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ヴェルニサージュのはしご

ヴェルニサージュの招待を受けることが時々ある。
ヴェルニサージュとは、ギャラリーで行われる展示会のオープニングパーティのこと。展示会初日が多いが、会期途中で人の集まりやすい木、金曜日に開催されることも。

たいていは夕方~夜に始まるので、パリ郊外に住む主婦の身では、参加するのに勇気(?)がいる。しかも私の利用している郊外線は、やたらと工事が多く、ここのところ、最終電車がオペラ21時半という日が続いていた。振替バスがあるんだけれど、それを使うと普段30分のところ、1時間半もかかるのだ。しかもバスが着くのが、最寄り駅の反対側の出口で、家に帰るのに坂を5分ほど登らねばならず、で、そんな面倒な思いをするくらいなら、さっさと電車のあるうちに家に帰ろうという気になる。

先日、ヴェルニサージュが3つあり、それぞれの開催場所が近い上、始まりも夕方の早い時間だったので、では、頑張って3つをはしごしよう、と決意(これだけのことをするのにも“思い切り”が必要なのは年齢のせいもあるのか?)。

ヴェルニサージュの楽しみは、何といってもアーティスト本人に会えること。展示会中ずっとアーティストが在廊していることは意外と稀なのだ。

まずは、パレロワイヤルのGalerie de Corrazza 1787で行われた、森田恭通さんのPORCELAIN NUDE展へ。インテリアデザイナーとして有名な森田さんは、アーティストとしても活躍している。

招待状

PORCELANとは磁器製品のこと。この招待状のタイトルと写真を見て、きっと、人の裸を連想させるような美しい磁器作品の展示会なのだろうと思い込んで、会場に行ってみると、展示されているのは写真。女性の身体を撮影した写真作品なのだ。つまり、まるで磁器のように美しい女性の裸体・・ということだったのか。

パリでの作品展はこれで3回目という森田さんにフランス人来場者の反応を伺ってみると、
「日本ではデザイナーの森田の作品として捉えられてしまいますが、ここでは作品そのものを素直に鑑賞してもらえる。子どもの頃から、アートや写真に触れているフランス人ならではの優しいと同時に厳しい目で評価してくれますね。なぜかフランスでは女性に人気があるらしく、若いパリジェンヌから80代のマダムまで『これは砂丘ですか?』とか『まるで風景写真みたい』なんて色々な質問、感想を聞かせてくれます。

Porcelain Nude (ポーセレン ヌード)
森田恭通 Yasumichi Morita
SUPER LABO



森田さん
(シャンパングラスを片手に作品の前でポーズを取って下さった森田さん)

ヴェルニサージュでは、軽食やワイン、シャンペンが振る舞われることも多く、お酒を飲みながら、アーティストの話を聞いたり、来場者同士がおしゃべりしたりできるのも、楽しい。

シャンパングラスが並ぶ

ギャラリーを後にする

ばたばたとお話を伺って、シャンペンもしっかりいただいて、次はマレ地区に移動。

ブティックJAPAN BLUE PARISで開催された植田真理子さんの羊毛フェルトこけし展へ。

茨城県水戸市で、喫茶室を経営しながら創作もしている植田さん、さらに5人の子どもを子育て中というから、すごいパワフルな人を想像していたら、ゆったりのんびりな感じの女性。じゃなきゃ、こけしなんかに興味を持たないよね。そう、実は、彼女、本物のこけしも好きで、夏前から私たちはこけしの情報の交換をしており、私が青森に津軽こけしを求める旅に出る直前、彼女も津軽に行き、津軽こけし館の館長さんに「後にフランスから人が来るから」と予告(?)しておいてくださったのだ。

植田さん
(店のイメージに合わせた着物が素敵な、植田さん。手にしているのは、津軽系こけしをモデルにした羊毛フェルトこけし)

「日本人なら誰でもこけしを知っていますよね。でも、フランス人の来場者には、まずこけしとは何かの説明から始めなければなりません。皆さん、『かわいい』とまず言ってくれて、後は、『なぜ、こういう柄なの?』とか『喫茶室を経営しているのにこけしを作る時間があるの?』など様々な質問をされます。2014年にジャパンエキスポに参加したのですが、その時は作品を送っただけ。今回は、ちゃんと自分で展示して、フランス人のお客様の反応を自分の目で確かめられてよかったです。」と植田さん。
喫茶室を1年間休んで、創作に集中されるそうだ。

こけしの本も

羊毛フェルトこけしたち


で、今回、植田さんに同行したのが、その喫茶室で1年間、パン屋を開くというこのパン職人さん、自作の(当たり前か)ドイツ風パンを日本から持参して、ヴェルニサージュで振る舞いました。桜入り(つまり桜の花びらが入っている)パンが絶品。赤ワインとこれまた持参された日本酒をいただきながら、パンをばくばく食べてしまったよ(ちょうど、お腹が空いて来る時間だったか).
「お名前を書いてください」とノートを差し出すと(別にサインを頼んだんじゃなくて、ブログ記事に必要だと思った)、Sunny Side Kitchenだって。そう、ご自身の名前ではなく、現在、茨城県常陸大宮で運営されているパン屋の名前。ということは水戸市が2号店になるのかな。

パン職人さん
(パン職人さん)

パンを食べる来場者たち
(美味しいパンに魅かれる、来場者たち)

植田さんに、ぜひ、今度一緒に、福島に土湯こけしを買いに行きましょう、と約束して、
最後は、目と鼻の先にあるギャラリーハヤサキで行われているCéramique et photographie
陶芸と写真の展示会へ。

ギャラリーハヤサキ招待状

写真家マルティーヌ・ペクーさんとギャラリーオーナー早崎佳代子さんの二人展。

パリの建築、特にアパルトマンをテーマに最近作品を撮り続けているペクーさんと、早崎さんの焼き物作品。うーむ、共通テーマみたいなものが見えないし、いや、その見えなさがツボ?と思っていたら、「写真家がね、一緒に展示する予定だった人とうまく行かなくなっちゃって、急きょ私の作品と生徒たちの作品を展示することにしたのよ」とおっとり語る早崎さん。なるほど・・、そう、彼女は、焼き物教室の先生なのだ。

早崎さん
(ギャラリーオーナーの早崎さん)

写真と焼き物の展示
(写真と焼き物のコラボ展示)

生徒作品
(生徒作品)

ギャラリー前の広場にテントが張ってあり、そこがワイン&おつまみコーナーに。こちらのヴェルニサージュには知りあいも来ていたので、おしゃべりしながら、白ワインをいただく。

テント


3つヴェルニサージュを回っても、工事期間中終電よりも少し早めの電車に間に合った。さくさくと回れば、これからもたくさんのヴェルニサージュに顔を出せるかも。
ただ、作品をじっくり見たい場合は、平日の人の少ない時間にギャラリーに行った方がいいんだけどね。


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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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