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ちょっと、がっかり。フィリップ・リオレの新作“Toutes nos envies”

期待して観に行ったフィリップ・リオレの新作にちょっと、がっかり。あとで確かめたら、テレラマ誌の評もPas mal(悪くない)。前作“Welcome”はブラボーマークがついていたからね。
 
つまらんとか、腹が立った、ってわけじゃないけど、なんか、がっかり。登場人物のキャラクター設定がいまいちなんだよね。
特に主な登場人物がみんないい人、っていうのが面白くない。原作小説があるらしいが、映画のストーリーはだいぶ脚色してあるらしいから、私が監督だったら、月並みなやり方かもしれないけど、まず、ローン地獄に陥っているセリーヌを“ハスッパな、いや~な女”にするな。それで、主人公クレールの夫クリストフが、「なんであんな女をうちに住まわせなきゃいけないんだ」と怒り、時にセリーヌと罵り合ったりする。そうすれば、最後にその二人がくっ付くのがとっても皮肉っぽくていい。
ヴァンサン・ランドン演じるステファンの妻もあいまいな存在だったよな。あれもステファンの行動に理解を示しながらも、最後、クレールが死んだ後にも彼のクレールに対する想いを認めることができず、ステファンの元を去っていく、ってことにすれば、クリストフとの対比が出て、面白かったのに。
クレールの母親が借金癖のある女、ってキャラクター設定もなぁ。むしろ、出て行った父親が借金癖のある男で、母親は超まじめ、それが息苦しくて、父親と似た性格をしていた姉は衝突し、クレールは母親に似てまじめ、って方がすっきりする。
そもそも主人公クレールの聖女ぶりがなぁ・・。それまでは案件を淡々とそつなく片づける判事だったのが、自分の死期がせまっているのを知り、セリーヌを救うために奔走する、っていうのはどうだろう?あ、それじゃ、黒沢明の『生きる』か。ちょうど、夫が庭にぶらんこを設置するシーンがあるしなぁ。

toutes nos envies

フィリップ・リオレの作品、観た中で一番好きなのは、『心配しないで Je vais bien,ne t'en fais pas』かな。メラニー・ロランが素晴らしかったし(美しいし)。死者を装った手紙、っていう題材は、以前も書いたけど、東芝日曜劇場で、姑を喜ばせるために戦死した夫を装って手紙を書き続ける妻を描いた『手紙』という世にも美しいドラマを思い出させてくれた。

次作に期待。
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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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