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日本で剣道修行

今回、帰国の際に、はじめて剣道の防具を持って帰った。息子の通う小学校の体育館で週二回行われる、剣道の子ども教室に参加させてもらうことになったのだ。
高校時代の友人の長男がここの教室に通っているのだが、とにかく先生が厳しくて、そのおかげで生徒たちは大会入賞の常連なのだとか。

小学生が中心で、中学生やママさん剣道家が数名いると聞いて、私にはちょうどいいかも、と思っていたのだが・・。
まずは、体育館の雑巾がけから始まり、蒸し暑い中、私は一往復しただけで、バテるあり様。女の先生とその息子さん(以下、男の先生と書かせていただきます)が二人で教えていらっしゃって、子どもたちの挨拶の仕方から、姿勢、練習態度など、全てに厳しいのだ。女の先生は教室に入ったばかりだという小学校1年生の男の子と女の子を指導し、「だめ!」、「そうじゃない!」とかなりきつい口調で叱っていらっしゃる。小さい子たちが歯を食いしばり、それについていっている様子を見ていると思わずじーんと来る。うちの息子ならすぐに逃げ出すだろう。男の先生は面をつけている生徒+大人の指導をされるが、小学校2年生の男の子に「あの、怠けた素振りはなんだ、先生はちゃんと見てたんだぞ!」と厳しく注意したり。その小さな男の子も、中学生やママさんと一緒に稽古をするのだが、私が手加減をしていたら(だって、私の胸までの背の高さもないのだ)、「本気で強く打ってください」と叱られる。この教室に通っていたら、剣道が上達するだけなくて、礼儀正しい子どもになるだろう。

私が通うメゾン・ラフィットの剣道クラブにも子ども教室があって、息子も去年一年通ったが、子どもに何とか剣道に興味を持たせようと、風船を叩かせたり、お菓子をあげたり。それでも、うちの息子は最終日に先生に「もう止めます」と宣言していたが。
中学1年の男の子で、部活で他のスポーツを始めたという子にも男の先生が「一つのことにちゃんと集中して、それを上達させる時期だよ。剣道を選べとは言わないけど」と助言し、その子もまじめな顔で聞いていた。この年頃って、親の言うことには何かと反発するから、こういうアドバイスをきちんとしてくれる人が身近にいるのはいいかも、と盗み聞きをしながら、思った。中学生の男の子たちとも稽古をしたが、もちろん、私では歯が立ちません。

子ども剣道教室
(写真はフランスの子ども剣道教室 日本と違い、ずいぶん、リラックスした空気が・・)

初稽古の最後に「実は12年かかって、去年、ようやく初段を取ったところです」と言うと、男の先生が苦笑いされたので、「ただ、勉強や仕事や出産、子育てでブランクがありましたが」と付け足すと、「今は、ブランクの直後なんですね?」。「いいえ、最近は定期的に練習をしていますが」と答えると(別に見栄をはる必要はない)、すっかり言葉を失っておられた。まあ、親から剣道を教わり、すいすいと上達して来た先生には理解できないだろう。しかし、私のような剣道音痴には初段が取れただけでも、大いなる自信となったのであるが。

東京には2週間しかおらず、稽古は3回参加しただけ。最後の日に、女の先生からは構えの姿勢を正していただき、だいぶ打ちやすくなり、男の先生からは「面はとてもきれいに打っています。後は、早さと力強さがほしいですね」。きれいな面打ちというのは剣道の基本で、これは自慢じゃないけど、面打ちの練習の時にフランス人の先生にも褒められたのだ。しかし、早さと力強さなんてものは、この年齢からだと身につきそうにないなぁ・・。

一方の夫は、六段昇段を目指し、昨年フランスに日本剣道連盟から派遣された、大津市に住む脇本幸彦先生のところに1週間の修業に出かけた。出発前日に一日に4回も稽古があるようなハードなスケジュール表がメールで送られて来たので、先生にご挨拶の電話を差し上げ、「主人には生命保険をかけてありますので、思う存分、しごいてください」とお願いする。
1週間後に平湯温泉で夫と落ち合うと、稽古は厳しかったらしいが、九段の先生に稽古をつけていただいた、とか脇本先生のご自宅に招いていただき奥様から手料理をもてなされた、とか祇園祭りに連れてっていただいた、などなど、と得意げに語り、何だかずいぶん楽しい修行だったらしい。

フランスに帰って、メゾンラフィットクラブのラバイユ先生から「日本で剣道の稽古をしたのか?」と聞かれたので、「3回しました」と答えると、「おお、一日3回か」といたずらっぽい目で言いながら、私からは「週3回です」との答えを期待していたに違いなく、「1か月で3回です」と言うと「・・ウソだろう?」。さらに「子どもの稽古に参加しました」と加えると「子どもの指導をしたのか?」、「いえ、一緒に稽古しました」、「日本まで行って子どもと剣道か?」などと呆れたような顔で言ったので、「日本の子どもは5,6歳から剣道を始めますから、とても強いんです!」と切り返す。
今、ブラジルで行われている世界剣道大会にラバイユ先生はフランス・ナショナルチームのコーチとして赴いている。そこで、日本剣道の強さを目の当たりにし、これが幼少の頃からの心身の鍛練のなせる技だということを理解して戻ってくるに違いない。
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No title

フランスと日本とでは、スポーツとか学校の指導方法に違いがあるのでしょうか? でも最近、日本はゆとり教育とやらだし、体罰は絶対ダメらしい。

なにごとも、自分のpaceでやるのが楽しいとおもいます。どんなことでも良い意味でのいい加減さがないとやってられないし。

No title

Ushizakaさん、こんにちは。

剣道は武道なので、心身の鍛練のために行う、という考えの指導者も多いのだと思います。日本の、特に学校の部活などは同じような考えの先生もいるのでは?私たちの時代だけだったのかしら?あとは非行防止のために部活動を奨励するなんて学校もありましたが。

おっしゃるとおり、特に私の場合は試合に出て勝とうとか、上段をめざそうという気持ちはなく、健康のために剣道をやっているので、まさに自分のペースですよ。

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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