韓国から剣道高段者がやって来て

韓国剣道連盟から派遣された高段の先生方が、イタリアへ研修に行くついでに、フランスに立ち寄ることになり、うちのクラブにも稽古をつけに来ることになった。「韓国人は日本人に厳しいぞ」と我がクラブの七段ラバイユ先生に脅かされる。「剣道をやっている人なら、日本人には優しいんじゃないの?」と慰めて(?)くれるメンバーもいたが、しかし、世界剣道選手大会で、韓国はたびたび日本と優勝争いをしているし、ライバル意識は高いかも。そういえば、剣道韓国起源説なるものがあり、それに対して、「全日本剣道連盟はなぜ、反論しないのか?」なんて声もあがっていたっけ。それって、キリスト青森死去説(青森県新郷村にはキリストの墓があり、毎年“キリスト祭”が行われる)に対して、なぜバチカンは反論しないのか?って怒るのと同じレベルじゃん、と思っていたが、ついさっき、全日本剣道連盟のHPを見たら、ちゃんと見解が書かれていた。けっこう深刻な問題だったのか。

 さて、当日、どきどきしながら、稽古場に(遅刻しないで)着くと、すでに韓国剣道家たちは、着替えて道場に座っている。4人の先生と二段の学生さん一人の合計5名。すぐに自由稽古が始まる。在韓フランス大使館に勤めていた時、韓国で剣道をやっていたというフランス人剣道家(ゼッケンに韓国のクラブ名が記してあった。韓国語ができるのかと思ったら、先生たちとは英語で会話していた)が来ていたので、「この中で一番優しい先生は誰?」とこっそり尋ねると、迷わず、某先生を指差したので、その前にできていた列に並ぶ。彼の言うとおり、その先生は稽古のかたちをとりながら、私に面打ちをさせて下さる。うちのクラブのフランス人の先生たちより、30倍優しい。次に、元韓国代表チームのメンバーだったという先生に稽古をつけていただくも、同じように打たせてもらい(まあ、私のレベルなんて構えをみただけですぐバレる)、3人目の先生にいたっては、日本語で「何段ですか?」と尋ねられる。思わず、「二段です、弱いです」と答える。時間切れで稽古ができなかった、一番年配の先生に、それでも最後に挨拶に行くと、握手を求められる。片言の日本語ができるのだが、私に何か伝えるべく、日本語を一生懸命頭の中で探す間、私の手をずっと握っている。かわいいおじいちゃんではないか!結局、最後に、「Nice meet youの日本語は何ですか?」と尋ねられた。このおじいちゃん先生はその後のビールタイムで、カマンベールチーズをえらく気に入った様子でいくつも食べていたので、翌朝、パリの道場で先生たちとまた稽古をする予定の夫は、帰り道にスーパーでカマンベールの箱を5つ買いこんだ。
 一人、三段の女性が今回防具は持って来なかったが、同行していて、彼女は日本語がぺらぺら。モードの勉強のため日本に留学していたのだという。「20年も前の話ですけど」と、私と同年代であった。

 思えば、フランスに来て、最初に登録したパリ・カトリック学院のフランス語習得コースにも韓国人の女生徒が二人いた。日韓問題なんて言葉があるくらいだから(韓国じゃ、韓日問題か)、日本人にいい印象を持っていないんだろうなぁ、と漠然と思っていた、日本文化開放直前だったし。ところが、彼女たちは、気さくに話しかけて来て、ソウルには安くておいしい日本料理の店がたくさんあるのよ!なんて自慢げに言ったり。おまけに二人とも少し日本語が話せたのだ。そのうちの一人、私より10才くらい年上の、姉御肌のカトリックのシスター(!)を、「日本占領時代に覚えたの?」とからかったら、「私はそんなにトシじゃないわ!」と怒っていたっけ。

韓国人の中には日本人嫌いの人もいるだろうけど、みんながみんなそうではない、・・って考えてみれば当り前のことなんだけどね。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

>キリスト青森死去説(青森県新郷村にはキリストの墓があり、毎年“キリスト祭”が行われる)

これ、すご~く私も気になってたんですけど(笑)

韓国にも剣道があったことにびっくり。
いろいろ大変なんですね~

No title

ulalaさん、こんにちは。

ゆかた着た地元の女性たちが、キリスト踊りなるものを踊ったりするんですよね、確か。
私も一度観に行きたいんですけど。

韓国は強いですよ~。ちなみにフランスもヨーロッパ内では強いみたい。

日韓問題より施主である国が破綻するかも

私が感じるところ、歴史的・ 政治的背景から解決が困難な日韓問題より、この韓国応援サポーター本人の人間性の問題と思う。日本では多くの公務員の犯罪や問題行動が明るみに出ているこうした公務員達から莫大な東日本大震災の復興支援金を罰金として徴収すればいいと感じてなりません。

おすすめ情報

おすすめ情報

プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター。立教大学仏文科卒。映画理論を学ぶために96年に渡仏し、パリ第一大学映画学科に登録。PRESSE FEMININE JAPONAISEを設立し、99年にパリ発情報誌『ビズ』を創刊。現在、日本の雑誌やWebにフランスの情報記事、コラムなどを寄稿しながら、日仏バイリンガルサイト『ビズ・ジャポン』の編集長を務める。著書は芝山由美のペンネームで『夢は待ってくれるー女32才厄年 フランスに渡る』。

最新記事
カテゴリ
ヴぉわいやーじゅ
おてる
ヴぉわちゅーる
あしゅらんす
うぃふぃ
レストラン予約
ふらんせ
あまぞん
せっと おーんず
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード