女期を過ごした思い出の地、プリンスアルバートまで、病んだ母親を手作りの車椅子に乗せて旅に出るが・・―(wikiコピペ)

様々なかたちの暴力に遭遇し、それに抵抗して、自由を渇望するマイケルを通じて、人間の本質を描いた名作、というのが一般的な解釈か。
しかし、私にとっては、希望の意味を考えさせられる小説だったのだ。つまり、
肉体は生き続けたがるものであり、精神は生きることに意味づけをしたがる。希望を見出すとは、肉体的そして精神的によりよい状態を、より長く保ち続ける可能性を見出すことで、何をもって“よりよい”とするのかは、一人一人の価値観で判断されるものなのではないか。そして、希望とは、突然どこからか湧き出るものではなく、人の知恵が導き出すものなのだろう。
この小説の最後のパラグラフは、映像的で、希望を象徴するそのイメージは、タルコフスキー作品の最高峰『ノスタルジア』の、温泉を渡るロウソクの火のイメージに匹敵する美しさ!

ぜひ、この素晴らしい作品『マイケルK』を読んでくっつぇ~。


住みたいと思うほど気に入った、北海道旅行記 後編

翌日は富良野へ。旭川在住で、フランス人ポップス歌手クリストフ・ウィレム(歌がめちゃくちゃうまいです、ってベタな表現ですが)のファンサイトを運営している、メロディさんと待ち合わせ。彼女がパリにクリストフのコンサートを観に来た時、会って一緒にコンサートに行った仲なのだ。旭川で福祉施設に勤めていらっしゃるが、お休みを取って会いに来てくれた(感謝!)。
夫が、ジンギスカンが食べたいと言ったので、さっそくネット検索をして、テラス席からの風景が素晴らしい、と書かれていたレストラン“ひつじの丘”に行く。人気店なので、13時過ぎに着いたら、満席で、予約名簿に名前を書くように言われる。私たちの前に十数人が待っているが、なんせ、丘の上の一軒家(一軒店)で、他の店をすぐに探すというわけにもいかない。広い敷地にキャンプ場を併設し、ウサギ牧場(柵の中にたくさんのウサギが)もあるので、時間つぶしにだんなはカメラを持って撮影、息子はウサギを観たり、だんなについて周辺を歩いたり。メロディさんと私は木陰に入って、ずっとおしゃべりしていたので、あっという間に時が過ぎた。それで、ジンギスカンであるが、待った甲斐あり、のおいしさで、しかも、“空腹は最高のスパイス”なので、よけい美味に感じたかも。フランスでは羊肉を絶対に口にしなかった息子まで、うまい!と喜んで食べる。
 その後、ラベンダーで有名な農園、富田ファームへ向かったら大渋滞に。そう、土曜日だったのだ。夫いわく、「南仏に行けばいくらでも見られる」。・・仰る通りです。予定を変更し、ふくだメロン農園でメロンを食べ、そこでメロディさんとお別れし、近くの小さなラベンダー農園に行き、ラベンダー味のソフトクリームを食べる。
 
 さて、富良野といえば、TVドラマ『北の国から』であるが、私は、倉本聰は好きだけれど、このシリーズは特別編を何本か見ただけ。というのも、純くんの顔がダメなのだ。だから、『Dr.コトー診療所』も面白いからと、貸してくれた人がいたが、(パリ在住日本人の間で、ドラマのDVDを貸し合っていた時期に。今は、みんなネットの無料動画で見ている)、やはり吉岡秀隆の顔のせいで、第一話でアウトであった。という話を以前、同じ年の友人にしたら、「私、大ファンで、ファンレターも書いたのよ」と憤慨された。人の好みはそれぞれなのだ。
倉本聰の北海道を舞台にしたドラマで、まず思い浮かぶのは、東芝日曜劇場の『幻の町』だ。笠智衆と田中絹代のキスシーンがあるという、ファン(誰のだ?)涙ものの作品である。北島三郎と桃井かおりが夫婦という設定もちょっと面白い。舞台は、小樽で、今回は行かなかったので、また次回に(とまた、北海道に行く気、満々)。もう一つ、印象に残っているのが、日曜劇場の『うちのホンカン』シリーズ(全部は見てないけど)。倉本作品常連の大滝秀治が、警察官の役で、自分をホンカンと呼ぶ。妻が八千草薫で、娘が仁科明子。あと、『昨日、悲別で』は、使われていた曲が、『22才の別れ』とCATSの『メモリー』(ピアノ曲)だったのをよく覚えている。ぐっと最近(と言っても8年前か)では、『優しい時間』(原案は倉本だけど、4人の脚本家が書いている)で、二宮くんって、いいな~、と。実は嵐のメンバーで顔が分かるのは二宮くんだけ。
 
20代の頃に富良野塾(倉本聡が、私財で設立した脚本家養成塾)に入るって選択もあったな。2年間富良野に住めて、脚本の勉強ができるなんて(実は大学4年の時、一時、YMCAの脚本家養成講座に通っていた)、夢のようじゃないか!当時は、厳寒の北海道で農作業しながら共同生活をするなんてとてもじゃない、と思っていたが、今なら、喜んで入塾する。ま、そんなことを今更言っても、どうしようもないが。



 富良野に来たらオムカレーだ、と夜は、宿から徒歩圏にあった、民宿の一階にある店に食べに行く。富良野オムカレーは、基本的に富良野産の食材(米、卵、野菜など。北海道産ならOKとしているらしいが)を使い、必ず富良野産牛乳がついてきて、税込値段が千円以下、という規定のある、地産地消メニューなのだ。けっこうボリュームがあって、昼ごはんが遅かったせいもあり、やっとの思いでたいらげた(食べ物を残すのは、きらい)。
 
 翌日、美瑛に出かけるも、夫は退屈し、「フランスにいるみたい」。確かに。昼は、富良野に戻って、割り子そばを食べる。(これはフランスじゃ、滅多に食べられないだろう)。
その後、最終目的地、釧路に向かう。少し遠いので、高速道路に乗ってみたところ、片側一車線でしかも制限速度70キロだったので、びっくり。こんなところで、スピード違反で捕まったら大変、と70キロで走っていたら、観光バスにびゅんびゅん追い抜かれたので、バスの後を同じスピードで着いて行くことにする。

釧路の宿は、台氏(誰?と思った方は、前篇を読んで下さい)のご両親が経営するライダーズハウス兼民宿銀鱗荘。
風呂、トイレ、洗面所共同の昔ながらの民宿であるが、そのたたずまいから何だか大学時代、同じ音楽サークルにいた岡山出身の男子の下宿が思い出され、懐かしく感じる。
ライダーズハウスと聞いて、若い人ばかりが泊まっているのかなと思っていたが、食堂で、夕食のテーブルを一緒に囲んだのは、私と同年代の40~50代の方たち。福島から来たライダー夫婦は、奥さまがナナハン、だんなさまは1100に乗っていて、二人の娘さんはすでに成人しているので、夫婦二人で北海道ツーリングを楽しんでいるという。他に車で北海道を回っている一人旅の男性、釣りに来ている男性、そこに台氏の父上と、料理を作って、運びながら母上が会話に混ざる。地元でとれた新鮮な魚介類を中心に、“これぞ日本の(北海道の?)家庭料理!”な副菜の数々。魚介の食べられない息子には、肉料理も用意して下さる。こうやって、たまたま同じ宿に泊まった人たちと、北海道の幸を食べながら、北海道旅行について語り、情報交換しあう(どこそこの道路は、パトカーが脇道に隠れてスピード違反を取り締まっているから注意!なんて、お役立ち情報も)って、まさに旅情を感じるぜ!夫も話の内容をほとんど理解できないながらも、雰囲気(ともちろん料理)を楽しんでいる様子であった。
 
翌朝は、7時に起きたにも関わらず、食堂に行くと、他の客はもうすでに出発した後だった。魚、卵料理、のりに納豆・・の日本の朝ごはんで、息子は朝から納豆が食べられるので大喜び。
まずは釧路湿原の細岡展望台に。その後、摩周湖に向かう。正午過ぎに摩周湖に着いた時には晴天で、パーキングの売店の人に、「ツイてますね~」と言われる。その摩周湖であるが、この世のものとは思えない美しさで、アイヌの人々が、神の湖と名付けたのもうなずける。でも、霧の摩周湖って言うくらいだから、霧がかかっている姿も見たかったかも。

摩周湖
(摩周湖)

その後、クッチャロ湖に行くも、だだっ広い湖で、摩周湖の後ゆえか、大した感慨も覚えず、さっさとマリモで有名な阿寒湖に向かう。昔、TVドラマの『キイハンター』で、盗んだダイヤモンドをマリモの中に隠す、っていうエピソードがあった覚えが。それで、阿寒湖であるが、湖にすっかり飽きてしまったらしい夫は、湖畔へと続く道にずらりと並ぶ、土産物屋を端から覗き始める。木彫りの熊がたくさん置いてある店のオヤジさんが、熊は頭が左側にあるものがほとんどで、右側にあるものはかなりの腕前の彫り師しか作れないのだと説明してくれた。そういえば、私は子どもの頃、マンガ家を目指していたのだが、確か、横顔は左向きを描く方が楽だったので、それと関係あるのか?自分用にミニチュアの熊(体長2センチくらい)を買い、また、私に滅多にモノなど買ってくれることのない夫が、アイヌの少女の顔を彫ったペンダントをプレゼントしてくれ、雪でも降るのでは、と心配になる。北海道なら7月の雪もあり得・・ないか。
宿へ戻る道中、霧が発生し、しかもガソリンがほとんど残っていないことに気付き、青ざめる。まもなく市街に入り、霧に浮かぶガソリンスタンドの看板を見つけ、ほっと胸をなでおろす。
銀鱗荘では昨日に続き、夕食には魚介類が並ぶ。活きのいい旬の魚介をわさびじょうゆで食べる、って実に贅沢だよな、と北海道最後の夜に、しみじみと感じた。

雨男の夫が一緒だったにも関わらず、登別以外は晴天で、風景は時に涙が出るほど美しく、食べ物はおいしく、夫がプレゼントまでくれて、何かこの後、とてつもなく悪い出来事が待っているのではないか?と幸せ慣れしていない私が不安になってしまうほど、北海道旅行は楽しかった。

 神奈川に戻り、北海道は素晴らしい、日本に永住帰国するとしたら、北海道に住みたい、と友人に話すと、「冬の寒い時に、もう一度行ってから考えな」と言われる。確かに・・、じゃ、今度は、札幌雪まつりにあわせて行こうかな。その時期はホテルを予約するのが大変かもしれないけど。

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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