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仕事は、経験とハッタリ

シャルル・ドゴール近くの見本市会場で行われたプレミエール・ヴィジョンというプロフェッショナル向けの生地の見本市に、アテンド通訳の仕事で出かけた。初仕事はフランスのワールド・カップだから、アテンド通訳を始めてから12年になる。まあ、本職は編集・ライターなので、副業なんだけど、パリには本業は画家、音楽家、カメラマン、学生などなどで、副業にアテンド通訳をしている、という人が山ほどいる。
仕事の内容は見本市の案内、メディア向けの取材通訳、商談、旅行者の観光ガイドやお買い物のお付き合いまで、色々だが、いつも直前に専門用語を頭に詰め込む(旅行ガイドをする場合は、観光スポットの歴史とかのうんちくとか)。もちろん、通訳している最中にも新しい知識や専門用語に出会い、今後の役に立てばいいなぁ、なんて思いながら、頭にインプットする。
例えば、昨日も、イギリスの生地メーカーのブースで、そこにはしっかり日本人スタッフがいたので、私は出番もなく、お客様とそのスタッフのやり取りを横で聞いていたのだが、「こちらがSSのコレクションで」なんて言っているのを耳にして、SSって何じゃ?ナチス親衛隊か?なんて話の流れを追っていると、spring summer、春夏コレクションのことを指しているのが分かった。次に同じような分野のアテンド通訳の仕事が来たら、知ったかぶりして、「○○年のSSコレクションは・・」なんて言えば、この業界に通じている、とお客は思ってくれるだろう。まあ、仕事なんて多かれ少なかれ、経験とハッタリを重ねて身につけていくものだろうけれど。

プレミエヴィジョン


ところで、この見本市、世界各国から生地メーカーが集まってくるのだが、お国柄のようなものが表れていて、面白かった。イギリスメーカーのブースは、さすがアングロサクソン、って感じでスタッフがきっちり、てきぱき対応している。フランス企業は、やる気があるスタッフとない人が一目瞭然。それから、どこのブースもたいてい、受付やテーブルにお菓子の入った皿が置かれているが、それはスタッフ専用らしく、彼らはそれをつまみながら、仕事をしているが、客に勧めているところは一度も見かけなかった。イタリアは家族経営の会社みたいなところが多い印象があった。イタリアのリボン・メーカーのブースでは、きりっとした60代と思しきマダムがいたが、私たちに対応してくれたのは、最近家業を手伝い始めたばかり、という様子の息子さんで、一生懸命で、誠実な感じはあるが、何となく頼りない。また、彼のフランス語はたどたどしく、簡単な単語が分からず、マンマに助けを求めに行き、戻って来て、「ああ、それはイタリア語で○○ですね」!って、言われても私には分からない。その横で、てきぱきと彼のお姉さんらしき女性が接客をしていたのが、対照的であった。
最後に訪ねた韓国メーカーのブースはなぜかスタッフ全員が男性で、フランス語を話せる人が一人もいない。確かに、ビジネス共通語は英語だけど、彼ら、その英語も流暢とはいえない。「日本語はできますか?」と試しに聞くが、ダメ。でも、選んだ生地のサンプルを日本まで送ってもらう、というこちらの要望は問題なく、理解してもらい、最後には日本語で「ありがとうございました」、「さようなら」と見送ってくれた。
そういえば、今回、日本企業のブースは一つも訪ねなかったが、きっときちんとしたサービスをしてるんだろうな。一人一人のお客にお茶を出したり、とか?
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なるほど・・・

江草さん、こんにちは。

SSコレクションって、そういや?日本のアパレルや雑誌でも
SSコレクション表記を最近見かけます。
S/Sコレクションとも書いてあった気がします。

・・・ってことは?秋冬コレクションは、F/Wコレクション??

なんだ

マダム・かおりんさん、こんにちは。

なんだ、業界用語じゃなくて、ファッション雑誌とか読んでいれば、知っているような言葉だったのか。
そんなことにも疎い私です。

それにしてもフランス語は

難しい。いま悪戦苦闘しているのはqueの使い方。以前は英語のthatだと思っていたのが、si, quand, commeの代わりになるとか。

極めつけはnon pas que........

通訳なんてすごいですよね。

No title

Ushizakaさん、こんにちは。

同時通訳じゃないので、それほどたいへんじゃないです。
とくにこういうビジネス関連の通訳は、乱暴に言えば、言いたいことがちゃんと通じればいいと。逆にニュアンス理解も大切なので、日本人の遠慮がちな言い回しを少し、強めに訳したりもします。例えば、日本人が してもらえるとうれしいです みたいな言い方をすれば、 ぜひしてください、くらいに訳しないと、こちらの人はぴんと来ない、とか。

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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