1月に見た映画、雑感。ベストワンは、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』


前回書いた画についてのブログで、「2017年は、面白い日本映画がフランスに入ってくることを期待!」で締めくくったはず。

それで、今年最初に見た映画は、『君の名は。』(新海誠監督)。日本で大ヒットしたそうだけど、うーん、悪くはないけど、そんなにいいかなぁ?なんか、彗星落下が分かったところから、嫌でも緊張感は高まるだろうけど、その大ごとさ加減で、逆にしらけちゃったのは私だけ?

1月映画君の名は。

この作品がきっかけで、大昔に見た『君の名は』(大庭秀雄監督)をググっていたら、これ、実は3部作だったことが分かる。どうも、端折り感が気になる、と思っていたが、私が見たのは、総集編(185分)というやつだったらしい。3部作は合わせて378分。まあ、今更、完全版を見たいと思うような作品ではなかったけど。

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そういえば、中井貴一が、この映画を見て「お父さんはこんな美人の恋人がいたのになんで、お母さんなんかと結婚したんだろう?」と子ども心に思った、と言ったとかいうエピソードがあったような。で、お母さんって、小津安二郎の通いの定食屋の看板娘だった、っていうようなことをどこかで読んだような。どうでもいい話なんだけど。


ジム・ジャームッシュの『パターソン』。面白かった。淡々として、それこそ彗星落下どころか、たいした事件が起こらず、静かなドラマがよかった。あ、最後に主人公にとってショックなことが、かわいい犬のおイタで、起こるけど、まあ、これもちょっぴり笑えるし。しかし、最後の永瀬正敏が余計な感じ。『あん』の永瀬がよかったから、ちょっとがっかり。もっとおじいさん俳優の方がしっくりしたんじゃないかな?誰だろう、ああいうシーンにぴったりな日本人のおじいさん俳優って?

1月映画Paterson


『Ouvert la nuit』(Édouard Baer監督)は、他に見たかった映画が間に合わず、仕方なく見ただけあって(?)つまらなかった。こういう、才能はあるかもしれないけどダメな男の話って、見ていてどうにもいらいらする。このタイプを“愛すべき”って呼んでしまう人が理解できん。

1月映画ouvertlanuit


『ローグ・ワン』(ギャレス・エドワーズ監督)って、外伝ではあるが、スター・ウォーズシリーズの最高傑作ではないか?『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が、せっかく、ジョージ・ルーカスがメガホンを取らないというから、期待したら、面白くなくて、がっかりだったからな。この『ローグ・ワン』は、切なく、悲しいけど、最後に希望に繋がったから、よかった。しかし、モフ・ターキンもレイア姫もひょっとして、と思ったけど、後でググったら、やっぱりCGだったのね。

1月映画rogue one


『淵に立つ』(深田晃司)は、フランス語タイトルは、『Harmoniumハーモニウム』。英語タイトルも同様で、公式サイトによると、監督自身が選んだらしい。
カンヌの「ある視点」部門審査員賞受賞作で、傑作であることは間違いないんだけど、見終わった後、ずどーんと、暗い気持ちになりますねぇ。希望が見えないし。まあ、くだらないハッピーエンド映画よりはこういう映画を見たいけど。

1月映画harmonium

そういえば、深田監督が、インタビューで、「これまでカンヌで上映されてきた日本映画は温和な家族観がベースになっているものが多いのに対し、『淵に立つ』はそうではないので新鮮に受け取られたようです。」と語っているけど、そうなのかなぁ?フランスの映画ファンにはなじみ深い、小津安二郎の『東京物語』('53)からすでに、家族の崩壊、親子の断絶を描いているし、日本映画で、温和な家族観を描いた作品って?私の見る映画が偏っているのかね?カンヌ上映作に限ってということなのか?
そういえば、フランスに住み始めた頃、知り合った映画好きのフランス人が、「成瀬巳喜男の描く家族は、実は愛し合っているのに、表面的に対立しあい、逆に小津の描く家族は、心は離れているのに、表面上は穏やかに接している、と言っていて、なるへそ、と思った。

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で、運の悪いことに、続けて、家族をテーマにした暗い気持ちになる映画を見てしまう。
『マンチェスター・バイ・ザーシー』(ケネス・ロナーガン監督)。まあ、映画好きの人は、何は置いてもこの作品だけは、絶対見て!と言いたい、素晴らしい作品。アカデミー賞で6部門にノミネートされているし、主演のケイシー・アフレックは、すでにゴールデン・グローブ賞、全米映画批評家協会賞などなど複数の主演男優賞を受賞。
『淵に立つ』みたいな、どろどろ感はなくて、ただ、悲しく切ない作品だが、その悲しいシーンで、向田邦子原作ドラマ『あ・うん』で使われていたアルビノーニのアダージョが・・。この曲に昭和初期のイメージを勝手に持っていたので、ちょっと違和感。と、そんなことは個人的な感想だけど。
日本では、5月から公開予定。

1月映画manchester

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悲しい映画が続いたので、最後は明るく締め!『Lumiere! L'aventure commence(リュミエール!冒険が始まる』(Thierry Frémaux)は、映画の父と呼ばれるリュミエール兄弟についてのドキュメンタリー。世界初の実写映画とされる『リュミエール工場の出口』、観客が、本物の列車が向かってくると錯覚して、会場から逃げてしまった、『ラ・シオタ駅への列車到着』、コメディ映画の元祖と呼ばれる『水をまかれる散水夫』などなど、どこかで見た記憶のあるリュミエール作品が次々と・・。映画のカメラワークや演出の基本の基本は、彼らが作り出したことが、よく分かる。
映画評論家の水野 晴郎じゃないけど、「いやぁ、映画って本当にいいもんですね~」と思わず、見終わった後に言いたくなる作品。

1月映画Lumiere

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江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター。立教大学仏文科卒。映画理論を学ぶために96年に渡仏し、パリ第一大学映画学科に登録。PRESSE FEMININE JAPONAISEを設立し、99年にパリ発情報誌『ビズ』を創刊。現在、日本の雑誌やWebにフランスの情報記事、コラムなどを寄稿しながら、日仏バイリンガルサイト『ビズ・ジャポン』の編集長を務める。著書は芝山由美のペンネームで『夢は待ってくれるー女32才厄年 フランスに渡る』。

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