二コル・キッドマン主演の『ラビット・ホール』

久しぶりの映画ネタ。
ジョン・キャメロン・ミッチェル監督の『ラビット・ホール』。主演がニコル・キッドマン、アーロン・エッカートで、素直に、いいなぁ、と思える映画だった。
海の見える一軒家に住む、裕福で仲のよさそうな30代後半らしき夫婦(しかも美男・美女)。しかし、妻の表情には影が・・。ストーリーが進むにつれ、二人が4歳の一人息子を事故で8カ月前に亡くしたことが徐々に分かって来る。
子どもを亡くした親の悲しみをテーマにした映画は少なくないが、この“徐々に”というのがミソで、いきなり冒頭で、子どもの写真を前に親が泣いたり、あるいは第三者の「彼は最近子供を亡くして・・」なんて説明台詞が出て来るとがっかりする。そのいい例(悪い例)が、北野の『HANA-BI』。せっかく、主人公もその妻もほとんどしゃべらないのに、パトカーの中で同僚の刑事たちが、子どもの死と妻の病気について語ってしまう。確か、ローランド・エメリッヒの『スターゲイト』なんぞは、カート・ラッセルが子どもの写真を見ながら泣くシーンの直後に同僚警官二人が、パトカーの中で、彼の息子の事故死について話す、という芸も何もない演出であった。警官はパトカーの中ではおしゃべり??

さて、『ラビット・ホール』は、犬を追いかけて道路に飛び出した男の子を運悪く轢いてしまった内気な青年と、死んだ男の子の母親キッドマンとの交流を微妙に描く。子どもを殺した犯人(過失も含む)と子どもの親との交流をテーマにした映画といえば、まず思い浮かぶのが、ダルデンヌ兄弟監督の『息子のまなざし』で、これは非の打ちどころのない傑作。それから、ドヌーヴ主演の『Après lui』なんて映画もあったけど、これは犯人と言っても、息子の親友で、二人が事故にあった時に運転していたのが彼、という設定。なんかいまいち、ピンと来ない、ドヌーヴは太ったなぁ、という印象だけが残った作品だった。

子どもを失った母親と父親それぞれの悲しみ、怒り、喪失感、このままではいけない、という焦燥感が『ラビット・ホール』では、淡々と描かれているが、それでも、というかそれゆえに、泣けました。逆に大袈裟な演出、メロメロドラマチックな音楽など流されるとシラけちゃうからね。と、言っても、映画館で周りの人たちは、泣いていなかったので(別に一人一人、確かめたわけじゃないけど)、私が震災のショックで、まだまだ精神的に不安定なのか?それとも自分の子どものことを思いながら感情移入したせいか?
いずれにしても、多くの人に見てもらいたい佳作です。
rabbit hole

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二コールキッドマン

はなかなか、私生活でも良い人見たいです。

彼女は若いころ10代のころから俳優活動をしていて、キッドマンが有名になった後も、昔から知り合いの売れない女優さんを励ましたりして。

その後この売れない女優さんも有名になりました。それがナオミ・エレン・ワッツです。彼女(ワッツ)がインタビューで答えていました。

No title

Ushizakaさん、こんにちは。

そういえば、ナオミ・ワッツと仲がいいと聞いたことがありますね。
美人で性格がいいのに、なんでトム・クルーズは別れちゃったんでしょうね。

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江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター。立教大学仏文科卒。映画理論を学ぶために96年に渡仏し、パリ第一大学映画学科に登録。PRESSE FEMININE JAPONAISEを設立し、99年にパリ発情報誌『ビズ』を創刊。現在、日本の雑誌やWebにフランスの情報記事、コラムなどを寄稿しながら、日仏バイリンガルサイト『ビズ・ジャポン』の編集長を務める。著書は芝山由美のペンネームで『夢は待ってくれるー女32才厄年 フランスに渡る』。

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