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滞在許可証の更新

 先日、滞在許可証の更新をした。私が持っているのはCarte de residentという10年ごとに更新の必要なビザ(通称10年ビザ)だ。
 同じイヴリン県に住んでいる知り合いは、ビザの期限が切れる数か月前に県庁から通知が来た、と言っていたが、私のところには全く連絡なし。期限切れの2週間くらい前に県庁に行き、受付で「10年ビザの更新をしたいのですが」と言うと順番待ちの番号札を渡される。電光掲示板を見ると、自分の前に20人ほど待っている!こういう事態は想定の範囲内(懐かしい流行語)で、ちゃんと本を持参していたので、空いているベンチ(ソファじゃなくて金属製の固い長椅子)をみつけて、本を読み始める。結局40分ほど待たされてから、窓口で、更新に必要な書類一式(パスポート、写真、所得税申告書など)を書いた一枚の紙を渡される。こんなもの、受付に置いておけばいいではないか!と腹が立つ。

 1週間後に必要書類とその全てのコピーを持って、再び県庁へ。ここ3年分の所得税申告書も要るのだが、夫が2007年の書類をどこかにしまい込んだらしく見つからず、08、06、05年のものを持って行く。何か、いちゃもんをつけられるのでは、とどきどきしたが、無愛想な窓口の女性はろくに確認もせず、事務的な手つきでコピーの束をまとめ、さっさと全てのオリジナル書類を返してくれる。そして3か月有効のピラピラと薄い仮滞在許可証をホッチキスで、もうすぐ期限切れの滞在許可証にバチンと留めて、渡してくれた。
 前回、住所変更をした時は、この仮滞在許可証が切れても、新しい許可証ができなくて、仮滞在許可証の再更新のために再び、県庁に行く(そして1時間近く待たされる)はめにあったのだ。
 
 今回もまた同じことが起こるのか、と半ば覚悟していたら、なんと、『あなたの滞在許可証ができたので取りに来るように』という通知が、申請からたった3週間で来たのだ。そこに『70ユーロ分の収入印紙を持ってくること』とあったが、確か収入印紙って県庁で買えたはず、と10年前の記憶をたどってみるも、心配なので、まず県庁の受付で確認する。案の定、受付に『収入印紙は税務署で買ってください』と貼り紙があり、税務署の場所を尋ねると、感じの悪い女性職員が、面倒くさそうに「この道をまっすぐ行けば歩いて10分のところよ」。外は雨、歩くのはちょっと・・、しかし、車は駐車場に入れてしまい、5分で出しても1時間後に出しても同じ料金(1ユーロだけど)だ。通知にちゃんと『税務署で前もって収入印紙を購入すること』と書いておけば、先に税務署に寄ってから来たのに。と、念のため入口でタバコを吸っていた他の女性職員に再度、税務署の場所を確認する。すると「○○通りをまっすぐ行くと、橋に突き当たるけど、その少し前、右側にあるから」と先ほどの人より少していねいに教えてくれた。
 税務署までは車で3分もかからず、順番待ちもなく、収入印紙を購入できた。県庁に戻り、番号札をもらい、待つこと20分。窓口で新しいビザを渡され、「内容を確認してください」と言われる。最後まで何が起こるか分からないフランスのこと、名前の綴りが間違っていないか?住所の番地が間違っていないか?と二度確認して、「問題ありません」と答え、めでたく、更新完了。10年間はこの面倒な手続きをしないで、済むのだ。

この10年ビザ、私は結婚1年後に取得できたが、最近では結婚後3~4年経ってからやっと取れるらしい。また、5年ごとに更新が必要な5年ビザなるものができたという話もきく。フランスのビザに関する法律は実際、ころころとよく変わる。また、移民規制でどんどんビザ取得が難しくなっている。たとえば、私がフランスに来た頃、学生ビザは語学学校の入学登録書があれば申請できたが、今では一定レベルのフランス語力があることが証明できないと取得できないらしい。フランス人との結婚によって取得できる滞在許可証も、最近では、移民局の人が、偽装結婚かどうかを確かめるために自宅訪問すると聞いたが、私の時は夫同行で県庁に出向いて、問題なくもらえたし。フリーランス用の労働ビザも以前は取得がそれほど難しくなかったが、現在では、それも却下されることがしばしばあるそうだ。
八方手を尽くして結局ビザが取れず、帰国した人のことを、「あと、数年早く申請していれば通ったかもね、タイミングが悪かったよね」なんて話したら、やはり10年ビザを持っている知人が「結局、彼女はフランスから“いること”を望まれていないんですよ」とぴしゃり。身も蓋もない言い方だけど、“フランスにとって有益な人材には滞在許可を与える”って、まさにサルコジさんの方針だからね。
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非公開コメント

なるほど・・・。

江草さん、こんにちは。

フランスで外国人が暮らす場合、まず滞在許可証をはじめ、運転免許証等諸々の手続き+申請に伴う書類をそろえるまで、決してスムーズにいかないことは既に?承知していましたが、窓口の人の対応・態度の悪さは、国民性のものだとばかり思っていました。

が、しかし・・・
【フランスからいることを望まれている人】
=フランスにとって有益な人材には滞在許可を与えるという大統領の方針を考えると、根底には?こういう背景ありきだからか・・・と、妙に納得してしまいました。

この理由があるなら、おそらく?諸手続きがもっと煩雑になることはあっても、簡素化されることはないかもしれませんね・・。

でも、フランスにとって有益な人材?なのかどうかはわかりませんが、パリ在住の日本の著名人(辻 仁成&中山美穂夫妻、青木サダハル&雨宮塔子、中村江里子&バルド夫妻など)のブログからは、手続き等する際に?てこずったという話はあまり見たことがありません。
いちいち?書かないだけなのかも?しれませんけどね・・・。
日仏のカルチャーショック的な驚きは日常茶飯事のようで、頻繁に書いてありますが・・。

私のフランス語の先生は、サヴォアのショーンベリーという風光明媚な場所の出身ですが、日本人の奥様とご結婚され、日本でマスオさん生活をして既に8年になります。
が、フランスには全くその間帰っていません。というか、あまり?帰りたがらないです。
日本が大好きと言う理由もありますが、フランスで生活するのは大変なので、ボクはずっと日本で暮らすとまで言い出しております。

私の通っている語学学校の生徒さんで、フランスに留学もしくはビザをもらって料理の修業、ゆくゆくはパリで就職したいという夢と希望がいっぱいの人がたくさんいますが、そういう方々が最後の授業で先生にお別れを告げると、たいてい?「頑張ってね!」と本人には言うものの、先生としては、「でも、すごく大変だと思うけどね・・。たぶん、一生は無理かも?フランスは、外国人が遊びに行くのはいいところでも、住む所ではない。」と心配しているのも事実でして・・・。

その言葉の意味・先生の本心が、今回の記事でようやく?理解出来ましたね。

無理かも・・・という真意は、「フランスからいることを望まれるくらいの人」じゃないと、長くフランスに滞在するのは難しいってことなんですね。

運も左右します

マダムかおりんさん、こんにちは。

窓口の人の感じの悪さは国民性もありますが、中には感じのいい人もいるのですよ。だから、誰に当たるかで大違い。これは運が大きく左右しますよね。

要するに税金をたくさん払う人は歓迎されますし、あとは有能な研究者とか、国家に利益をもたらす人ですね。あと、これは聞いた話ですが、以前は日本からの留学生はけっこうリッチな人が多くて、お金をたくさん落としていったそうですが、今の留学生は質素、そもそも留学生が減っているみたいです。

著名人の人たちはどうされているんでしょうかね?たぶん、通訳さんとか雇って、本人は必要最低限のことしかしていないのかな?順番が来るまで、カフェで待機、とか。コネも幅をきかす国みたいだし。

語学学校の先生のおっしゃることも確かですが、それでも青木サダハルさんをはじめ、こちらで仕事を見つけたり、お店を持ったりして成功している人もいますから。実力があって努力して運があれば・・、ってこれはどこの国でも一緒だと思いますが。

確かに・・・。

江草さんのおっしゃるとおり、運も左右するの
かもしれませんね・・・。

フランス国内でも、地方とパリとでは、外国人が申請書等提出する際の対応が違うようです。
(比較的?地方は親切な対応だったという方が多いようです。)

そういや、私がパリに行った時も、親切に対応してもらったと感激する日もあれば、ムカっとくる対応をされる日もありますからね。(笑)
人によりけり・・・っていうのもあるかもしれません。

留学生が減っているのも、昨今の不景気の影響もあるのかも?しれません。

もともと?在日フランス大使館の発給するビザは年間数百と限定されていたはずですし、仮に留学しても、帰国した際、自分の想像以上に?情勢が変わってるリスクも高いからかもしれません・・。

でも、少数ではありますが、海外で成功されている日本人も確実に存在するわけで。

運も実力のうち?だとすれば、実力・才能・運の3点セットさえ持っていれば、どんな人でも、日本だろうが海外だろうが、成功するチャンスはあるのかも?

それでもって、フランスの場合は、+αでコネと財力が加われば鬼に金棒なのかも・・・?


世界のどこでも生きていける

マダムかおりんさん、こんにちは。

実力・才能・運にコネと財力が加われば、世界のどこでも生きていけますね。女性の場合はプラス美貌ってとこでしょうか?
でも、そんな人いったいどこに・・?

No title

江草さん、こんばんは。
すごくご無沙汰しておりまして、本当にすみません・・・
今回は、無事に更新出来て、本当に良かったです^^

実は私も・・・海外在住経験があるのですが、電話で聞いて言ったのに、書類が不足しているだとか、人によって言ってる事が違って、何度も行って話して、長時間待たされ・・・と、もう頭から湯気が立ち上って沸騰寸前に、何度もなった経験があります(苦笑)。
日本では、考えられないので、それが当たり前と思っていたのですが、日本って素晴らしかったのだと、初めて知ったのでした。

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

Re: タイトルなし

> はじめまして、結婚相手が長期滞在許可書を持っている場合、その配偶者は能力証明書、収入証明書は必要ないですよね?(フリーランスの場合)

亀レス失礼。最近コメントは承認しなきゃいけなくなったんですね。
法律はころころ変わるので、私の頃は必要なかったけど、今は分かりません。より厳しくなっています。

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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