パリジェンヌ・マラソンに参加する

半年ほど前のブログで予告した、パリジェンヌ・マラソンに9月14日に参加した。
エッフェル塔を背に、イエナ橋からスタートし、セーヌ川沿いを走って、最後は、エコルミリテール(陸軍士官学校)前、シャンドマルス公園の一角にある、ジョフル広場でゴールインする、6.7キロのプチ・マラソンだ。名前からも分かる通り女子マラソンだが、自称女性の方々の姿もたまに見かけられるという。チーム参加が可能で、私は今回、パリ在住日本人女性チームに入れてもらうことに。他のメンバーは去年も参加し、“歩いた”と聞いたので、これなら私にも、と思ったのだ。みんなで歩けば怖くない、ってやつ。

前々日の金曜日に、ジョフル広場の特設会場で、チームメンバーと待ち合わせて、ゼッケンを取りに行く。ゼッケンは前日までに取りに行かなければならない。確かに、参加者が3万人超なので、当日に配布していたら、パニックになるわな、フランス人の対応では。
会場内には、スポーツ用品や健康食品などのメーカーのブースが並び、中央ステージ上で、フィットネスのインストラクターがデモンストレーションをし、その前のフロアでは30人近い人々が、フィットネスに興じている。なんか、お祭りの雰囲気だ。ゼッケンを取りに行くと、オレンジ色のナイロン製ナップザックと空色のTシャツをプレゼントされる。どちらも、パリジェンヌ2014のデザインロゴとReebokのロゴ入り。

パリジェンヌ・マラソンは、毎年、テーマとなる国あるいは地域が決まっていて、今年は“カリフォルニア”なので、我がチームは、ポンポンガールをイメージし、紫色のポンポンを持って、豹柄チュチュを履くことにする。カツラとかサングラス案もあったけど、反対多数で却下。まあ、カツラは暑いし、サングラスは走っている時にずり落ちそうだし。ちなみに去年は“日本”年だったので、浴衣を着て走ったんだって。ゼッケン受け取りの時に、メンバーの一人がネットでまとめて買ってくれた、ポンポンとチュチュも受け渡し。後は、各々が日本のネットで購入した、銀色のブラジャーが描かれているTシャツに、スパッツをはいて、衣装は完ぺき!

実は、パリジェンヌ・マラソンに備えて、半年前から、ちゃんとジョギングを始めていた私。7月のスペインでのヴァカンスの期間以外は、週に3回ほど走っていたのだ。と言っても、15分ほど、家の周辺を回っていただけで、一度、走り終わって帰って来たら、息子に「忘れ物?」と聞かれたことも。
また、8月の終わりに日仏家族の会の理事打ち上げ会で、パリジェンヌ・マラソンの話になり(去年参加した人が数名いた)、その時に、「ジョギングって、20分走らないと効果がないのよ」と言われ、もっと早く知りたかった~、とがっくり。ただ、ググってみたところ、それは単にダイエット効果がないということらしく、持久力が付かない、とかそういう問題ではないようだった。たった15分と言えど、まったく走らずにいきなり参加するよりはマシに違いない。

さて、マラソン当日は、天気予報は雨だったのに、とてもいい天気。パリジェンヌ2014のデザインロゴ入りTシャツを着て、うきうきと家を出る。すると、な、なんとコンフランの駅に、例のオレンジのナップザックをしょった若い女の子がいる。まあ、参加者3万人なんだから、この町から一人や二人、参加する人がいてもおかしくない。と、隣駅アシエールからも60代とおぼしきマダムが同じように、ナップザックをしょって乗って来る(後で調べたら、61歳以上の参加者が全体の1%だから、300人以上いるということで、最高年齢が86歳であった)。
その後も電車が止まるごとに、空色Tシャツ、オレンジナップザックがどんどん車内に増えて来て、シャルル・ド・ゴール・エトワール駅では、ランナーたちがどっと電車を降り、会場に向かうメトロ6番線への乗り場へと勇ましく(と感じた)歩いて行く。メトロ車内は、ランナー専用電車かと思われるほどで、だから圧倒的に女性が多いのだが、その中に、応援者と思しき男性たちもちらほら。
デュプレクス駅で一緒に降りた、ランニングウェア姿の70歳近い(と思われる)マダムは、実に姿勢よくスタスタと歩き、その後を大きなリュックをしょった伴侶と思しきムッシューが遅れまいとついていく。奥さまの荷物持ちか?

エッフェル塔の近くに住んでいるメンバーの家に集合し、そこで着替えて、荷物も預かってもらい(感謝!)、いざ出陣。で、会場に着くと、すごい人(3万人のランナー+応援者たち)で、エッフェル塔に登ろうと行列を作る観光客たちが、圧倒されている様子であった。

FC2スタートを待つ
(スタート前の混雑)

スタートは9時45分。なにせこの人数、イエナ橋のゲートから、たぶん、1000人ずつぐらい(それ以上?)の時間差スタートになるのだが、この待ち時間が長い。
スタートゲート近くで、男女ペアのフィットネス・インストラクターが、サーフィンUSAなどに合わせて、準備体操(ダンス)をし、みんなそれに合わせて体操したり、後は仲間内でおしゃべりしているうちに、「どうやら、次は私たちの番みたいよ」と周りが言い出し(このいい加減さがフランスっぽい)、30秒からのカウントダウンが始まり(マラソンって、ピストルの音でスタートするのだと思っていたが)、ちょっとどきどきしながら、スタート。
周りのランナーたちは、けっこうなスタートダッシュぶりで、気が付いたら、私たちと杖をついて参加したマダムとその友人が取り残される。まあ、いい、目標は完走(完歩?)だ。

FC2応援演奏
(応援の太鼓隊)

まもなく、応援の打楽器バンドの姿が。コース内、ところどころに、打楽器を中心としたバンドがいて、ランナーたちを鼓舞する。やっぱり、マラソンなら打楽器だよね。応援ラッパはなかったけど、おじちゃんたちがタータンチェックのスカートをはいた、バグパイプバンドがいた。また、私が和太鼓を習っている大江戸助六流和太鼓真の元生徒で、独立して、和太鼓グループを作ったトルコ系男子が演奏しているのに気が付き、走りながら手を振った(ポンポンを持った手で)ら、向こうも気付いた様子だが、手は振り返してくれなかった、演奏中だったので。

だいぶ走ったつもりのところで、2キロ地点の札が見え、愕然。朝のジョギングは距離を計ったことがなく、でも3キロくらいは走っているつもりだったけど、ありゃ、たぶん、2キロ程度だったんだな。とここらへんから、完歩(すでに歩き)できるかどうか不安になってくる。

3キロ地点で、補給所。水とバナナが。私は水だけ飲む。「去年はオレンジもあったのに!」と他のメンバーから不満の声が。

沿道には箱根駅伝かと思えるくらいの観戦者がいて、「がんばれ、女子!」の声援に思わず、手を挙げて、ポンポンを振ってこたえる。

FC2走る様子
(走る人と歩く人、さまざま)

5キロ地点を超えた頃、ここまで来られた自信から、か、元気が出てくる。

最後は、チーム6名で手をつないでゴールイン!実は、メンバーの中にはまっとうなランナーもいて、歩き組みに付き合ってくれたらしい。『走れメロス』顔負けの美しい友情物語、と感涙。エッフェル塔をバックにみんなで記念写真を撮る。

荷物を引き取りに行き、着替えて再びシャンドマルス公園に戻り、みんなで輪になってビールを飲む。うめぇ~。
途中で声援を送ってくれた、メンバーのだんなさまで本格的にマラソンをされているSさんも加わる。彼は、な、なんとあのメドックマラソンに前日参加して、ボルドーから戻って来たばかりだった。
メドックマラソンとは、ワイン産地として有名なメドック地方のブドウ畑の間を、20か所以上のシャトーをめぐり、そこでワインを飲みながら、走るフルマラソンである。飲むだけじゃなくて、肉、生ガキ、チーズ、パン、お菓子なども出てきて、それを食べながら走り、しかも仮装必須だという、これぞフランス!なマラソンだ。ワイン飲みながら走れるの?と素人(何の?)私など疑問に思うが、有名シャトーのワインをフランス人たちはここぞとばかり飲みまくり、それで、ブドウ畑で平気で立ちションなどしているらしいが、それが女装したランナーだったりした、なんていう話を楽しく、伺う。

エッフェル塔をバックに
(記念撮影)

来年のパリジェンヌ・マラソンはもう少しまじめに走るぞ!とやる気満々になっているが、その前に、12月にパリ郊外で行われる、サンタクロース・マラソンに出ようか、という話になる。メンバーの数名はすでに、去年参加済みで、その名の通り、サンタクロースの衣装を着て走る、10キロマラソンである。衣装は主催者側が用意し、最後にランナーにプレゼントされるらしい(参加費用に衣装代が入っているんだろうけど)。う~、サンタクロースになって走ってみたい、でも、パリジェンヌより長いし。しかも、最初から最後まで走らなければいけないみたい・・、(マラソンに歩きOKを期待するのもおかしな話だが)。

半年前のブログを読み返してみたら、「来年は10キロマラソンくらいを目指してやろうか」などと、身の程知らずなことを書いているし。今から準備すれば間に合うだろうか・・、と苦悩する日々である。
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No title

おおー!着々と日々、練習されていたんですね!そして本当に大会に参加すばらしー(日本から拍手)皆さんでお揃いの衣装もかわいい^^実は私も半月ほど前にある理由からジョギングしてみましたが、案の定3日で終わってしまいました。見習いたい(苦笑)

No title

みわちゃん、まさに3日坊主というやつね。大会参加とかモチベーションがないとなかなか続かないかと。

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター。立教大学仏文科卒。映画理論を学ぶために96年に渡仏し、パリ第一大学映画学科に登録。PRESSE FEMININE JAPONAISEを設立し、99年にパリ発情報誌『ビズ』を創刊。現在、日本の雑誌やWebにフランスの情報記事、コラムなどを寄稿しながら、日仏バイリンガルサイト『ビズ・ジャポン』の編集長を務める。著書は芝山由美のペンネームで『夢は待ってくれるー女32才厄年 フランスに渡る』。

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