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“親って一体何ぞや?”と考えさせられる映画や本に縁があった2011年

親って一体、なんぞや?って、子どもを持つ人なら、一度は、考え込んだことのある命題だろうが、振り返ってみると、2011年に見た映画は、“親って何ぞや”がテーマの作品が多かったような・・。

・ある日突然、一人息子を事故で失ってしまったら、その時、親は?―『ラビット・ホール』(二コル・キッドマン主演のハリウッド映画)

・生まれた子どもに脳腫瘍があることが分かったら?親にできることは?―『La guerre est déclarée』(フランス映画)

・息子が大量殺戮犯となり、夫と娘まで殺してしまったら?―『We need to talk about Kevin』(イギリス映画) 
重いな~、ちなみに、邦題は『少年は残酷な弓を射る』だって、なんだかねぇ、『ケヴィンについて』くらいでいいのに。いっそのこと、『息子は大量殺戮犯』って、ネタばれタイトルか。私は前情報全くなしで、観に行ったから衝撃が大きかったわ。
 
そういえば、私の大好きなダルデンヌ兄弟監督の『Le gamin au vélo』(フランス・ベルギー・イタリア合作映画)も実父に見捨てられた男の子と養母の物語だったし。

映画じゃないけど、萩尾望都の『春の小川』は母親の死を受け入れることができない少年の話であった。これは、素直に泣けました。

極めつけは、Jean-Louis Fournierの小説(というか独白文というか)『Où on va ,papa?』だな。これは2008年のフェミナ賞受賞作で、たまたま私が読んだのが去年、ってだけの話だが、あ、でも邦訳は2011年出版のはず。
身体的・知的重度障害のある二人の息子について父親が書いたものだが、きれいごとなし、諧謔的、ちょっぴりおかしくて悲痛な、魂の叫び(って陳腐な表現だけど)とでも言いましょうか。
長男が亡くなった時の、「障害のある子どもの死は、それほど悲しくないなんて思っちゃいけない、ノーマルな子が亡くなるのと同じくらい悲しいのだ」の一文で、その後、数日この本が開けなかったよ。こんな、すごい本、滅多にお目にかかれない、って、読書家ではない私が言っても説得力ないが。これ読んで、「感動をありがとう」なんて安っぽいセリフを言うヤツは引っぱたいてやりたいぜ。

ちなみに上にあげた作品、“子ども”はなぜか、み~んな男の子だ。

当然、私は、発達障害の我が息子を顧みるわけで・・、息子のことで苦労しているのは、自分だけじゃない、というごく当たり前のことを再認識したのであった。

ou_on_va_papa.jpg
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我が愛しの市川雷蔵様が、パリのスクリーンに登場

我が愛しの市川雷蔵様が、パリのスクリーンに登場

いつも、イベント情報を送ってくださる、パリ日本文化会館のSさんから、去年暮れに届いたのが、この1月17日から始まる、“日本映画黄金時代の名匠たち”特集上映会のお知らせ。第一弾は三隅研次と加藤泰特集。
三隅研次は、私の好きな日本人監督の5本の指に入る、主に時代劇を手掛けた名匠である。特に我が愛しの市川雷蔵様の主演作に素晴らしい映画が多い。今回の特集でも取り上げられる、『斬る』、『剣』、『剣鬼』の剣三部作は、三隅&雷蔵コンビ作品の最高峰だ。その中でも一番素晴らしいのは、やはり『斬る』だな。こちらも私の好きな日本映画の5本の指に入るぞ。強く、気品があって美しく、薄幸、というまさに雷蔵様ならではの、役どころ。もうよだれが出ます(・・なんて品のない私)。
『剣』は三島臭さがぷんぷんスクリーンから漂うのが、ちょっと鼻につくな(文字通り)。しかも、敵役の川津祐介の方がかっこよく見えたりして(私って浮気者だわ)。
『剣鬼』は、私の好きな戸浦六宏がばか殿(気狂い殿か)の役で出ていて、彼もまた素晴らしい、ってでも、もちろん一番すごいのは雷蔵様です(と意味なく取り繕う)。

ところで、今回、この特集をBisouJaponでも告知することになり、Sさんに、「雷蔵様の写っているスチール写真を送ってください」と言ったら、本当にたくさん送ってくださり、御礼メールに「うちのパソコンの壁紙にしようかしら」と添えたらら、「どうぞ、でもクレジット(著作権者名)を入れてください、嘘です」というおちゃめな返信が。
それで、うきうきと眠狂四郎・雷蔵様が円月殺法の構えをしている写真を選び、雷蔵様のお姿が1ミリ四方たりとも隠れないように、アイコンを動かす。すると、パソコン画面の中で狂四郎の愛刀、無想正宗がきらりと光り(光ったような気がした、だけだろうけど)、ふと悪寒に襲われ、その後、何だか小さな悪いことが続いたので(まあ、そんなのはいつものことだが)、仕方なく、壁紙を息子の写真に替えた。パソコン画面の中からも妖気を放つとは、さすが名刀、無想正宗である。

上映が夕方から夜にかけてなので、郊外に住み、小学生の子どものいる私は、残念ながら、雷蔵様のお顔を拝みに行けそうにない。せめて『斬る』だけでも見たいんだけどなぁ。

雷さま

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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