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アニエス・ベーのパリコレ・ショー


私のお気に入りのパリ在住日本人クリエーターさんが、これまた、私のお気に入りのブランド、アニエス・ベーとコラボすることになった。わーい、夢のコラボじゃ!しかも彼女が、アニエス・ベーの2016年秋冬のショーに招待され、私のことも誘ってくれたのだ、うれぴ~。
と、フランスに住んでいるとはいえ、パリコレなんぞとは縁のない生活を送っている。15年くらい前に一度、やはり知人に招待され、ショーを見に行った。ぼちぼち有名なブランドだったらしいけど(名前も覚えておらん)、話のネタに一度、見ておくのもいいか、程度の気持ちで行ったら、あっと言う間に終わり、ファッション・ショーってこんなに短いのか、と驚いた。
ファッションにあまり興味なく、ブランドなんぞにも疎いけど、アニエス・ベーは別!日本にいる頃から好きで、今でも、プライベートセールとバーゲンには必ず行くし、持っている服の3分の1はアニエス・べーが占めているかも(ユニクロも3分の1かな)。

さて、アニエス・ベーのショーは10時半から、パレ・ド・トーキョーで。張り切って、10時10分くらいに着いたら、すでに建物の外に行列が。10時半を過ぎても、開場にならず、天気はよかったけど、まだまだ気温は低くて、足裏にカイロを貼って来ればよかった、と後悔した。
何とか、通路の前から二列目の席に陣取る。音楽が鳴り始め、どきどき・・。で、美しいモデルたちが、な、なんと、みんな、私の前で立ち止まってポーズするのだ!と、何のことはない、注意して見ると、ちょうど目の前、ステージの上に大きくバッテン印がついており、後ろを振り向くと、若いカメラマンが三脚を立て、ビデオカメラを構えている。偶然にいい席に座れたのね、ビギナーズ・ラック?

agnesのショー

アニエス・ベーの新作コレクションにうっとりしながらも、しかし、なんでファッション・モデルってほとんどが10~20代の若い子なんだろうね?と素朴な疑問。パリでアニエス・ベーのショップに行くと、客の年齢層がけっこう高いんだよね。50~60代と思しきマダムが多い。一度、プライベートセールで、パリ6区のショップのレジに並んでいる間、前にいた駐在員妻だという若い日本人女性二人組と話をしたが、「日本と違ってフランスでは、アニエス・ベーって年配女性に人気があるんですね」と驚いていたっけ。
アニエス・ベーに限った話ではなく、そもそもフランス人の若い女の子たちは、日本人ほど服にお金をかけないし、若くてブランドの服やバッグを持っているのは限られた層だけ、という印象があるし。ショーだけではなく、新作カタログのモデルもそうだけど、なぜ、顧客ターゲットの中心となる層の年齢のモデルを使わないのだろう?何も、そこらにいる腹の出た50代のおばちゃん(私か?)を使えというのではない、美魔女なる人々は欧米にもいるだろう、確か80歳過ぎた現役スーパーモデルの話も聞いたことがあるし、まあ、そこまで高齢じゃなくても、いいけど。
と、ここまで考えて、はたと気づいたのだが、フランス人って、ブランドをあまり年齢でカテゴライズしないのではないだろうか?ファストファッション系の店で、お孫さんに?と思うような、かわいいワンピを持って70才くらいのマダムが試着室に入るのを見たこともあるし。別に自分より40歳も若いモデルが着ている服でも、自分自身が気に入って、似合うと思えば、それでよし!なのだろう。

そういえば、最後に登場したアニエス・ベー本人は今年、74歳。「年だから、と諦めることが増えていく人生は面白くない」というようなことを、何かのインタビューで語っていた記憶が。その通りだわ。
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フリーランスが、仕事がない時の強い(?)味方

大学を卒業してから、5年ほど会社に勤めた後に、フリーランスの編集ライター兼ヴィデオ・ディレクターになった。と書くと、まるで5年間同じ会社で正社員をやっていたみたいだが、正しくは、その5年間で、3つの会社で正社員、あと、複数の会社でバイトをした。要するに、会社勤めは向かないのだけれど、それでも懲りずに4つ目の正社員としての就職先を探しているうちに、原稿書きを中心にぼちぼちと仕事が舞い込んで来た。東京で、ワンルームマンションの家賃を払いながら、何とか生活できそうな収入が見込めた(気がした)ので、そのまま、だらだらとフリーランスを続けることになった。
 ただ、フリーの仕事は波がある(いつも忙しい売れっ子も、いるんだろうけど)。ぱたっと仕事が来なくなると、言いようのない不安を感じ、節約モードになり、家に籠って、「このまま二度と仕事が来なかったらどうしよう」と、考えても仕方ないことでうじうじする。でも、そんな時期は続かず、急に忙しくなって、「ああ、あの暇な時に出歩いて、遊んでおけばよかった・・」と後悔する。と、25年近く、この繰り返し。

で、もって今、暇な時期が続いている。ただ、一昨年、血迷って会社に勤めたが、やはり続かず、1年1か月でクビにしてもらい、そのおかげで、失業保険という、ありがたいものをいただいている。おかげで“仕事の来ない不安”も半減(いや、もっとか?)。
さらに、去年の9月から、Navigo(公共交通機関のフリーパス)が、パリ近郊全域が統一料金の70ユーロになったのだが、私の住んでいる地域は、それまでは月額120ユーロ近かったので、大幅値下げの感が。以前は回数券を、ちまちま使っていたが、新料金だと月に9回、パリ出れば、回数券よりお得になるのだ。
その上、私には月額20.5ユーロで映画館チェーンのGaumont、Pathe系と複数の単館系の映画館で使える見放題パスなる、強い味方があるので(こちらは、映画館にもよるが、3回使えば元が取れる)、パリに出て、映画だけ見て帰って来る分には、お金がかからないので、いそいそとあちこちの映画館に出かけている。
で、最近見た映画は、

『Le nouveau』Rudi Rosenberg監督
我が家から徒歩圏のPatheシネコンで鑑賞。タイトルは『新入り』、『転校生』ってところか。内気で不器用な主人公が転校先の中学で、クラスの人気者が率いるグループからいじめられ、友達ができない。叔父のアイデアで、家でクラス名と全員を招待するパーティを企画するが・・。
最後は、幸せな気分になる佳作。

『Pauline s'arrache』Emilie Brisavoine監督
邦題をつけるとしたら、『ポーリーヌは一生懸命』ってところか。難しいお年頃、15歳のポーリーヌの日々を追ったドキュメンタリー。監督は義理のお姉さんで、女装趣味の父親との諍い、ミュージシャンの彼との熱愛と別離、などなど。ホームビデオ・ドキュメンタリー?編集のリズムがいい感じ。
『L'Humour à mort』Emmanuel Leconte,Daniel Leconte監督
シャーリー・エブド裁判を追いかけているうちに、あの事件が起こり、テーマがでっかくなってしまったドキュメンタリー映画。殺されたスタッフたちの生前のインタビュー、生き残ったスタッフたちのインタビュー、どちらも重いなぁ。で、もって、彼らも社員旅行に出かけたり、カラオケを楽しんだりする普通の社会人だったんだなぁ、と当たり前のことにも気づく。シャーリー・エブドの創設者の一人が、ヌーヴェルオプセルヴァトゥール誌に、スタッフを危険に(死に追いやるほどの)巻き込んだ、編集長シャルブを非難するコラムを書いた件に関して、シャーリー・エブドの弁護士でシャルブの友人だった、リシャール・マルカが激怒するシーンがある。まあ、確かに死者に鞭打つ発言ではあるが、でも、皆が皆、シャルブを、表現の自由のために殉死した英雄扱いするよりも、こういう見解があってもいいと思う。

この2本を見た11区のLa Bastilleって、パリでもっとも汚い映画館ではないだろうか?座席シートは破れているし、ちょうど上映室の真ん中あたりに、一つ、座るところが完全に抜けていた椅子があったし。あえて、その真後ろの椅子に座ったよ、頭がデカかったり、座高が高かったりする人が前に座る心配がないから。
1月と11月のテロ現場の中心となった11区界隈は、ファッションやアートが大好きな、オサレな人々(Boboボボ= bourgeois bohemianボヘミアン的ブルジョワってやつ?)が集まる、私にとってなんだか居心地の悪い地域。一度、この界隈のギャラリーに現代アートの展示会を見に行った時も、流行の服にお金をかけていそうなオサレな方々(ファッション・リーダーとか呼ぶんだっけ)が多く、5年前に買ったコートを着て、ボサ髪の私なんぞ場違いな感じで、一刻も早く立ち去りたい気分になった。
もう一つ、この界隈になじめない理由を発見した。映画館が少ないのだ。11区には3件しか映画館がなく、全てバスティーユ駅の周りに固まっている。で、そのうちの一つ、La Bastilleは間違っても、オサレな人たちが来るような場所ではない。『L'Humour à mort』はガラガラで、ボボさんたちは左翼インテリなんだそうだが、シャーリー・エブド事件1周年の時期に、最も現場に近い映画館でこのドキュメンタリーを見よう、という気にはならないのかしらん。まあ、夕方の回だったから、夜の回はもう少し人が多かったのかもしれないけど。

『スターウォーズ フォースの覚醒』J・J・エイブラムス監督
2Dの字幕版で、なおかつ見放題パスが使えるところを探し、9区の映画館Max Linder Panoramaへ。
オペラに近いにも関わらず、なぜか今まで一度も来たことがなかった映画館。列ができていたので、並んだら、そこはメザニン席で、周りはなぜか、インテリ自由業者風のムッシューが多かった。平日16時の回なので、自由業者風が多いのは当たり前か。まあ、失業者という可能性もあるけど。で、エンディングロールの最後まで座っている、お行儀のいい人たちばかりだったのは、やはり2D字幕を選ぶ、こだわり派が集まっていたから?
夫と息子が、先に近所の映画館で仏語吹替え版を見て来て、「エピソード4とそっくり」と言っていた。・・確かに。
最後に出て来たマーク・ハミル、いい感じの渋いおじいちゃんになっているじゃない。とかくハリソン・フォードと比較され、SW後は鳴かず飛ばずとか、映画俳優として成功しなかったと言われているが、忘れるなかれ、ハミルはサミュエル・フラーの名作『最前線物語』に出ている。この一作に主演(正しくは主要人物の一人?)したことはSWに20回主演するくらいの価値があるのでは?
いずれにしてもエピソード8が楽しみ。

『山河ノスタルジア』ジャ・ジャンクー監督
凱旋門に近い、単館系映画館バルザックにて。
この映画館は、作品セレクションがよくて、邦画の上映も頻繁。毎週土曜の夜はクラシックやジャズのコンサートをやっているはず(一度も行ったことがない)。場所がら、上品な客、とくに昼間は老マダムのグループが多く、この日も、チケット売場で前にいた老マダムグループのところに、一人のマダムが寄って来て、「ごめんなさい、今日は他のお友達と来たの。次回はあなたたちとご一緒するわ」、「あら、そんなこと気にしなくていいのよ」なんてやりとりが。どこの国でも、いくつになっても、女同士の付き合いはたいへん・・。
上映室は3つあって、一番大きい部屋は天井からシャンデリアがつる下がっている。また、上映前に必ず、名物オーナーがマイク片手に入って来て、観客に挨拶をする。簡単な作品解説をして、次回上映プログラム、コンサートのお知らせなどを伝え、ニュースレター登録を勧め、単館系映画館が減少していく危機を訴え、最後に客席に向かって「見たい映画が複数の映画館でやっていたら、どこを選びますか?」などと問いかけ、常連マダムたちが「バルザック!」と大声で答え(必ず答は、「バルザック」となる質問)てから、映画が始まる。
『山河ノスタルジア』は男二人女一人の三角関係を描く、と言っても期待するような逆転劇もなく、うち一人の男は、彼はどうなっちゃったの?との観客の疑問に答えることなくフェイドアウト(私、何か見逃していないよね?)。最後に舞台は2025年に飛ぶのだが、近未来のオーストラリアは、ほとんど現代と変わらない気がする。まあ、考えれば、たった10年後か。映画ガイドのあらすじに「時代に翻弄され」みたいなことが書かれていたが、もっと普遍的な“愛の物語”と言うか、人の一生ってこんなもんかもね、としみじみ。

『バケモノの子』細田守監督
シャンゼリゼのGaumont Ambassade映画館にて。これも字幕版にこだわったら、上映館が限られていて、日曜に、人込みの多いシャンゼリゼに息子と見に行く。面白かったけど、前作『おおかみこどもの雨と雪』の方が好きかも。息子はなぜか“心の闇”に反応し、しばらく「わし(となぜか自分をそう呼ぶ)は心に闇があるから」と言っていた。しかし、蓮の優しそうなお父さんとお母さんがなぜ離婚したのか?が、最後まで解明されなかったな。些細なことだけど、とても気になった。

『キャロル』トッド・ヘインズ監督
行きつけの(?)映画館Gaumont Opera Premierにて。
ケイト・ブランシェットがとにかく美しくて、だから、同性が恋に落ちても無理はない、ということかしらん。テレラマ誌もカイエ・ドュ・シネマ誌も五つ星、ってそれほどの作品かぁ?

45ans.jpg

『さざなみ』アンドリュー・ヘイ監督
再び、シャンゼリゼの映画館バルザックにて、鑑賞。
萩尾望都の『みずうみ』(原作はR・ブラッドベリだけど)を想起させるストーリーだが、本作は、妻側から描いている。しかも、夫の恋人が亡くなった後、45年間の結婚生活を送っているわけで(『みずうみ』は新婚さん)、“この45年間は一体、何だったの?”という複雑な心情を、微妙な表情で、シャルロット・ランプリングが演じて、もう素晴らしいのなんのって。
私は、『愛の嵐』(1974)も『マックス・モン・アムール』(1986)も見ていないので、彼女の若い頃を知らず(ヘルムート・ニュートンの写真は見たけど)、気になりだしたのが、フランソワ・オゾンの『Sous la sable』(直訳すると、『砂の下』だけど、邦題は『まぼろし』)からなんだけど、ほんと、いい女優さんだわよねぇ。
しかし、邦題『さざなみ』って、国鉄の特急列車じゃないんだから、なんでそのまま『45年間』(原題 45 years)じゃ、ダメなわけ?
この作品を見終わって、はぁ~、と心地よい溜息つきながら映写室を出ると、名物オーナーが、映画館の出口に立っていて、常連らしきマダムたちに声をかけていた。で、私にもにっこりとほほ笑んでくれ、頷きながら『La vie est triste 人生は悲しい』!なんで、私に向って投げかけるかね、その言葉。

『あん』河瀨直美監督
映画館Gaumont Opera Premierにて。日本語の勉強、と息子を連れて行く。
この監督、苦手なんだけど、樹木希林が出てるし、その孫、つまりもっくんの娘も出ているというので、見ようかな、と。市原悦子まで出て、豪華キャストだった。
しかし、北条民雄の『命の初夜』って懐かしい。大学生の頃に読んだな。

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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