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和太鼓

この日曜日にアソシエーションWadaiko MAKOTOの年次総会に参加してきた。Wadaiko MAKOTOとは、日本の大江戸助六太鼓に所属していた窪田サランドル真理子先生が和太鼓教室を開き、同時に真理子先生率いるWadaiko MAKOTOという日本人、フランス人混合のチームが中心となって演奏活動を行うためのアソシエーション(非営利団体)である。

何を隠そう(隠していない)、私はこの夏から和太鼓を始めたのだ。今年4月にコンサートを見て、真理子先生とWadaiko MAKOTOチームの演奏を聴いて、涙がぼろぼろ出ちまって、それで、その場で入会を申し込み、一緒にいた夫に「やりたいことが全てやれるわけじゃないんだぞ!」とすっかり呆れられた。

どうもこの年齢になると、若い時なら「いつか時間が出来た時に」なんて悠長に考えていただろうことに、「今やらなきゃ二度とやれない」という気持ちをもつことがたぶんにある。私より一つ年上の知人女性が、「そうなのよ、年をとると落ち着くのかと思ったら、ますます貪欲になっちゃって」と同感していた。

それで、6月になってようやく月曜の午後クラスに席が空いた、と連絡があり、いそいそと出かけた。定員7人のグループ練習だが、ほとんどのメンバーが社会人なので、仕事の都合で来れなかったり、とその日によって参加者の数や顔ぶれが異なる。かくいう私も今年は不況のせいで仕事が激減したにも関わらず、なんやかんや用事が入って、月に2回くらいしか通えない。そもそも、練習場所はパリの東郊外、我が家からはパリを横断して、片道1時間半近くかかるので、これは熱意がないと続かない。ただ、次第に他の参加者と話をするようになると、東西南北の郊外から通っている人もいれば、なんとブリュッセルから通ってくる兵がいることも分かった。

さて、私は学生時代、ドラムをやっていたので、和太鼓だってそれほど難しくないだろう、と思っていたのだが・・、同じ太鼓とはいえ、和太鼓とドラムではばちの持ち方から違う(そもそも20年もばちを握っていないし)、力の入れどころ具合も違い、最初の4回くらいは翌日、腕や肩が痛くなり、指の皮もむけた。また、左足でリズムをとって、先生に「左足は踏ん張り足なので動かしてはダメ」と注意されたし。
それでもドラム経験はたぶん、役に立っているらしく、先生にはよく褒められる(元々優しくて、怒ったりけなしたりは絶対しない先生なんだけど)し、月曜午後のクラスは経験豊かな人がそろっていて、レベルが高い。「由香さんならここでもついていける、と思います」とうれしいことも言っていただいた。もちろん、先輩たちよりも簡単な手数を打ちながら、どうにかついていっているのだけど。
しかし、人と(特に上手な人と)一緒に演奏して、この音というかリズムというかドライブ感というか(先生は“気”と仰っていた)がぴったり合った時は、たまらなく気分がいいのだ。

以前も書いたが、私は和物の稽古ごと(って大雑把なくくりだが)としては他に剣道を習っているが、恐ろしいほど上達せず、クラブでは味噌っかす状態である。去年12年目にしてやっと初段に合格した時、審査員の先生たちは私には、「稽古の時より気合が欠けていた」とか、「切り返しで腕が伸びていなかった、ぎりぎりの合格だ」と厳しかったが、夫は審査会の後に「たくさんの人から、おめでとうって言われた。あまり親しくない人からもよかったね、と声をかけられたし・・」と不思議そうな顔をした。夫は剣道五段でパリのクラブで指導までしているのに、その妻は・・、と気の毒がられていたのだ、きっと。

何が言いたいかというと、いつでもどこでも味噌っかすとか、劣等生でいると人生は楽しくない。何か少しでも人より抜きんでている、少なくともまわりと同じレベルに自分はちゃんといる、と思える場があれば自分に多少でも自信を持つことができるのだ。だから、和太鼓は通うのがたいへんでも、仕事が減って懐具合が苦しくてもがんばって続けよう!と思っている。

さて、総会当日は、予算報告、新理事の承認などの文字通り総会の議事が進められ、その後は、会員以外の参加もOKのパーティが開かれた。お菓子をつまみ、おにぎりづくりのワークショップをして、その後、アソシエーションメンバーやその友人、下宿人等々による、色々な出し物が。それが、パントマイム、空手のデモンストレーション、チェロと横笛のアンサンブル、ギター&ハーモニカ(を一人で)の弾き語り、日本人の声楽を習っている男の子二人がオーソレミオをデュエットしたり、と実にバラエティに富んでいた。 
最後はもちろんWadaiko MAKOTOチームの演奏が行われ、太鼓が会場に並んだところで、試演会が行われた。そういえば春のコンサートも、試演会があって、私はそこで初めて和太鼓を叩いたんだっけなぁ・・、としみじみ振り返る年の瀬のできごとであった。
和太鼓パーティ
(最後に行われた試演会)
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ザ・日本人

江草さん、こんにちは。

剣道もさることながら、和太鼓もチャレンジなさるとは、
Activeで、すばらしいですね。

太古の日本では、和太鼓も神事をつかさどる大事な楽器
として活用されてきましたから、ドラムを叩くのとは、また
全然異なるのでしょう。なんというか、一打入魂という感じで・・・。

異国の地で、日本伝統のものを習得するというのも、
また違った感じなのではないでしょうか?

旦那様の言うことも確かなんですが、江草さんの「今やらなきゃ
二度とやれない。」という焦燥感?も理解できます。

おそらく?男女では、時間軸の意識の違いがあるからでは?と、
個人的には思っています。

男性の場合は、例えば趣味や仕事のことで思いを巡らす時は、
たいてい?起点から数えて考える傾向にある気がします。
これを始めてから、何年経過したという感じで・・・。

対して、女性の場合は、年齢を追うごとに否が応でも?体の変化があり、結婚や出産や子育てと仕事の両立といった分岐点や経過を経て肉体的限界のタイムリミットがあるせいか?終点を意識した逆算を経て現時点でのことを考える傾向があるような気がするのです。

経験値や能力を考える男性と、年数うんぬんではなく、短い期間であっても、どれだけのものをこめたかを考える女性とでは全く視点が異なるのも無理はないのかもしれませんね。

なので、やりたいと思う時に、時間も体力もあるのであれば、思い切ってやってしまう方が、私はいいと思います。

今のご時勢、どこでどうなるかなんてわかりませんから、出来るうちに
なんでもやれるほうがいいでしょう!

時間というのは、目に見えないものですし、お金で買えるわけではありませんから・・。金持ちだろうが、貧乏だろうが、健康だろうが、不健康だろうが、1日24時間という持ち時間だけは、みな平等ですからね。

限られた、与えられている貴重な時間を、生かすも生かさぬも、
個人次第ですもんね。


なるほど

マダム・かおりんさん、こんにちは。

その、男女の時間軸の意識の違い、言われてみれば、そうかも、と妙に納得してしまいました。

それから、年をとってきて、始めようかどうか思い迷うより、やってみて、無理ならやめりゃいいさ、という気持ちが強くなってきた、という感じかもしれません。
おっしゃるとおり、明日何があるかわからない、というご時世だし・・。

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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