カリスマ・イラストレーター、今井キラさんが来る(裏話 その2)

 11月の展示販売会、イデ・ジャポンのビズのコーナーのタイトルは『大正ロマン・少女画』展。大正ロマン派の有名な画家といえば、竹久夢二である。前回、日本に帰国した際に弥生美術館・竹久夢二美術館に行き、この企画の説明をして、夢二や華宵(同じく大正ロマン派の画家の一人)のポストカードやクリアファイルを買いつけて来たのだ。それでほとんどこじつけだが、少女画の流れを汲む、現代アーティストとして、素敵な少女画で有名なイラストレーター、今井キラさんの作品を展示し、ポスターやポストカードも販売、しかも、わざわざご本人にパリまで来てもらい、サイン会を開くことになったのだ。

 去年の夏、ビズは3人の日本人女性イラストレーター展という小さな展示会を開き、その時もキラさんは来て下さったが、それほど宣伝しなかったにも関わらず、フランスのロリータ少女たちがたくさんやって来た。(ロリータ界で超有名なイラストレーター、フランソワ・アモレッティさんがブログで宣伝してくれたのが大きいと思う)。その時、フランスでのキラさんの人気ぶりを認識したのである。

 今回は、まず、夏のジャパンエキスポで、ビズジャポン特別号に「11月に今井キラ作品展&サイン会」と宣伝を載せ、ロリータ少女たち目がけて投げつけ!ではなく渡しまくり、そして展示会の約1カ月前にビズのサイトで、『キラさんのイラスト集とカレンダーを先行予約すると、サイン会にご招待!』と告知する。すると、翌日からあれよあれよと、予約が入ったのだ、フランス人のロリータ少女たちから(ちなみに日本人の予約は一人もなかった)。へ~、ビズのサイトにはこんなにロリータ娘たちの読者がいるんだ~、と驚く。まあ、彼女たちのコミュニティがあるらしいから、口コミで広がったのだろう。その後、アモレッティさんがまたまた、ブログで紹介してくれたし。

 キラさんには6日間の会期中、水、金、土と来てもらうことになり、水・土は先行予約者向け。金曜は一般公開(ってパンダみたいだが)サイン会に。土曜は満員御礼で、水曜は平日なので、やや少なめ。問題は金曜のサイン会で、ショーウィンドーに張り紙などするも、誰か来てくれるかなぁ、とちょっと不安であった。
 と、火曜日に50代後半から60代前半くらいかなぁ?というフランス人ムッシューの二人連れがビズのコーナーにやって来て、特に一人のサイケな服をおめしのムッシューがキラさんのポストカードに見入り、時間をかけて3枚のカードを選び、買ってくれた。そういえば、キラさんのポストカードを買った男性って初めてかも・・、と思いながら、「金曜日にサイン会がありますから、よかったらどうぞ」というと、「来ます!」とうれしそうに答える。まあ、そう言っても来ない人も多いが、「お待ちしています」と言っておく。
 ところが、サイケなムッシューが一人で木曜日に再びやって来る。客が他にいなかったこともあり、ムッシュー(J氏と名前を名乗る)と少しおしゃべりをする。J氏はアルザスに住んでいるが、今、パリに遊びに来ているところ。先日一緒に来た友人が、ヌイイー市に住んでいて(リッチな人かもしれん)、そこに泊めてもらっている。今は、引退の身だが(ってことは60歳は過ぎてるんだな)、以前、アルザスの中学で、日本文化について研究するクラブを指導していたのだという。中学校の先生でクラブの顧問みたいなものかなぁ?と思いつつ、面倒なので質問せず、「そうなんですか~」と相槌を打っておく。最後に「金曜のサイン会は来るから(本当に来そうだな)、例の友人とその奥さんも一緒に来る予定です(あ、ホモカップルじゃなかったんだ)」と言ったので、今度はちゃんと心をこめて「お待ちしています」と返す。

 さて金曜日、J氏とその友人と奥さまは、地下イベント会場で行われたサイン会に一番乗り。この日は人があまり多くなかったこともあり、キラさんとテーブルを囲み、30分近くおしゃべりをする。キラさんはここだけの話(って言うほど大袈裟なことではないが)、とても気さくな方で、ファンを大事にし、前回のサイン会の時も一人一人のファンと話をして(むろん、通訳付きで)、写真を一緒に撮ったり。J氏はキラさんのブライスをいたく気に入り、「これ、フランスでも買えるかな」なんて尋ね、人形が好きで、日本のこけしも持っているんだ、と自慢げ。ちなみにJ氏に比べると口数の少ないヌイイーのお友達は税務署に、奥さまは、フランス文化省にお勤めという固めのカップルで、サイケなJ氏(サイン会の時は地味なグレーのトレーナー姿であった)との組み合わせが不思議。
 最後に、みんなでキラさんと一緒に写真を撮り(ビズジャポンのサイト、“特集”ページに載っています)、J氏は「あなたと知り合うことができて、たいへん光栄です」とキラさんに言って、満足げに帰って行った。

 土曜日のサイン会は、一階、ビズ・コーナーで開催。予約時間の1時間前から待っているファンがいたり、彼氏連れで来た二人組ロリータちゃん(ロリータ娘たちは二人、三人とチーム?を組んでいることが多い)は、なぜか彼氏たちも律儀に列に並んでいたりして、30分に4人と余裕をもって予約を入れたつもりが、あまり広くないビズ・コーナーに人があふれかえった。フランス人ロリータちゃんたちは礼儀正しいので、待たされてもいらいらしたり、怒りだしたりすることもなく、キラさんに自作のイラストを見せたりするかわいい子もいて、楽しい雰囲気の中、無事に終わった。

 何人かのロリータちゃんたちに「このサイン会のこと、どうやって知りました?」と尋ねたところ、「ジャパンエキスポ会場でもらったビズで」、「ビズのサイトで」という答えだったので、ロリータちゃん読者が増えたところで、何かロリータ企画を立てようかなぁ、なんて思案しているところだ。
kiraさんと
(キラさんとツーショット)

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江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター。立教大学仏文科卒。映画理論を学ぶために96年に渡仏し、パリ第一大学映画学科に登録。PRESSE FEMININE JAPONAISEを設立し、99年にパリ発情報誌『ビズ』を創刊。現在、日本の雑誌やWebにフランスの情報記事、コラムなどを寄稿しながら、日仏バイリンガルサイト『ビズ・ジャポン』の編集長を務める。著書は芝山由美のペンネームで『夢は待ってくれるー女32才厄年 フランスに渡る』。

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