住みたいと思うほど気に入った、北海道旅行記 前篇

フランス人の夫と結婚して以来、2年おきに日本を旅行している。最初は、京都・奈良(定番!)、その次は、鎌倉・日光、続いて、山陽・四国。息子が生れてからは、親子3人で、東北、続いて九州、さらに沖縄に。それで、今年は北海道に行くことにしたのだ。夏の日本は暑いから涼しいところに行きたい、という夫の要望もあったし。
 それで、結論(?)から言うと、沖縄には二度行って、ちっとも魅かれなかったが(ハマる人、多いですよね)、私は、北海道がおおいに気に入り、日本完全帰国の際には、住もうかと、考え始めたほどである。

 7月のちょうど真ん中、死ぬほど暑い東京駅で新幹線に乗り、新青森で、スーパー白鳥に乗って、函館へ。本当は船で行きたかったのだが(『函館の女』や『津軽海峡冬景色』のイメージ)、青函連絡船って、とうの昔になくなっていたのだ。

函館駅では、足圧式リンパドレナージュ(整流道)の施術士、けいこさんがお母さまとともに出迎えてくれる。けいこさんは去年まで2年ほどパリに住んでいて、よくマッサージをお願いしていたのだ。今でも時々、フランスにいらっしゃるが、今後は、この整流道をヨーロッパに広めるべく、パリで、養成講座を開くことを計画されている。さて、けいこさんに五稜郭に連れて行ってもらい、一緒にタワーに上り、ソフトクリームを食べ、その後、城内を散策する。
五稜郭、函館戦争と言えば、山田太一の『獅子の時代』を思い出す、NHK大河ドラマで私が唯一、全編通して観た作品で、山田作品の傑作の一つだと思う。(主演は菅原文太で、挿入歌、ダウン・タウン・ファイティング・ブギウギバンドの“Our history again”がいいんだよ。ピアノのイントロがかっこよくて耳コピしたし、ギターソロがストレートで、“日々の暮らしは晴れた日ばかりじゃないが、明日が雲間に見え隠れ”って歌詞が当時、高校生だった私に染みたのだ)。


夜はラーメン(北海道と言えばラーメン!)を食べて、バスで函館山に100万ドルの夜景を観に行くも、ひどい霧であった。夫と日本を旅行すると天気に恵まれない時が多い。

翌日は、朝市に出かけ、日高昆布を買い、ベイエリアを散策し、定番、海鮮丼を食べる。その後、レンタカーを借りて、登別温泉へ向かう。途中、洞爺湖の湖畔に車を止めた頃は天気がよく、湖が実に美しかったのだが、登別に着いた頃は大雨。メインの温泉街から離れた露天風呂のある宿を予約していたが、夜も小雨が降り続き、風呂から満天の星空を見る夢は果たせず。周りに宿がなく、他の泊まり客もいない様子で、夜は恐ろしく静かだった。
朝食の後、宿の温泉に浸かってから、地獄谷温泉を観に行く。登別ではクマ牧場が有名らしいが、11歳の息子は興味を持たず、白老のアイヌ民族館ポロトコタンへ(こっちは夫が興味を持った)。ただ、ここでも息子はスタンプ&ラリークイズをさっさと終えると退屈してしまい、美しいポロト湖に向かって、小石投げを始めた。その間に、私と夫はアイヌの舞踊公演を見学したのだが、その時に使われたのが、子どもの頃観ていた、NHK(がまた出てくるけど、回し者ではありません)ドラマ『天下御免』(山口崇演じる平賀源内が主役のコメディドラマ)の1エピソードで、アイヌ人女性が奏でていたムックリという名前の口琴。実物を見たうれしさで、思わず1つ買ってしまった、500円なり。ちなみに、『天下御免』の脚本は、井上ひさしだとずっと思いこんでいたが、ウィキでチェックしたら、早坂暁だった。また、源内が助けたアイヌ首長シャクシャインを演じていたのは、片岡孝夫であることも発見。雪で湿って使えなくなった、弾丸をスルメか干し魚の上にのせてあぶって乾かす、まじめなような、ふざけたようなシーンがあった記憶が。
ショップで、串田孫一の『北海道の旅』と萱野茂の『アイヌの昔話』を購入。
有名な白老牛のステーキをカントリー調ログハウスのレストラン(ジョン・ウェインの写真が飾ってあった)で堪能してから、札幌へ向かう。
途中、支笏湖に寄り、アイスクリームを食べながら、湖を眺める。天気がよかったので絶景。

札幌では、中心地のビジネスホテルに泊まる。オペラのギャラリーとジャパンエキスポで北海道アーティスト展をプロデュースしたAT-PLAN社代表取締役の台氏と待ち合わせて、カニ食べ放題の店、“えびかに合戦”に行くも満席で入れず、で居酒屋に。ここで海の幸をたらふく食べ、海モノがイクラ以外は一切食べられない息子は、鶏のからあげ(北海道ではザンギと呼ぶ)とフライドポテト(北海道のじゃがいもだあ~)に満足。

札幌

 札幌二日目は台氏が午後から東京出張の忙しい身にもかかわらず、名所を案内してくれる(感謝!)。時計台、赤レンガ庁舎、そして台氏の母校、北大。広いキャンパス内を学生たちは自転車で移動している(ってことは先生も?)。学食でランチするが(日本の学食なんて何十年ぶり?)メニューが実に豊富。カウンターでの注文の他に、定食屋みたいに、おひたし、煮物、納豆などの小鉢類も種類が多い。息子は麻婆豆腐と納豆と大盛りご飯を注文。私もつられて麻婆豆腐と小盛りごはんに青菜のおひたし、あんころもちを食べる。これなら、一人暮らしの学生も、栄養が偏らない食事ができるだろう、まあ、どのメニュー(何の小鉢)を選ぶか、が問題だけど。
構内のおしゃれなカフェで台氏と仕事の打ち合わせをした後に別れ、夫と子どもと一緒に大通り公園を散歩しながら、ソフトクリームを食べる。天気がよくて、日差しが強く、温度は高いが、東京のように蒸し暑くない。空気がカラっとしたヨーロッパのような気候なのだ。さぞや夫も北海道が気に入っただろうと思いきや、「食べ物はおいしいけど、神社仏閣がないからつまらない」。・・確かに異国情緒を求める外国人観光客には不向きか。ビックカメラとユニクロに寄って、ホテルに戻って昼寝をした後に、夫の強い(!)希望で、昨日、行きそびれた、“えびかに合戦”に。私は食べ放題が苦手なのだ、食べるのが遅いし、そもそも食事はゆっくり味わって食べ愛し、小食なので元が取れないのは分かっているし。店員に息子は、エビ、カニ類が一切食べられない旨を伝えて(若い女の店員が上司に何か言われたらしく2度も確認に来た)、イクラ丼を注文し、夫と私は、カニ3種と小えびの天麩羅、えび・かに・えび天握り、茶碗蒸しが食べ放題のコースを注文する。
 お腹一杯になって、夜のすすき野を歩いていると、なんか東京と変わらないじゃん、という気がする。大都会、少し離れると大自然、って理想的だ。住むとしたら、やはり札幌か・・。

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No title

母親が白老となり駅の室蘭出身です。東京に結婚して出てくるときアイヌの木彫り熊を生徒さんたち(母校で先生してたんです)から合計4熊!(熊の親子のあの大きいやつです)記念にいただいてしまい未だにデーンとうちにありますよ。ポロトコタン確かに子供には面白くはないかもですねぇw昭和新山もなかなか良いですよ~。次回ぜひ。煙出てるけどちょっとのぼれたはず。北大の博物館も綺麗で素晴らしかったです。千歳にノーザンウエストパークというサラブレットを育てている施設があるんですが料理や雰囲気がとてもステキ。でもフランス人のご主人には面白くないかなぁ・・フランスにはありそうですものね。

No title

「ノーザン・ホース・パーク」が正しい名称でございました<m(__)m>

次は夫なしで

私はミニチュア熊を買って来ましたよ、体長センチ程度の。うちの実家にもありました。魚咥えたでっかい熊の置物。ポロトコタンで買って来た、串田孫一の『北海道の旅』に昭和新山に登る話があります。夫は北海道に興味はなさそうなので、次回は一人で行こうかな、と。

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江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター。立教大学仏文科卒。映画理論を学ぶために96年に渡仏し、パリ第一大学映画学科に登録。PRESSE FEMININE JAPONAISEを設立し、99年にパリ発情報誌『ビズ』を創刊。現在、日本の雑誌やWebにフランスの情報記事、コラムなどを寄稿しながら、日仏バイリンガルサイト『ビズ・ジャポン』の編集長を務める。著書は芝山由美のペンネームで『夢は待ってくれるー女32才厄年 フランスに渡る』。

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