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不況時は本が売れる?

不況の影響とさらに個人的に中殺界のせいか、仕事が来ない。おかげで、あまり本など読まない私が今年はぼちぼち読書をしている。それで、日本帰国の際にもまずはBOOK・OFFに行き本を買い込み(ってほどの量でもないが)、それからアマゾンにも数冊注文した。昔、不況時は本が売れる、って聞いたことがあるけど、こういうことか。

 フランスに戻ると、ヴァカンス真っただ中の7月末、日本からの仕事の発注もなく、すぐに読み始めて、面白かったのが、以下の2冊。

『今日よりよい明日はない』玉村豊男
自分はグルメじゃないし、ワインも興味ないので、この人の書いたものは興味がなかったのだが、農業しながら、歯に衣着せぬ物言いのコラムを書いて(例えば、日本のグルメ番組批判で「高価な料理を」、「くだらないタレントたちが騒ぎながら食べ散らかしている」てな具合に)暮らす、半農半Xの理想形みたいな人生だな、と羨ましく読む。
巻末近くの“流木論”には、人の人生ってその通りだよな、としみじみ。「大海に漂いながら」、「思い描いていたイメージに近い流木が」流れてきたら、「それをうまくつか」む。わが身を振り返り、仕事が来ないと言っても慌てふためいてはいかん、水面にたゆたいながら、読書でもして、木が流れて来るのを気長に待てばいいのだ。(要するに自分から何か事を起こすのは面倒だし、今は何をやってもうまくいかない時、という気がしているのだ)。

『無境界家族』森巣博
日本で、大学のサークル仲間に会って、「うちの子、発達障害らしいんだけど、算数は得意なんだよね」と言ったら勧められた本。作者はプロの賭博師、オランダ人の妻は世界的に著名な人文社会系研究者、息子は元引きこもり、純粋数学の分野で類まれな才能を発揮し、15歳で大学に入り、20歳でカリフォルニア大の教員になり、その後、ヘッジファンドにスカウトされ、超高給取りに(うらやましい・・)。“歯に衣着せない”文章は 玉村豊男の比ではなく、渡部昇一、小林よしのり、江藤淳等(傾向、分かりやすい)の「国民主義者」や「日本文化主義者」を「「突出したあほども」と呼べばよい一群」なんてけなしているが、そもそも、作者が国民主義、日本文化うんぬんを突き詰めて考えるようになった契機が、ハーフ(本書では「ダブル」と息子自身が表現)で適応障害(っていうのも分からん定義だ)の息子を持ったこと。ハーフで適応障害、ってうちの息子と一緒じゃん、で、親の問題意識が高いと、そんな子どもが高給取りになる?なんて夢を見てはいけない。所詮は、持って生まれた素質に大きく左右されるのだ。これは健常児(って言葉は嫌いだが)でも発達障害児でも同じことだ。
 さて、作者によると博打にも長いスランプ時期があり、この時はいい“流れ”が来るのを待ちながら“死んだふり”をするのがいいそうだ。なるほど、仕事が来ない間は、変に企画書なんか作成したりせず、何もしないのがいいのだ、と全て自分の現状に照らし合わせながら考える。まあ、読書ってそういうものだろう。
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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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