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発達障害児の希望の星、ダニエル・タメット氏、来仏する

先日、TF1の20時のニュースを見ていたら、『ぼくには数字が風景に見える(講談社刊)』の著者、イギリス人のダニエル・タメットが出ていた。インタビューを受け、パリの小学校を訪問している様子が映し出された。新作の仏語訳版がまもなく発売されるので、そのプロモーションに来たらしい。ちなみにこの本、彼自身が仏訳しているそうだ。
タメット氏はサヴァン症候群とアスペルガー症候群という二つの発達障害を持っていて、サヴァン症候群の特徴である、記憶力、計算力に長けていて、円周率の小数点以下2万2000桁を暗記し、また十数ヶ国語を操るという天才である。

何を隠そう(というか色々なところで書いているが)、私の6歳の息子も発達障害の疑いがある。フランスと日本で、心理士、精神分析士、小児精神科医に診てもらい、現在、フランスの療育センターにも定期的に通っているが、いまだ、はっきりした診断名が下されていない。で、実は(?)タメット氏といくばくかの共通点が見られるのだ。数字への関心は赤ん坊の頃から異常なほどで(生後6カ月で数字を見せるとケラケラ笑った)、2歳で百までの数を数え、ひらがな、かたかなを読めるようになり、3歳で一ケタの足し算・引き算をこなし、4歳ですでに掛け算九九を暗記した。

そんな話を顔見知りの在仏日本人ジャーナリストの女性にちらっとしたら、「息子さん共感覚を持っているのでは?」と言われた。そう、タメット氏のように数字や文字に色や動きが見える、という特別な感覚のことだ。『ぼくには数字が風景に見える』は読んでいたが、なぜか息子が共感覚の持ち主だとは考えもしなかった。「息子さんに、『1は何色?2は何色?』って聞いてみてください。淀みなく言うことができて、時間をおいて、また同じようにちゃんと答えたら、きっとそうですよ」
と、帰ってさっそく試してみると、息子はニヤリと笑って、すらすらと「1は金色、2は黄色・・」と9まで答え、数時間してまた尋ねると、淀みなく、同じことを答えたように思う(私がうかつにもメモを取らず、最初に言ったことをきちんと覚えていなかったので)。それで、翌日、また聞いてみると、怒って「もう、おしまい!」と言い、その後は「知らない!」で通されてしまった。

ニュース番組で、インタビューに答えるタメット氏は全く“普通”の人に見え、英語なまりがほとんどない流暢なフランス語を話していた。著書の中で、<十年前、だれかがぼくの両親に十年後に息子さんは完全に自立して、素敵な相手も仕事も見つけていますよ」と言ったら、両親は絶対に信じなかっただろう。ぼくもそんな言葉は信じられなかっただろう>と当時26歳の彼が書いている。そう、障害のせいで、小学生の頃は友達ができず、仲間外れにされていた彼は、今では、語学力をいかして外国語学習プログラムのサイトを運営し、本を書き、TVのトーク番組に出演し、私生活では、パートナーと幸せに暮らしている。「なぜ、うちの子だけが」と悩み、息子の将来を考えると時々、暗澹たる気持ちになる私にとって、そしてたぶん発達障害の子どもをもつ多くの親たちにとってタメット氏は希望の星!的存在かもしれない。

最近、寝る前の読み聞かせに息子は『ヒカルの碁』を選び、毎晩一話(と言うと、息子に「一局!」と言い直させられる)づつ読んでいる。また、子ども向け囲碁ソフト『メキメキ囲碁』に向かい、夢中になっている(今のところ、負けてばかりだけど)。そういえば、タメット氏も子どもの頃、チェスに夢中になって、すごく強かったんだよね。うちの息子も独自の能力をいかして、あわよくば、囲碁のプロ棋士になって・・なんて、都合のいいことを考える。目指せタメットくん!と期待し過ぎるのは、プレッシャーになるか?でも、「どうせこの子は」っていうマイナス思考よりは、子どもにいい影響をあたえるかも。




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Feynman

物理学の世界でFeynmanていう有名なひとがいますけど、このひとは運動がまったくだめ。なにせボールをまっすぐに投げれなかったという。

No title

牛坂さん、こんにちは。

その方はディスプラクシアではないでしょうか?靴紐が結べない、というのがよく指摘される症状です。

ディスプラクシア--これでまたひとつ勉強になりました。

2008/08/21(木)
ディスプラクシアとは統合運動障害のこと。
ハリーポッター主演の
ダニエル・ラドクリフがディスプラクシアなんだそうです。
症状は軽度のものらしいですが
学校では上手くいかないことも多く
それが俳優へと進むきっかけにもなったようです。
うまくいかないことがあっても
いい方向へと向かうことができた
成功例かもしれません。
ハリー・ポッター ホグワーツ マグ 白磁 HPL-MG1
ここにありました。
http://sawana0.blog72.fc2.com/blog-entry-59.html

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Re: No title

こんにちは。


発達障害はフランス語で略すると TEDというそうです。学習障害はLDですが、precoceはむしろ早熟、普通よりも知能が進んでいる子供のことを指します。うちの息子もいまだはっきりした診断名が出ていません。ただ、フランスって、発達障害が精神科医には認知されていないという話を聞きました。今、精神科医のところにも 定期的に通っていますが、発達障害という言葉は言いません。心理士の間ではかなり認知されてきていると思います。私も専門家ではないので、よくわからないのですが。

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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