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フランスでフリマ出店

4月の第一日曜日、初めて地元コンフラン市のフリマに参加した。会場は我が家から車で3分、Les maisons des jeunes et de la culture(青年文化会館とでも訳しましょうか?)という柔道、ヨガ、チェスなどのサークル活動が行われている、元貴族の館と思しき建物の前に広がる芝生広場。出店料は2m×2mで、10ユーロ。
フリマって友人たちとシェアして、おしゃべりしながらモノを売り、順番に店番しながら他の店をひやかすのが楽しいのだが、今回、パリの日本人フリマに何度か一緒に出店したフリ友(?)たちに声をかけたが、誰がそんな遠いところまで行くか、という顔をされる。確かに、普通のフリマ(日本人向けではない)ならどこの地域でもやっているので、わざわざ荷物(しかも不用品)を持って遠くまで行く必要はない。一度、パリ南郊外の町のフリマに、そこに住む知人と一緒に出店したが、たどり着くのに車で1時間かかり、しかもえらく早起きして、たいへんだった、帰りは渋滞に巻き込まれたし。

それで、今回は、息子と夫に手伝ってもらい、単独参加(?)することに。
売りモノ(処分したいモノ)は、チャイルドシート、子どものおもちゃ、服、靴、本、私のコート類、かばん、安ものアクセサリー、いただきもで自分の趣味に合わないオブジェ、だんなの文庫本、パソコンモニターなどなど。
こんなもん誰も欲しがらないよな、とか、ちょっとくたびれすぎてる?と思うものでも取りあえず出してみる。というのも、パリ南郊外のフリマに出た時に、息子のだいぶくたびれたコンバースのスニーカーを、50サンチームの値をつけて置いてみた。すると、犬を連れたムッシューが来て、しゃがんでそのスニーカーを子細にチェックし、片方の靴ひもが擦り切れているのに気付いた様子で、あ、こりゃ、ダメだ、と思っていたら、「これ、買うよ」!「うちの犬は靴ひもを噛むのが好きなんだけど、わざわざ新品を買うわけにいかないから」。ムッシューは50サンチームを私に渡し、靴ひもだけ取っていこうとしたので、「靴もセットです」と言うと、嫌な顔もせず、靴ごと持って帰ってくれたのだ。

フリマの搬入は当日朝6時半からで、一般開場は7時半からと早いので、前日の午後に準備に励む。埃の付いているモノは雑巾がけ。アクセサリーは、日本の百均で買った整理パックに入れる。値段付けであるが、値切る人が多いので、ちょっと高めに設定する、高すぎると、値切りもせず通り過ぎられるので、そこが微妙。まあ、断捨離目的で、ごみに出すよりは誰かの役に立てば、と思う程度なので、子どものセーターや靴は2ユーロ、自分のアクセサリー類も2~3ユーロくらい、本は一冊50サンチーム、5冊で2ユーロ。コートは10ユーロのお値打ち価格にし、一品一品値札を貼る(本は除き)。夕方にモノをつめた段ボール数個を車のトランクに入れ、当日は、テーブルやパイプハンガーなどの什器と旅行用トランク(服、鞄類入り)を積めばOKという準備万端な状態に。

さて当日、朝5時半に起き、張り切っておにぎりを作るも、寒いし薄暗いし、日曜の朝7時半から誰もフリマなんかに来ないだろう、と結局、7時半に息子を起こして、8時前に出かける。ところが、会場に近付くと、路上は車がいっぱいで、戦利品を抱えて会場から出てくる人の姿も、ちらほら。
慌てて、車を会場入口に乗り付け、スタッフらしき人に、出店者カードを見せると、「付いて来て」と言われ、「場所はここ」と芝生上の一角を指差されるが、ロープが張ってあるわけでもなく、どこからどこまでが自分のスペースなのかよく分からない。車に戻ると、今度は別のスタッフが「誘導します」と、彼女の後を車でのろのろ付いて行くと、さっきとは全然違う場所に連れられて、「ここで、2mね。荷物下ろしたら、車出して」と言われる。フランスならではのいい加減さ。荷降ろしをしている端から、人が寄って来て、「これいくら?」、「これ負けて!」の声が飛び交う。熱気に思わず帽子をぬいでテーブルに置くやいなや「この帽子いくら?」と聞かれ、「私のです」と慌ててかぶる。
息子にパイプハンガーの組み立てを頼むも、できずに癇癪をおこし、「オレ、買い物に行く」とフリマの人混みの中に消えて行く。息子もフリマ好きで、幼稚園や学校のバザーで、ミニカーやトーマスコレクションなどを買いまくっていた。一度など嬉々とした顔で、ミニカーのどでかいパーキングを抱えて来たことも。今回、息子のおもちゃも断捨離目的でたくさん出すが、それ以上にまた買いこんだらどうしよう、と心配になる。小遣いは10ユーロしか渡していないが、フリマならそれで山ほどのモノが買えるし・・。

10時近くになってようやく夫がパソコンのモニターとキーボードとプリンタを担いでやって来る。「車を会場の外に出すから、店番して」と頼むと、「ここでキミが車を運転したら、人を轢き殺すよ」。確かに、すごい人出だし、隣の出店者も遅れて来て、私同様、車を置きっ放しなので、そのままにしておくことに。

たいていのフリマ客はよく値切る、というか、値切るのがフリマの醍醐味、と思っているフシがある。8ユーロの値札を付けた息子のスキーウェアを手にしたマダムが、「これ、ベルトがないわよ」。それを理由に値切るつもりだな、と身構えると、そばにいた知合いではなさそうな他のマダムが、「うちの子、同じウェアを着ていたけど、ベルトなんか使わなかったわよ」!余計なことを、という顔をしながらも最初のマダムはひるまず、「5ユーロにして」。うーん、と私は悩むようなふりをし、「仕方ない、5ユーロで」と答えると、マダムはご満悦の様子で購入。実はこれ、パリ南郊外のフリマにて10ユーロでゲットしたモノ。この冬、息子はこのウェアを着て、5日間のスキー教室に参加したので、5ユーロでレンタルしたと考えれば、損した気はしない。
その他にも直球で、「フリマなんだから、負けてくれ」とか、「今日はたくさん買ってお金がないから、値段下げて」とか、小銭入れの中身を見せて、「もうこれしか残ってないから」などなど、みんな都合のいい理由を並べて、2ユーロのものを1ユーロに値切ったりする。一度、あるムッシューが12ユーロを付けておいたパソコンモニターを「キーボード付けて10ユーロなら買うよ、あ、でも10ユーロ残っていないかも」と小銭入れを開いたところ、運悪く、10ユーロ札がちらりと見えてしまい、慌てて「娘に相談して来る」と去って行った。せこい!
値切りを予期して、値付けをしているし、残ったものを持って帰るのも面倒なので、私はたいてい、相手のいいなりに負けている。しかし一度、夫に店番を頼み、会場を一回りして戻って来たところ、夫が「この2ユーロのこけしを1ユーロにまけろ、ってばあちゃんがいたから、はっきりNONと言ってやった」!「1ユーロでよかったのに、売れ残ったらどうするの」と文句を言ったら、その後、女の子が2ユーロで買ったので、夫は、大得意顔であった(そのくらいのことで・・)。

コンフランフリマ

昼前に息子が「腹、減った」と戻って来た、リュックをパンパンに膨らませて。「みんな、50サンチームだ」と中から数台のミニカーと大きなルーレットの円盤を取りだすが、数字フェチの息子は、「これも0だけ。00がない」とがっかりする(なら買わなきゃいいのに)。なぜかフランスのルーレットは00がなく、一度、遊びに行った日本人家族宅で00のあるルーレットを見て以来、忘れられないらしい。

午後になると陽気もよく、ますます人が増えて来て、息子のクラスの女の子3人連れが、からかいに来る。息子の名前を呼んではきゃーと叫んで逃げて行く、を繰り返すので、一瞬モノを投げつけてやろうか、と思った。息子はコミュニケーション障害があるため、学校でも、からかいやいじめの対象になっている。「あの子たちは意地悪だ」と言いつつ、また戻って来たその子たちに、息子は<ご自由にお取り下さい>の札を立てた折りヅルを入れたかごを差し出して、「これ、ママが作ったんだ」(本当は他の人が作ったんだけど)。その子たちも「へ~」と手を出し、ツルを選ぶ。・・他愛ない。そのうち、息子はその子たちを追っかけ始め(放っておきなさい、という私の忠告は聞かず)芝生の坂になったところで、他の男の子たちも混じりながら、走り回り、その後、ごろごろと坂を転がり始めた。いじめの兆候があったらすぐに飛んでいけばいいや、と様子を伺っていたが、まもなくズボンを土だらけにして戻って来て「意地悪だけど、楽しかった!」??まあ、楽しければいいか。

 夕方になって、イスラム系のメガネをかけた小柄なおばあちゃんが、何度も10ユーロの値をつけたウールの茶色のコートを見に来る。フランスに来たばかりの頃買って、たぶん、息子を産んでから一度も着ておらず、ここで売れなかったら赤十字の古着回収ボックスに入れようと思っていたモノだ。「着てみて」と声をかけても答えない。そして店じまい寸前に、娘らしきマダムと一緒に戻って来て、試着したいと言う。すると、胴周りはキツキツで、丈は長すぎる、にも関わらず、「5ユーロにまけてくれたら買うわ」。もちろん、まけてあげました。

 売上げは、目標額100ユーロを上回って120ユーロなり。天気がよくて気持ちよかったし、モノはかなり売れて、帰りの荷物は少なくて軽かったし、息子も楽しんでいたし、と満足度の高いフリマ出店であった。
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長谷川たかこさん著、『ワカメちゃんのパリのふつうの生活』

勘のいい人なら、気付くだろう、著者の長谷川たかこさんは『サザエさん』の作者、長谷川町子の御親戚だろう、と。
 初めてお会いした時に、長谷川町子の姪ッ子さん、と紹介されたが、まさか、ワカメちゃんのモデルだとは気が付かなかった。その時は、ヘアスタイルもこの本のプロフィール写真のようなワカメちゃんカットじゃなかったし、ご自身が、「実は私がワカメのモデルでございます!」なんて仰るはずもないし。

 長谷川さんは、フランス・パリの情報WEBフレンチ・コードの主宰者として知られているが、同時に“長谷川たかこのパリのふつうの生活”という人気ブログの書き手(ブロガー、って言うんだっけ?)としても有名。彼女も映画フリークなので、私は特にフランス映画ネタを楽しみに、このブログを拝読しているが、フランスのファッション、グルメ、フランス式恋愛、時事問題などを取り上げて、それに対する長谷川さんならではのコメントや感想が面白いのだ。

 それで、本書であるが、このブログを読んだ編集者からの提案で生まれた、とあとがきにあり、ブログに掲載されたものに書き下ろしを加えたコラム集だ。タイトルにもあるようにフランスでの日常生活を、ヴァカンス、恋愛、子どもの学校、パリのトイレ(!)などなどをテーマに、著者は30年近くパリに住み、フランス人の夫をもち、フランス人の友人や仕事仲間も多いけれど、フランス人化することなく(と私には思える)、日本人(女性)ならではの視点で書いている。

同じくフランスに暮らす私には、「あるある」な話もあれば、「へ~、知らなかった」な話も。例えば、日頃から気になっていたけど、今まで自分では調べず(ライターを名乗るならちゃんと調べろよ、って言われそうだが)、へ~、そうだったのか~、と思ったのは、ビストロとレストランの違いについて、そして映画のことを第七芸術と呼ぶが、じゃ、一~六は何なのか?について書かれていたコラム。
私も知りたい!と思った方はぜひ、本書をご購入ください。

パリでおすすめのカフェ、ビストロ、パン屋などの便利情報も載っています。

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(講談社 刊)

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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