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ビズ、『ふらんす』誌に紹介される

仏文学またはフランス語を学んでいる人なら、一度は雑誌『ふらんす』を読んだことがあるか、少なくともその名前を知っているのではないか?
と偉そうな書き出しをしたが、仏文学の研究者による作家論や文学評論、仏検対策の記事などが載っている、文字の多い、固い雑誌というイメージがあって、仏文科に籍を置いていた私も、滅多に読まなかった。手塚治虫の『ブラックジャック』の好きな作品が仏語の吹き出し付きで載っていた号を買った記憶はあるが。
発行元の白水社は、フランス人作家や仏文学研究者の本を出しているアカデミックなイメージだし。そういえば、大学の時、仏文科の一学年上の男性が、白水社に採用されて、後輩たち(私を含めて)に、すご~いと尊敬のまなざしで見られていたっけ。

ふらんす

その『ふらんす』の編集者から先月、フランス関連のフリーペーパーを紹介するので、ビズについてコメントがほしい、とのメールが届いた。しかも、最後に「留学時代にはビズにお世話になりました」とある。感激!と、喜んでコメントと表紙の画像を送った。

さて、今週、そのビズの紹介記事が載っている『ふらんす4月号』を受け取った。相変わらず(っていうほど読んでいなかったんだけど)文字が多いな、なんて思いながら、ぱらぱらとページをめくり、大学時代に講義を受けていた教授やフランスで顔見知りのジャーナリストの記事に目を通す。巻頭には池田理代子が“フランスと私”というコラムを寄せていたが、実はつい先日、4年以上前から付き合いがあったにも関わらず、お互いが仏文学科卒だということを初めて知った、ママ友達が、フランス文学を選んだきっかけは『ベルサイユのばら』と話してくれたばかりだったのだ。

フリーペーパー紹介記事の筆頭にあげられていたのはOVNI(まあ当然か)、後は知らない雑誌が何冊も紹介されていたが、みんな日本で発行されているものであった。ビズは「ひときわ個性的」と評されていて、「編集スタッフはなんと全員ボランティア」とまあ、私がコメントしたのだが、あまり自慢できることじゃないかぁ、なんて思ったりして。

そういえば、最近急に日本からビズのバックナンバーを購入したい、というメールが数件来たのだが、『ふらんす』の紹介記事のおかげ?あと、少し前に『日本語版海外フリーペーパーコレクション』という本でも紹介されたので、その影響もあり?ちなみにこちらは写真の多いビジュアル系の本です。
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日本人がニューカレドニアで作る、有機栽培のコーヒー

拙著『夢は待ってくれる』の日本の発売元、東京文献センターの編集者から「今度、新しく出した本です」と一冊の新刊書と粉コーヒーが送られて来た。
本のタイトルは『カフェ・ロラ四銃士』。著者の松本健さんは日本とフランスで歯科医の免許を取り、名古屋で歯周病専門医院を開業していたが、引退後の定住地としての“楽園”を探しに訪れたニューカレドニアでフランス人の青年実業家クリストフに会う。そして、彼の「一緒にコーヒーを栽培しないか」の一言で、123ヘクタールの土地を買い、“コーヒーについての知識は0に近”い状態で、コーヒー農園を始めた、という、・・ずいぶん、思い切りのいい人である。カフェ・ロラは松本さんの手がけるコーヒーのブランド名で、四銃士は松本さん、共同経営者のフランス人クリストフ、農園で働くカレドニッシュ(ニューカレドニア生まれのフランス人)のリシャー、先住民族メラネシア人のパウロの4人、コーヒーを力を合わせて作る仲間である。この本は松本さんの体験記で、ニューカレドニアの魅力、生活する中で感じたカルチャーギャップ、そして農園経営、コーヒー栽培について等々が、素朴で率直な文章で綴られている。

ニューカレドニアの美しい風景写真がたくさん載っているこの本を読み、何にでもすぐ影響される私は、「行ってみたい!」と、さっそくネットでニューカレドニア・ツアーを検索し始める。ただ、ニューカレドニアは遠いし、物価も高いので、フランス領で、もちろんフランス語が通じるし、あんなに美しい海がある(天国に一番近い島!)にもかかわらず、フランス本土人には不人気、と聞いたこともある。夫も「日本よりも遠いんだぜ」とあんなところに行く人の気がしれない、という口ぶりだ。確かにパリからは飛行機で21時間もかかる。日本からなら8時間で行けるので、パリ発のニューレドニア+日本なんてツアーもあるらしい。

さて、本に添えられてきたレギュラーコーヒー粉はむろん、松本さんの農園で作られた有機栽培のコーヒーだ。さっそく淹れてみると、おいしい!旨い、まずいをはっきり言う夫も(グルメってわけじゃないけど)、「悪くないな」、と一言。
「とてもおいしかったです」と松本さんにメールすると、「自然に満ちた綺麗な環境から出来たものですから、美味しいです」と自信に満ちふれた返事が。穏やかな気候、美しい海、緑の自然に囲まれて、自ら美味しいといえるコーヒーを作るなんて、羨ましい。もちろん、本書にはコーヒー作りのたいへんさ、松本さんの奮闘ぶりも書かれているが。

さて、このおいしいコーヒー、残念ながらフランスでは販売されていない。フランスにいる知人で有機栽培の日本茶をフランスに輸入し、フランス産ハーブティを日本に輸出している人がいるので、売り込んで、フランス販売のルーツを作ってもらおうかな、なんて画策している。




町の映画館

私の住むパリ郊外、コンフラン・サントノリン市には映画館が二つある。一つは大手映画館チェーン、パテPathéの上映室が9つもある、シネコンってやつだ。もう一つは市役所の隣にある、小さな映画館、その名もシネヴィルcine ville 、直訳すれば“町の映画館”である。
パテの映画館は、我が家から歩いて10分のところにあり、しかも私は見放題パスを持っているのでよく出かける。一方のシネヴィルまでは車で10分かかるし、今まで行ったことが一度もなかった。
ところが、先々週封切りのクロード・シャブロルの新作、ジェラール・ドパルデュー主演の『Bellamy』がなんとパテでは1週間で上映打ち切り。シネヴィルで「月曜14時半から上映」と情報誌にあったので、出かけてみる。

何百台もの車が止められる専用駐車場があるパテと違い、まずは市役所前の有料駐車場に車を止める。館内に入ってみると、待合室の奥にあるチケット売り場には3人ほどおばあちゃんマダム達が並んでいる。まあ、平日の午後だし、シャブロルの映画っていつもおじいちゃん、おばあちゃんの観客が多いのだ。「ブログのために写真を撮るか」と外に出て、カメラでパチパチやっていたところ、いきなり大型バスが入口に横付けになり、コンフラン中のおばあちゃんが集まったか!と思うくらいの数のたぶんみんな80歳を超えているだろうと思われる老マダムたちがどーっと降りてきて、待合室がいっぱいになる。市内にある老人ホームの送迎バスか?でも、それなら誰かがまとめてチケットを買ってあげればいいのに、全員がチケット売り場に並び、中には杖をついている人も。ちなみに、おじいちゃんは数えるほどしかいない。うーん、ジェラール・ドパルデューに想いをよせるおばあちゃんたちが集まっているのか?(美男俳優ジェラール・フィリップならともかく・・)フランスも女性の平均寿命が高く、つれあいを亡くしてから老人ホームに入る女性の入居者が多い、ということか?

町の映画館

(通りを隔てて家が並んでいる、町の映画館)

やっとチケットを買い、地下にある上映室に降りていく途中、杖をついて手すりにつかまりながら階段をゆっくりゆっくりと降りている老マダムがいたので「大丈夫ですか?」と声をかけたが、少しむっとした顔をされる。年寄り扱いされたくない頑固ばあちゃんか。
上映室はきれいで、300席くらいある。真ん中より後ろくらいをなぜか老人ホームグループが席を占めていて、引率の職員のような人が「マダム○○こっちです!あ、マダム△△ここですよ!」なんて声を張り上げている。そして、その集団を避けるかのように、数組の老夫婦が前の方の席に座っていた。
この様子では観客の平均年齢は80歳を超えてるかも(当然、ダントツに若いのが、私とその職員らしき人)。しかし、シャブロルの新作は殺人事件もの、のはず。おばあちゃんたちの心臓によくないんじゃないかなぁ、などと思っていると、映画が始まる。ところがオープニング・クレジットにソフィー・マルソー、ダニエル・ブーン・・、え?こりゃ、評判イマイチの倦怠期を迎えた夫婦のどたばたコメディ『De l’autre côté du lit』じゃないか?そう、上映室を間違えたのだ。

おばあちゃんたちに気を取られて彼女たちの向かう上映室へとついつい入ってしまったのだ。そういえば、普通、複数の上映室がある映画館では捥ぎりの人が「階段上がって右です」とか教えてくれるのに、それがなかったなぁ。と、慌ててそこを出て、『Bellamy』の上映室を見つけると、先ほどの3分の1くらいの小さな部屋で、観客が6~7人しかおらず、こちらは定年を迎えた直後、と言った年齢のムッシューばかりであった。ちなみに、両作品は上映開始時間が同じだったのだが、おばあちゃんたちに見る映画の選択権はなかったのかしらん?

このシネヴィルは、コンフラン市から援助を受けてなんとか経営が成り立っている、と聞いたことがある。町の映画館なので、子どもむけ、大衆向け娯楽作品映画が中心だが、マニアックな作品や一般受けしなさそうなドキュメンタリーの佳作なども上映ラインナップに含まれている。何より、非フランス語映画の字幕上映にこだわっているところがいい(コンフランのパテは全てフランス語吹き替え)。個人的には見放題パスの使えるパテ(近いし)をできるだけ利用したいところだが、パテではやっていない作品をパスの使えるパリの映画館まで見に行く電車賃を考えれば、入場料はとんとんなので、地元の小さな映画館を少しでも助けるためにも、たまには足を運ぼうか、なんて思った。老人ホームのおばあちゃんたちのためにもね。まあ、単に老人ホームの送迎バスがパテに行けばいいだけの話かもしれないが。

朝霧の中、パリを走る

先週の金曜夜に、在仏日本雑誌記者会の食事会に参加した。
在仏45年、パリ在住日本人画家の中で最も著名であろう、赤木 曠児郎先生が運営されている組織で、私のようなフリーライターだけではなく、新聞社や出版社のパリ特派員の方も登録していて、個性的な面々が多く、年齢層も80代~30代と幅広い。
メンバーが集まる機会は滅多になく、今回、13区のベルシー地区に位置する元フランス国鉄の冷凍倉庫で、現芸術家村の大きな建物の一角にあるレストランで、久しぶりの食事会が開かれたのだ。

案内状に19時―22時、とあったので、13区とはちょうど反対側のパリの北西郊外に住む私は車で出掛けることにする。夜、郊外電車に一人で乗るのはなんとなく気が進まない、ごくたまに暴力事件もあるし。

さて、金曜の夕方、パリまでの高速は車も少なく、すいすいと進んだのだが、環状線に入ったとたん、大渋滞に巻き込まれる。郊外暮らしも3年目を迎え、つくづく引っ越したことを後悔する今日この頃、「パリに住んでいれば、地下鉄であっと言う間で、こんな苦労をしなくて済んだのに」とクラッチを踏みながら(マニュアル車なので)、独りごちる・・。

目的地に着くも、駐車する場所を探すのに苦労し、店に入れたのは20時半近く。さて、会場は、在仏画家小泉摩理子さんが経営し、食事も作る日本食レストランだ。記者会のための特別メニュは、焼き魚、煮物、春巻き、実だくさんのお味噌汁、ちらしずしと日本のおふくろの味でおいしかった!遅れてきたにもかかわらず、ちゃんと前菜から全ていただき、食後の手作りチョコレートケーキも甘さ加減がちょうどいい、個性的なメンバーたちとの雑談も楽しく、渋滞疲れもふっとんだ。

各テーブルをワインボトル片手に回る赤木先生(気配りの人です)から「飲まないの?」と聞かれ、「車なんです」と答えると、10年来の友人でノルマンディからわざわざ来たT子さんが、「よかったら私のホテルに泊まらない?」。というのは彼女、一緒に住んでいるカメラマンの彼と参加の予定で、会場近くにホテルを予約したのだが、急に彼が来られなくなったのだ。「彼が由香さんに代わりに泊ってもらったら、って言ってたんだけど、ほら、家族もいるし、外泊なんて難しいかな、と思ってさ」。「なんでもっと早く言ってくれないのよ!だったら、電車で来れたのにぃ」、とずーずーしく文句をつけながらも、お言葉に甘えることにして、夫に電話をする。夜の運転は危険だし、明日の朝なら道路もすいてるし」と夫を説得し(別に反対もしなかったが)、閉会まぎわにワインをぐびぐび飲む。

普段の生活では縁のない3つ星ホテルに泊めてもらい、「寝巻きや歯ブラシは置いてないの?スリッパは?」とあちこちを見まわしていると、「フランスのホテルはそんなものつかないわよ。4つ星だとバスローブくらい置いてあるけど」とT子さん。一つ星かせいぜい2つ星にしか泊まったことがない私は、高いホテルなら日本同様、色々なサービスがあると信じていたのだ。一つ勉強になった。

朝、7時45分、サン・ラザール駅発の電車に乗ってノルマンディに帰る、というT子さんと、ホテルを朝7時に出ると、外は真っ暗な上に霧がかかっていた・・、夜中に運転するよりもっと怖いかも・・。「セーヌ岸沿いの道をずーっと通って、パリを突っ切って行けば?そこからコンフラン方面の高速に乗れるよ」と実はT子さんは以前はエッフェル塔のそばに住んでいて、その時から車を運転していた人なので、パリの道路事情に詳しい。T子さんはそのまま地下鉄駅に向かい、私は一人、「なるほど、環状線なんぞに乗っかるより、朝霧にむせぶノートルダム寺院を見ながらドライブ、なんてのもおしゃれだな、確か食事会の案内状に載っていた地図によるとセーヌ川がすぐ近くに流れていたはず」とそれを見ながら、車を進めるも、暗くて、しかも初めて来る地域なので、セーヌがどこにあるかさっぱり分からない。やがて、道幅はやたらと広いのに、車が一台も通っていない通りに出て、だんだん不安になり、引き返そうかと思っていたら、左前方にこの時間に明かりがついた大きな建物が・・。オーステルリッツ駅である!駅の前でやっとセーヌ岸沿いの道にたどりつき、いよいよパリを横断だ。 
ノートルダム寺院の前を通った時は暗くて輪郭しか見えず。サン・ミシェル広場のカフェはこんな時間に人がたくさん入っていた。朝食を取りに来た観光客か?エッフェル塔脇を通り過ぎた頃から空が白み始め、高速に乗り、パリ郊外サンクルーの街を見ながら、セーヌを超えた時にようやく空が明るくなった。
これじゃ、昨日の夜中に帰ってもあまり変わらなかったなぁ、と思いつつ、サンジェルマン・アン・レイのパン屋で朝食用のクロワッサンとパン・オ・ショコラを買い、「フランス人っぽいじゃん」といい気分になる。
サンジェルマンの森も朝霧が深く、事故っちゃ、たいへん!とスピードを落とす。車がほとんど通っていないので、ちんたら走っていても、クラクションを鳴らされなくて済んだ。

結局、家には朝8時着。朝帰りなんて何年ぶりだ?映像プロダクションにいた時以来(つまり、仕事ゆえの朝帰りです)。

郊外に引っ越していいことなんかなかったなぁ、なんて思ったりもするが、運転ができるようになったのは、とってもいいことだ。パリ(というか正確にはブーローニュだが)にいたら、いまだペーパードライバーだったに違いない。



『アカギの版画パリ百景』赤木先生の新刊。物書きとしても活躍されている先生の、観光ガイドには載っていないパリ案内の文章に先生の画が添えられている。画に文が添えられているのか?

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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