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やっと見たぞ、森達也監督の『A2』

 パリの日本文化会館で森達也監督の『A』を見たのは2001年のこと。
こんなに優れた作品なのに、途中で席を立つフランス人が山ほど。「正義感ふりかざしてオウムを糾弾するドキュメンタリーでも期待していたのか、アホらが・・」と出て行く彼らを横目で見ていたのだが、結局、フランスでは受けない、と見なされたらしく、『A』は、フランスの映画館にかかることはなかった。『A2』は、日本文化会館での上映も行われず、フランスで見る機会をもてなかったのだ(ひょっとして、どこかフランスの地方の映画祭で上映されたかな?)。

 DVDで映画を見るのはあまり好きではないが、それしか見る方法がないのなら仕方ない、と『A2』のDVDを日本の実家に頼んで送ってもらったのが、今から5年くらい前のこと。この作品は、パソコンではなく、リビングのTVで、何事かに一秒たりとも中断されることなく、最初から最後までじっくり観たい、つまり、夜、息子が目を覚まして、私を探しに来るとか、夫が話しかけて来るとか、そういう事態を避けたい(そもそも我が家では夫が、毎晩0時近くまで、リビングのTVを占領している。そのまま居眠りしていることもしばしば)。二人のいない平日の昼間は、電話がかかってきたり、荷物が届いたり、はては宗教の勧誘などで邪魔される可能性がある。と、2時間余のこの作品を一人で静かに見られる機会を待っていたら月日があっという間に過ぎた。それで2008年の7月に、息子と夫が一足先にヴァカンスで南仏に出かけ、私は、仕事を片付けるために一人、5日間、コンフランに残ったので、チャンス到来!と『A2』のDVDの箱を開けると、な、な、なんと、中がからっぽ!
 これ、アマゾンで中古を買ったのだが、実家に届いた時にすでに空だったのか?フランスの税関で抜かれたのか?まさか息子(当時6歳)がいたずらして、隠した??と、結局、『A2』のDVDは見つからず、消えた理由も分からないまま、月日が過ぎた。
A2.jpg

 
2009年の夏、日本に帰国した時に、今度はアマゾンで新品を注文し、届くとまずは中身を確認。無事、フランスに持ち帰り、そして、2年後のこの夏、再び、夫と子どもが先に南仏に出かけ、ついに、ゆっくりと一人で見ることができたのだ、『A2』。

 感想は・・、私は『A』の方が好きだな。荒木広報部長を追っていて、森達也のいうところのドキュメンタリー作家の苦悩と、被写体荒木君の苦悩の両方が表れていて、いい感じなのだ。最初、私はてっきり、Aは荒木君のイニシャルAだと思っていたのだよ。森達也の著書を読んで、オウムにもかけていることが分かったが。ちなみに、フランスでは、タイトルが『A-Aoum』とされていた。『A2』は、どうも、マスコミ批判が前面に出すぎていたかも。あと、最後の荒木君への問い詰めがねぇ・・、ありゃ、監督の自問自答だな。
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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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