あけましておめでとうございます

14年年賀メール用

2013年は、私のこれまでの人生で、5本の指に入るような振り返りたくもない、いや~な年だった。映画も然りで、面白い作品に当たらなかったし。まあ、そもそも見た本数が少なかったんだけど。
唯一、年の瀬も押し迫った頃に見た、イギリス人監督、Clio Barnardクリオ・バーナード(女性です)の『Le Géant égoïste』(原題The Selfish Giant)は、すごいなぁ、と思える作品だった。
見る前に、ちらと読んだテレラマ誌の寸評に、「ダルデンヌ兄弟監督がディケンズの世界と親密になったような」という表現があり、まあ、シリアスな作品だろう、と想像がついた。シャンゼリゼの名画座バルザックに見に行ったのだが、同館の名物ディレクターが、上映前に舞台挨拶に出て来て、「実に素晴らしい作品で、ケン・ローチが好きな方なら気に入るでしょう!」。案の定、確かに、心に響くいい映画ではあった、しかし、重く、暗く、見た後に気持ちがず~ん、と沈んだ。ネタばれになるけど、私は、子どもが死ぬ映画が大っ嫌い。最悪なのは、子どもが自殺する話。ロベルト・ロッセリーニの『ドイツ零年』なんて思い出しただけで、気持ちが暗くなる。ロッセリーニは、好きなんだけど。もっとひどかったのが、マイケル・ウィンターボトムの“Jude”(『日蔭のふたり』)だな。男の子が、幼い妹と赤ん坊の弟を殺して自殺する、って、この監督には二度と映画を撮らせるな!と、はらわたが煮えくりかえった(ただ、原作があるので、それに忠実だったのか・・、でもそんな作品は映画化しないでほしいぜ)。



もちろん、面白おかしいが出来の悪い作品よりは、重くて暗くても素晴らしい作品を見たいけれど、子どもを殺すのだけは勘弁してほしい。子どもを殺して許されるのは、セルジオ・レオーネとサミュエル・フラーだけだな(と勝手にシネマ論)。

2014年は、素晴らしい映画に巡り合えますように!
と祈願し、1月2日に是枝裕和の『そして父になる』を息子と見に行く。息子は、夫が借りて来た、同監督の『奇跡』をDVDで見て、いたく気に入り、「九州に住みたい」と言っていたのだ。ちなみに、私はこの作品は未見、というのも劇場公開で見逃し、映画は映画館で見る主義なので。

 フランスでは、この1月1日から14歳以下の子どもは映画の入場料が一律4ユーロになる、と聞いていたのだが、オペラのサンク・コーマルタン映画館のチケット売り場で、私は、見放題パスを出し、「子ども一人」と言ったら、この映画館にしては珍しく、感じの悪いあんちゃんが、以前の子ども料金7.8ユーロを請求したので、あれ?と思い、もう一度「子ども」と言ったら、むっとした顔で、「だから、7.8ユーロだよ」?4ユーロは、大型チェーンの映画館だけかな?と、それ以上食い下がるのは止めた(正月から、フランス人に喧嘩売るのもイヤだし)。しかし、家に帰って夫に話すと、「フランス全国の映画館で、4ユーロのはずだ!」。ネットで検索したら、“大多数の映画館で”という微妙な条件がついていた。

さて、『そして父になる』であるが、佳作と表現できる、とてもいい作品だった。
去年末に、ヴェルサイユ近くの大病院で、発達障害のお墨付きをいただいた、11歳の息子には、理解しにくかったようだ。発達障害の特質の一つとして、他人の視点で、その心の動きを想像する能力(“心の理論”と呼ばれる)が弱い。つまり、映画の登場人物の微妙な心理表現などは、理解するのが難しいのである。ただ、発達障害関連の本によく書かれていることだが、診断名にとらわれて、この子の能力はこの程度、と決めつけてしまうのはよくない。脳は刺激すれば発達する。健常児ほどの効果は期待できなくても、息子のテンポでゆるやかに発達していくことを期待して、これからも子ども向け映画に限らず、よさそうな作品(次は宮崎の『風立ちぬ』だな)は、一緒に見に行くことにしよう(単に、私の趣味の押しつけ、と言えなくもないけど)。
ちなみに息子に「電気屋のお父さんと建築家のお父さんのどっちの子どもになりたい?」と言ったら、「電気屋!だって、おもちゃを直せるから」と明快な答え。「ママは?」と聞き返してくれなかったが、私は、当然、建築家!なんせ福山だもん♥



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No title

ジブリをみないこの私が、正月2日にひとりでジブリの「かぐや姫」観てきました。子供たちも一応誘ったんですが。「風たちぬ」のあとぜひ剣ちゃんとどうぞ。海外に暮らしていると、あの日本の四季の描写だけでもうるっとくるかもです。こどもの成長の様子もよく描けていて、懐かしかったです。「なんせ福山だもん♡」ああ確かに。江草さん好みそうなお顔だち^^

No title

へー、『かぐや姫』は知らなかった。日本の四季の描写なんて、フランス人好みだから、きっとこちらでも上映されるでしょう。しかし、私の男性の好み、よく覚えていましたね。

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター。立教大学仏文科卒。映画理論を学ぶために96年に渡仏し、パリ第一大学映画学科に登録。PRESSE FEMININE JAPONAISEを設立し、99年にパリ発情報誌『ビズ』を創刊。現在、日本の雑誌やWebにフランスの情報記事、コラムなどを寄稿しながら、日仏バイリンガルサイト『ビズ・ジャポン』の編集長を務める。著書は芝山由美のペンネームで『夢は待ってくれるー女32才厄年 フランスに渡る』。

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