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2016年に見た映画、雑感

「フランスに来たきっかけは、映画の勉強のため」と言うのが憚られるほど、映画を見なくなった。
で、いつも年初には、今年こそ、映画をたくさん見てやる、と誓い、2016年も1月は7本とまあまあのペースだったのだけど、2月以降は月2~3本しか見ておらず・・だから、ベスト3など上げるのはおこがましいので、雑感を。

今年は、“期待していたのにがっかり”な作品が、いくつかあった。

その筆頭は、カンヌでグランプリを受賞したグザヴィエ・ドランの『たかが世界の終わり』。
期待感が高まるあまり、冒頭シーンで涙まで出て来たが、な、何なんだ、これは?な作品であった。
批評家は賛否両論だったけど、私の周りでは、「とにかく『Mommy/マミー』がすご過ぎたから、それに比べるとねぇ・・」、「まあ、まだ彼は若いから・・」とドラン作品を批判したくないけど、でも・・ってな反応が多かったな。
このテーマなら、いっそ、笑える不条理の連続のために、自分に死期が近づいていることを家族に告白できない、っていうブニュエル調にしたら面白いかも、なんて考えてしまった。
恥ずかしながら、ドランは『Mommy/マミー』前の作品をまだ見ておらず、DVD・BOXを買おうかとも思ったけど、やっぱり映画館で見たいので、早く、どこかで特集上映をしてほしい。

16映画just fin du monde
『たかが世界の終わり』

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もう一作のがっかりは、ダルデンヌ兄弟監督の『午後8時の訪問者』(仏題は直訳すると、『見知らぬ少女』なんですけど・・)。決してつまらない作品ではないのだが、このクラス(?)の監督になると、“この監督の作品にしては”という前置きがついたりして、それまでの作品と比較されてしまうので・・。『イゴールの約束』以降、全部見ているけど、本作は一番、面白くなかったかも、ダルデンヌ兄弟監督にしては。
16映画fille inconnue
『午後8時の訪問者』

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さらに、がっかりというほどではないけど、アルモドバルの『ジュリエッタ』も、娘の心情がよく分からず、の消化不良感から、しっくり来ない作品だったな。

16映画Julieta
『ジュリエッタ』

しっくり来ない、といえば、フランソワ・オゾンの『フランツ』。オゾン作品って見終わった後、「ここ、描き過ぎ」、「ここ物足りない」みたいな不満が残ることが多い。『17歳』は、物足りなさをシャルロット・ランプリングが、みごとに埋めてくれた感があるが。『フランツ』は、アドリアンが何者なのかが早々と予想出来てしまうので、なのにこの演出はなぁ、と思いながら見続け、で、結末が、これはちょっとねぇ、と、なんか後味の悪い作品であった。あと、アドリアン役の男優ピエール・ニネの顔が好きになれん(超個人的感想だけど)

16映画Frantz
『フランツ』

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で、シャルロット・ランプリングといえば、『さざなみ』は、秀作。以前のブログにも書いたけど、この作品を見て、ほ~っとなって会場を出て来た私に、映画館の館長さん(別に知り合いではない)が笑って頷きながら「La vie est triste 人生は悲しい」と言ったことと(なんで、私に向けて??と思ったことが)セットになって、忘れられない作品に・・。

16eiga 45ans
『さざなみ』

返り咲き、って言っちゃなんだけど、また面白くなったじゃん、と思えたのが、フィリップ・リオレの『Le fils de Jean』。2006年の『心配しないで』、2009年の『君を想って海をゆく』(なんじゃ~、この邦題は。原題は『Welcome』、分かり易くてこのままでいいのに)が面白かったのに、続く2010年の『TOUTES NOS ENVIES』が駄作だったので(と私は感じた)、監督自身、そのショックで間が空いてしまったのか?でも、本作で、復活?

16映画fils de Jean
『Le fils de Jean』

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もう一人、以前は、新作を楽しみにしていたクリント・イーストウッドは、『J・エドガー』で、がっかりして以来、見なくなっていたのだけど、『ハドソン川の奇跡』は、面白いと評判だったので見に行った。原題は『Sully』=「サリー」なんだけど、フランスでは、仏語読みで、「スリー」と発音されている。この作品を撮るために、イーストウッドは本物のエアバスを購入し、ニュースキャスターから救助隊、警察官まで、関係者を本人役で多数出演させ、事故を徹底的にリアルに再現した、とウィキペディアに書いてあったけど、そこまでする必要あったのかね?別に役者を使っても彼の演出力で十分素晴らしい作品になったと思うけど。年納めに見たのがこの作品で、とってもいい終わり方だったので、来年はいいことあるかも、ってな幸せな気分に。やっぱり、映画はハッピーエンドがいいわ。ハッピーハッピーじゃなくても、希望が残るような終わり方をしてほしいわね。

16映画Sully
『ハドソン川の奇跡』

そこへ行くと、パルムドールに輝いた、ケン・ローチの『わたしはダニエル・ブレイク』は、見終わった後、気持ちが落ち込んだわ。確かに素晴らしい作品なんだけどね、『麦の穂をゆらす風』(2006年)もそうだけど、主要人物が死ねば、いやでもショックでドラマは盛り上がるわけ。でも、いい加減、人を殺さずして、それでも印象的な作品を撮ってほしいわ。

16映画DanielBlake
『わたしはダニエル・ブレイク』

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そういえば、日本映画はほとんど見なかった。『終の信託』をやっとDVDで見たけど。映画は劇場で見る主義だが、フランスに入って来なくて、どうしても見たい作品は仕方なくDVDを日本で購入。なんで、周防監督、フランス人に受けないかな?小津を評価している国なのに。

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2017年は、面白い日本映画がフランスに入ってくることを期待!

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No title

「がっかりBEST~」っていう視点がとても好きです(笑)江草さんらしい。
ドラン特集、渋谷でやっていましたよ、確か、去年夏だったかな・・・。いや、おととしだったかな。でも、灼熱の渋谷の小さな映画館に足運ぶまでに、ばててしまいそうですよね。ドラン、日本でもファンが多いですから、そうですか、「マミーの次作は、ちょっと・・・。」でしたか。
こちらでは、『君の名は』『この世界の片隅に』大ヒットです。フランスで上映されるのでしょうか。『君の名は』のほうかな、フランスにいくのは。私は、例によって、アニメ(日本アニメの人物絵)が苦手なので、観ておりませんが。
去年夏の『シン・ゴジラ』以来、映画を観ていないです。1月後半、スコセッシ監督の『沈黙』は映画館で観る予定です。

Re: No title

ドランは好みもあると思うけど。私はがっかりでしたねぇ。『君の名は』は、昨日見る予定でしたが、なんと行った映画館が前は使えた、私の見放題パスが使えず。ただ、他の映画館の上映時間まで待つと、子どもの水泳の送り迎えに間に合わなくなることが分かり・・。明日、他の映画館に見に行こうかな、と。

> 「がっかりBEST~」っていう視点がとても好きです(笑)江草さんらしい。
> ドラン特集、渋谷でやっていましたよ、確か、去年夏だったかな・・・。いや、おととしだったかな。でも、灼熱の渋谷の小さな映画館に足運ぶまでに、ばててしまいそうですよね。ドラン、日本でもファンが多いですから、そうですか、「マミーの次作は、ちょっと・・・。」でしたか。
> こちらでは、『君の名は』『この世界の片隅に』大ヒットです。フランスで上映されるのでしょうか。『君の名は』のほうかな、フランスにいくのは。私は、例によって、アニメ(日本アニメの人物絵)が苦手なので、観ておりませんが。
> 去年夏の『シン・ゴジラ』以来、映画を観ていないです。1月後半、スコセッシ監督の『沈黙』は映画館で観る予定です。

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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