フランスでも人気らしい、『神の雫』を読む

少し前のことだが(去年の秋ごろ?)、フランスの朝の情報番組で、日本の漫画『神の雫』(仏訳版が出ている)が紹介されていた。

自分はお酒が強くないし、ワインもあまり飲まない、と言うと、「え~、フランスに住んでいるのにもったいない!」と何度、言われたことか。

うちの夫も、あまりアルコールを飲まない人だ。剣道の稽古の後にビールは飲むが(これは、おいしいんだよね)、ワインは、家に人を招待した時、招待された時、あとレストランでは飲むくらい。でも、ワインを持って遊びに来た人が、得意顔で、「○○の××年ものだぞ」とラベルを見せると、夫も「おお!」なんて、反応しているので、有名銘柄くらいは知っているようだ、・・単に、相手の得意顔に反応しているだけかもしれないけど。

神の雫仏語版
<フランス語版はこんな感じ、単に台詞が仏語なだけ>

フランスに住んでいるんだから、ちっとはワインのことを知っておいた方がいいんじゃないか、と、『フランスワインの12か月』なんて新書を買ったのが、たぶん10年くらい前だが、今日に至るまで、1ページも読んでいない。この本、誰かに勧められたのか?著者が日大芸術学部映画学科卒っていうところに惹かれたのか(映画好きなので)?覚えていない。ワインに興味がないから、結局、つん読になっちゃうんだよね(ググったら、著者、2009年に亡くなられていました、50歳の若さで。合掌)

フランスワインの12カ月 (講談社現代新書)

でも、漫画なら読むかも。しかし、日本の漫画を仏訳で読む気はしないし、と、今は無き、パリのブック・オフのコミック・コーナーで『神の雫』を探してみた。

話はそれるが、私が仏訳を持っている日本の漫画は二冊だけ。
『coeur de Thomasトーマの心臓』。
萩尾望都の大ファンなので、記念買い。昔、あほみたいに繰り返し読んだので、日本語の台詞も覚えているから、「ふむふむ、フランス語ではこう表現するのね」と、お勉強にもなる。


<日本のアマゾンでは、けっこうなお値段がついてます>

もう一冊は、谷口ジローの『L'homme qui marche歩く人』。
セリフがほとんどないので、仏語版でも関係ないし。
L' homme qui marche
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<谷口ジローはフランスで、とても人気>

で、パリのブックオフで、セット売りの『神の雫』は見つけたが、バラは一冊もなかった。セット買いして、つまらないと困るので、日本に帰国した時に、第一巻を買って、面白ければ、残りを買えばいいや。『ヒカルの碁』はそのパターンで、夫と子どもと九州を周遊旅行中に、ブックオフや古本屋を見つけては、買い集め(幸い、車で周っていた)、17巻まで揃えて、スーツケースに詰めてフランスに持って帰り、残り23巻まではパリのブックオフで買った。これも、フランスで大人気の漫画。


<フランスの囲碁クラブに一時通っていた時、この漫画を読んで碁を始めた、と言っていた少年たちが、たくさんいた>

ところが、『神の雫』購入計画は、この夏の帰国時には、ころっと忘れていた。きっと神様の無駄遣いするな、という戒めだ、いや、単に、興味が薄れていただけか。

しかし、天は我を見捨てなかったぞ。
この9月から、息子がパリの中心、シャトレにある、天理日仏文化協会の日本語講座に通い始め、今のところ、毎週送り迎えをしているのだが、そこの図書室は日本語のコミックのコーナーが、とても充実していて、見つけました、『神の雫』全44巻。で、さっそく1巻目を借りたら、なるほど、面白い。



世界的に有名なワイン評論家神咲豊多香が亡くなり、時価20億円相当のワインコレクションが遺された。遺言状に書かれた記述(詩的なぞなぞ、でも言いましょうか)から12本の偉大なワイン『十二使徒』(エヴァンゲリオンみたいだな)とその頂点に立つ一本『神の雫』を当てた者が、コレクションを受け継ぐことになり、息子の神崎雫と若手天才ワイン評論家の遠峯一青の対決が始まる・・。というのがメインストーリー。
エピソードは、恋愛がらみのものが多く、やたらと美女が出て来る(今、10巻まで読み終えたところ)が、事件の謎を解く鍵がワインで、ストーリーをハッピーエンドに導くのもワイン。
ミステリー仕立て、宿命の二人の対決ドラマ、父親への反発からワインを飲まなかった主人公の雫が次第にワインの魅力に取りつかれ、その奥深い世界を探求していく、成長物語風、ライバル遠峯の正体が徐々に解き明かされていくのも興味深いし・・、とワインに興味がなくても楽しめる。

コミックスの累計発行部数は国内500万部、世界では1000万部を突破したという(出典ITmedia2014年5月)から、すごい。

人気にあやかって、こんなものまで。



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ワインショップ・イーエックス



さっそく続きを借りようと思ったら、次に行った時には、2巻目はあったが、3巻目以降、数巻が抜けていた、つまり、誰か他の人が借りている。仕方ないので、2巻目と他の漫画を借りる。この図書館、漫画は一度に6冊まで借りられるので、『神の雫』めいっぱい+他の作品、例えば、萩尾望都の未読作品、浦沢直樹の『BILLY BAT』(浦沢先生、不倫相手が、50代女性って、好感もてるわ!)、ヤマザキマリの『テルマエ・ロマエ』(涙流して笑ってしまった)などなどを借りている。週末にパリの中心まで出るのは面倒くさい、と感じていたが、漫画が楽しみで、いそいそ出かけている。

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話戻って、『神の雫』は、面白く読んでいるけど、登場するワインの名前は頭に入らないし、巻末に載っているワインのコラムも全然、読まない。『テルマエ・ロマエ』は、エピソードごとに、著者のコラムが載っているけど、こちらの方は全部読んじゃう。やっぱり、自分はワインには興味がないのだ、と再認識。ただ、日本にいる時に比べれば、この私だってだいぶワインを飲めるようになったのだ、と偉そうに言っても、食事中にグラスワイン2杯が限度だけど。

でも、在仏日本人でアルコールが全く飲めないという人もにも時々会うし、フランス人でも一斉飲まないという人も、たまにいる。病気で止む無く禁酒しているのか、体質的に受け付けないのか、はたまた主義なのか、まあ、なんで、飲まないの?と聞くのもはばかられるし。

ワインに限ってみて、France agrimer(農産物と海産物に関することを扱うフランスの公的機関)の2015年の調査結果を見たら、なんとフランス人の3人に一人はワインを全く飲まない(1980年の調査では5人に一人)。「ほとんど毎日飲む」、と答えた人は、2015年で16%、1980年は51%だったのに。2015年の年齢別では、15~24歳で「全く飲まない」人は59%、「時々飲む」が40%で「ほぼ毎日飲む」は、たった1%。年齢が上がるにつれて、飲む人の割合が増えて行き、65歳以上では、「全く飲まない」が25%、「時々飲む」が38%、「ほぼ毎日飲む」が38%(あれ、100%にならないじゃん、手紙書いてやろうか)。
そういえば、甥っ子、25歳のピエールはアルコールは一斉飲まない、シャンペンさえも。で、一昨年亡くなった義父は、毎食事ごとに飲んでいたし。
15~24歳の若者を対象にした統計で、2005年の「ほぼ毎日飲む」は、2015年と変わらず1%だが、「全く飲まない」が64%と今より、高い。つまり「時々飲む」層が増えたわけで、特に若者のワイン離れが進んでいるのではないみたい。
そもそもワインって若者の飲み物ではないんだろうな。『神の雫』によれば、ワイン通になるには、多数の銘柄を飲まなきゃいけないから、お金もかかるし、ワインを語るには、人生経験も必要みたいだし。

ちなみに、フランス語でLes Gouttes de Dieu(神の雫の仏語訳で、日本のコミックにも表紙タイトルの下に書かれています)は、何か特別な意味があるのだろうか、とぐぐったら、同名サイトが見つかる。しかし、単なる、アマゾンに繋がるこの漫画の仏語版の紹介サイトであった。

もう一つ、Les Gouttes de Dieuという名前のワインバーがパリにあることを発見。漫画の人気にあやかってこの名前を付けたのか、それとも、仏訳版が出る前からある店なのか。日本からワイン好きの知り合いでも遊びに来たら、ここに案内して、真相(?)を確かめてみたい。

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江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター。立教大学仏文科卒。映画理論を学ぶために96年に渡仏し、パリ第一大学映画学科に登録。PRESSE FEMININE JAPONAISEを設立し、99年にパリ発情報誌『ビズ』を創刊。現在、日本の雑誌やWebにフランスの情報記事、コラムなどを寄稿しながら、日仏バイリンガルサイト『ビズ・ジャポン』の編集長を務める。著書は芝山由美のペンネームで『夢は待ってくれるー女32才厄年 フランスに渡る』。

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