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2012年、印象に残った映画3本

 2012年もあまり映画を見なかったので、ベスト3を挙げるのもおこがましく、で、印象に残った3本を・・・。
・アンドレイ・ペトローヴィチ・ズヴャギンツェフ監督の『エレナ』(2011年 カンヌ映画祭ある視点部門審査員特別賞)
・ベルギー人監督ジョアキム・ラフォスの『A perdre la raison』(2012年 カンヌ映画祭ある視点部門主演女優賞)
・サンドリーヌ・ボネール監督の『J'enrage de son absence』

くら~い作品ばかりだな、こうして見ると。

『エレナ』
裕福であるが厳格な夫、ウラジミールに尽くす元看護士のエレナ。二人は再婚同士で、エレナには元夫との間に失業中で、母親の年金をあてにする出来の悪い息子(結婚して子供がいる)がいて、一方のウラジミールにも父親に反抗的な若い一人娘がいる。エレナは孫の進学費用を夫に出してくれるように頼むが拒否される。ある日、ウラジミールは心臓発作を起こしたことをきっかけに、娘と歩み寄り、遺産を全て娘に譲りたいとエレナに告げるが・・。
タルコフスキーチックなカメラワークから始まり、わくわくさせられ、最後まで期待を裏切らない作品であった。

『A perdre la raison』(『正気を失って』、ってとこかな、訳すると)
ベルギーで起きた母子心中事件(母親は死なず)を題材にしたフィクション。モロッコ出身のムニールとベルギー人ミュリエル。幸福に満ちたカップルは結婚し、4人の子どもをもうけるが、夫婦と同居し、経済的に彼らを援助するムニールの養父の存在が重くのしかかるようになり、やがてミュリエルは精神のバランスをくずしていく。
若夫婦と養父のいわば三角関係が生み出す悲劇であるが、しかし、上映終了後、映画館内にはずーんと重苦しい空気が・・。最後のシーンは必要なかったんじゃないかな、何が起こったか、それまでの描写で十分、理解できるので。

『J'enrage de son absence』(こりゃ、邦訳難しいな。『彼の不存在が狂おしい』??)
夫と7歳の息子ポールと平凡だが幸せな生活を送っていたマドの元に突然、前夫ジャックが現れた。二人の間には息子がいたが、4才の時に事故で死んでしまい、その悲しみから立ち直れないジャックは、ポールに亡くなった息子の姿を重ねてしまい・・。
女優サンドリーヌ・ボネールの監督第二作目。デビュー作は自閉症の姉サヴィーヌについて描いたドキュメンタリー作品『彼女の名はサヴィーヌ』で、この二作目が監督としての力量が問われる勝負作だったが、とてもいい作品だったと思う。しかし、ジャック役のウィリアム・ハートって、ボネールの昔の恋人(二人の間に子どももいるはず)だけど、恋愛関係は終わっても、仕事の付き合いは続いてる、ってこと?

jenrage de son absence

3作とも映画館を出た後に思わず、ため息ついてしまうような暗いストーリーだったので、今年は、別にコメディじゃなくてもいいけど、せめて希望の一筋が見られるような、いい映画に巡り合いたいものだ。
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No title

たしかに。文面を観ただけで暗さが伝わってきますね。
”彼女の名はサビーヌ”雑誌で紹介されていました。
ちょうど日本でもR大学男子学生が、卒業制作で自閉症の妹のドキュメンタリを撮って話題になっていたので、印象に残ってます。
こちらは連日、日本人が犠牲になったアルジェリアのテロがニュースで流れています。正月に岩波ホールで”最初の人間"を観たばかりだったので、なんだか・・・。

No title

みわちゃん

そのドキュメンタリーの話、webで私も知りました。ボネールは前から、テレビなどで、自閉症の妹がいる、って話をしていたんですよね。“最初の人間”は、フランスではまだ、上映時期さえも決まっていないはず。

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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