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ハンドボールとサッカーの違い、って?

去年の9月から1年間、毎週水曜日に剣道の子ども教室に通った息子は、最後の練習日に「僕は剣道を辞める」と自ら先生に宣言。稽古途中に「疲れた」と言って座り込んだり、寝転んだり。何度注意されても、蛙みたいに両足そろえてぴょんと飛びながら竹刀をふる、ちっとも剣道らしくない“打ち”も直らず。それでも、1年間、最後までちゃんと通ったので、それだけでもよかった、と思うことに。

 そして、息子は剣道の代わりにハンドボールを始める、と言い出した。毎週水曜、子ども向け剣道教室が終わった後、今度は一般向け教室で私が稽古をするのだが、その間、同じ体育館内で行われているハンドボール・クラブの練習を息子は時々眺めていて、やってみたいと思ったらしい。

剣道の指導者である夫は息子が剣道を辞めると聞いて、さぞがっかりするに違いない。また、剣道を始める以前に、息子がサッカーをやりたいと言った時は、夫はたいへん不機嫌になった。フランスではサッカーは品のないスポーツととらえられている。悪行を重ねるフーリガンのイメージから来るのか?隣国イギリスでは労働者階級のスポーツ、なんて言われているようだが、ここ、フランスでは98年のワールドカップ優勝の頃はジダンなんて国民的英雄扱いだったし。まあ、その後の頭突きはイメージダウンにつながったけど。
ハンドボールもなぁ、と私が恐る恐る、「剣ちゃん、剣道をやめてハンドボールがやりたいんだって」と言ったら、夫は嬉しそうに、「ハンドボールか、それはいい!」??このサッカーとの反応の差は?足を使うか手を使うかの違いだと思っていたのだが?・・まあ、確かにハンドボールのフーリガンってのも聞いたことはないし。夫自身も中学生の時、学校体育でハンドボールを選択していたそうだ。コミュニケーション能力に問題のある息子にとって、チーム・プレーを学ぶことはいいことだ、と夫が珍しく、まっとうなことを言う。剣道も、何年か後に、「また、やりたい」と言い出すかもしれない。まだ7歳なのだから色々なことを試して、自分に合うものを選んだ方がいいだろう。

さっそく、コンフラン市のハンドボール・クラブをチェック。けっこう強くて、青年チームがフランスの一部リーグにいたこともあるらしい。10歳以下の子どものチームは火曜の夕方と土曜の午前に練習があることが分かり、さっそく土曜日に見学に行く。正式登録する前に3回、体験レッスンを受けてもいい、と言われ、ロンドンで買ったサッカーのチェルシーチームのユニフォームにアディダスのスポーツシューズといういでたちで、次の練習から参加させてもらう。
息子は果たして走りながらドリブルができるんだろうか?ルールを理解できるのだろうか?突然、体育館の隅に座り込んでしまうんじゃないか?と不安になりながら、練習を見学する。
最初にウォーミングアップで行った、三すくみ鬼はルールをよく理解できない様子で、仲間が迎えに来ても、逃げなかったりとはらはらさせてくれたが、パスの練習、シュートの練習は上手ではなくとも、ほとんど他の子どもたちと同じようにこなした。最後は試合もどきにも少し参加させてもらい、同じチームのメンバーからパスを受け、それを同じチームのメンバーにパスする、という動作が2回もちゃんとできたことが、私にとっては感涙ものであった。以前も書いたが、普通の子ができて当たり前のことをやっただけで、こんなに人(って親だけど)に感動してもらえるのだから、得である。

ハンドボール

二度目の体験の時は、8,9歳の子と分かれて、6,7歳の子どもだけで練習し、そこでゴールキーパーも体験させてもらい、ちゃんとシュートされたボールを足で跳ね返していた。それを見て親ばかの私は「息子は確実に成長している!」と有頂天になっていたが、コーチには「もっと人の言うことを聞きなさい」と叱られていた。3度目の体験は夫がついていき、「ほとんど他の子と同じことをやっていたぞ」と帰ってくるなり、にこにこして報告する。

 先週、療育センターの精神科医や療育士との定期面談があり、ハンドボールを始めたことを伝え、「他の子とほとんど同じことをしています」と言うと、精神科医も「おお、ほとんど同じことを?」と驚きの声をあげていた。

ボールを投げる、受け取る、のキャッチボールは他人とのコミュニケーションともいえる動作なので、これが言葉によるコミュニケーション力を身につけることにも役立つのではないか?と期待しながら、この土曜日に正式登録を済ませた。息子自身は単に「ハンドボールは楽しい!」と言っており、まあ、それが一番大切なことなのだが。
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No title

江草さん、こんばんは。
私も子供がいる立場なので、息子さんの頑張られている様子を読ませていただきながら、涙出てきました。
親の方が子供を見ながら、心配で心配でハラハラしてしまったりしますが、子供は自分の考えをしっかりと持って、日々成長しているのですよね^^
とても頼もしいですよね!
以前の記事も読ませていただきましたが、真っ直ぐで芸術センスも抜群で、頑張り屋さんの息子さんですね^^
何も知らない立場の私が、分かったような事を書いてしまってすみません・・・

実は、うちの子供についてなのですが、数年前にとても辛い体験をしている為に、それが深い心の傷になってしまっています・・・
自閉症ではありませんが、心を閉ざしてしまう事があったり、投げやりになったりする時もあったりで、とても心配しています・・・
ですが、私も子供を沢山ほめて、大切に思っていると子供に伝えると、とても安心するようです。

親として、こうなって欲しいと期待してしまったりもするのですが、
今は、健康でいてくれて、それだけで感謝だなとそう思っています^^
すみませんでした・・・私の子供の事まで書いてしまいました。

息子さんも、応援しています!
きっと、自分の道を見つけて、飛躍されていかれることと思います^^


No title

Melody021さん、こんにちは。

励ましの言葉、ありがとうございます。

そうなんです、子どもってみんな、ちゃんと成長しているんです。成長のスピードの違いを他の子どもと比べるのはナンセンス。その子どもによって伸び時とでもいいましょうか?小さい頃にぐーんと伸びる子もいれば、もう少し大きくなってから伸びる子もいる。短期間に伸びる子もいれば、ゆっくり時間をかけて伸びていく子もいる。そう自分に言い聞かせながら、「なんでうちの子だけが・・」と悲観的にならないようにしています。

同じように、つらい経験から立ち直る、回復力も子どもはちゃんと持っていますよ。すぐ立ち直る子もいれば、ゆっくりと時間をかけて立ち直る子もいるのでしょうね。これは大人にもあてはまるかもしれませんが。

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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