FC2ブログ

サン・マロの1週間

先週の日曜日から1週間、ブルターニュのサン・マロで夫の両親と一緒に過ごした。
義父は13年前に初めて会った時は70歳を目前にしながら、元気に、家のペンキ塗りなどをしていたが、10年ほど前に発症したパーキンソン病が少しずつ進行し、だんだんと体の自由がきかなくなり、今では座りきりだ。
 今回は義父のための介護休暇。と言っても、義父はまだ、トイレや食事などは何とか自分でこなすし、杖を頼りに少しは歩くこともできる。幸い義母は元気で一人で義父の身の回りの世話をしているが、何せ義父は気難しい人なので精神的に大変らしい。一度、せめて家事の負担を軽減しようと掃除婦を雇ったが、掃除の仕方がいい加減でしかも電気スタンドを壊した、と義母は激怒し、さっさとクビにしてしまった。
旅行が大好きな義母は、会うたびに「私は、もうどこにも旅行できない」とぼやき、「夫が癌にかかっている友人が何人もいるけど、みんな夫婦であちこち旅行しているわ」などと言ってため息をつく。
 そこで、私たちが、義父の世話をするというよりは、義母の介護ストレス解消のために少し手伝いをしよう、ということになった。

義父母は自宅から車で45分のところにあるサン・マロに、海の見えるアパルトマンを持っている。夫によると40年ほど前に購入した時はぼろぼろだったものを、義父が壁紙の張替え、ドアのペンキ塗りから、お風呂やトイレのタイル張りまで全部独りで手がけ、リフォームしたのだという。
数年前までは毎夏、1週間ほど義父母と一緒にこのアパルトマンで過ごすのが、我が家の恒例行事であった。ただ、アパルトマンは建物の最上階の4階、目の前に小さな港があり見晴らしは最高だが、エレベーターがないので、パーキンソン病の義父はもちろん、最近は義母も階段を上るのがつらくなってきた。
今回は、夫と私と息子だけが、このアパルトマンに泊まり、義父母は近くにバリアフリー設備の整ったホテルを予約。昼食後、義父が昼寝をする時間に義母を街へ、海岸へと連れ出し、気分転換してもらう。サン・マロの街をぶらぶらとブティックや土産物屋をのぞきながら散策するだけで、義母は「こんなに歩いたのは久しぶり」とうれしそうであった。
 義母は、「子どもたち(夫とその兄弟のこと)が家にいた頃は、ヴァカンスの時はもちろん、それ以外でも夏場は毎週末、サン・マロに来たし、クリスマスをここで過ごした事もあるのよ」と懐かしそうに話す。

サンマロアパルトマン
(アパルトマンから見える、サン・マロの風景)

また、今回、私たちはアパルトマンに残っている賞味期限の切れた食料を整理する役目を仰せつかう。食料棚からは、3~4年前に賞味期限の切れたマヨネーズ、ソース、菓子、料理用油、酢、コーラ、ビールなどなどがわんさと出てくる。
紅茶のティーパックや紙箱に入ったビスケットなどを、夫は箱ごとゴミ袋に投げ入れるので、私はそれを拾い出し、中身だけゴミ袋に入れ、外箱は畳んで分別ゴミとしてまとめたり。ビン類の中身を全部流しに捨てたり。その後、大きなごみぶくろを抱えて、近くのごみ捨て場まで何度も往復した。

「ほとんど使わないアパルトマンのために税金や光熱費の基本料を払い続けるのは、ばかみたいだから、さっさと売ればいいのに」と夫。5年ほど前に一度、義父母はエレベーター付きで小さめのアパートに買い換えようと計画し、不動産屋に行ったりもしたのだが、いつの間にかその話も立ち消えに。
家族の思い出が詰まっているアパルトマンだから手放し難いのか?と思っていたが、義父の病気が進んだこともあるだろうが、要するに“面倒くさい”らしいのだ。
不動産売買の手続きだけではなく、家具、絵などの調度品、食器類、日用雑貨等々をどう処分するか?夫によると、アパルトマンには屋根裏部屋と、地上階には物置小屋もあり、どちらにも、おもちゃ、家具、日曜大工道具などのがらくたが詰まっているという。
食料庫の整理だけでもけっこう面倒くさかった。これをアパルトマン全体+屋根裏部屋、物置小屋の整理、と考えると私たちでも気が遠くなる。

と、ふと、どんどん物が増える一方の我が家を振り返り、・・今からでも早くはない。いらないものは折を見て整理して、ものを増やさない習慣をつけ、老後は生活に必要な最小限のものだけ(生活が無味乾燥にならない程度の)に持ち物を減らして、子どもに迷惑をかけないようにしなきゃ、などと、と思った。

スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

信じられないほどキレイな風景

まるで絵葉書みたいですよね。健康で長生きする秘訣は"くよくよしない"ことだとか。

最近"シェルブールの雨傘"のシーンがYouTubeにあって見ています。最後のシーンは有名だとかで、それだけですが。

素敵な風景ですね。

江草さん、こんにちは。

サン・マロの風景は、素晴らしいですね。

どこの国でも、親の介護というのは同様ですし、いずれは
みんな経験していくことなんでしょうけど、生存中にいろいろ
整理するのって、なかなか出来そうで出来ないですよね。

サン・マロのアパルトマンは、写真を見る限り?素晴らしい場所
ではあるので、維持費捻出がてら?バカンス時期だけでも?
知人等に貸し出してもいいのでは??
売ってしまうのは、なんとなく?もったいない気が・・・。

在仏日本人なら、結構?需要はあるのではないか?と、思いますが・・。きれいに使ってくれそうな?日本人女性は、特に。

あと、賞味期限が切れた紅茶は、食器洗剤やフローリングの傷の修復材の代用になります。

酢も、洗濯の際に洗剤にプラスして少量入れると、抗菌剤の代用になりますし、マヨネーズも油性マジックの落書き消しの代用になります。

コーラやビールは、銅製製品にかけるときれいになりますし。
(サンポールを10円玉にたらすとピカピカになる原理です。)

食材もエコの観点から利用は可能なので、どうせ捨ててしまうのなら、うまく活用してみて下さいね。






No title

ushizakaさん、こんにちは。

確かに、病は気から、ですから。
シェルブールも港町ですね、まだ行ったことはないですが。老後は海の見えるところでのんびり過ごす、っていうのが理想ですよね。

私もそう思うんですけど

マダム・かおりんさん、こんにちは。

私も、貸せばいいと思うんですけど、なんせ、義父は気難しい人なので。息子が赤ちゃんの時、哺乳瓶をテーブルクロスもランチョンマットも置いていないテーブルの上に置いた、というだけでいやな顔をして、キッチンペーパーを持ってきて、これ見よがしにふいていましたからねぇ。

賞味期限切れの食材の活用法、前もって知っていたら・・・。もったいないことをしました。

おすすめ情報

おすすめ情報

プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

最新記事
カテゴリ
AI翻訳
コスメ
コスメ
ワイン
ティー
航空券
レストラン予約
フランス語
アマゾン
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード