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息子、ギターを習い始める

8才の息子がギターを習い始めた。
息子はミュージッククリップをずっと流している、ケーブルテレビVirgin17が好きで、よく見ているが、突然、「オレ、Renan Luceみたいにギターが弾きたい」と言いだしたのだ。音楽をやるのは大歓迎である。息子は発達障害で、自分のことをほとんど話さないので、楽器を通じて自己表現できるようになるのは、悪くない。我が家にはエレピがあるので、「ピアノやらない?」と前から勧めていたのだが、「ピアノは女の子のものだ」と嫌がっていたのだ。

近所に住む、香港出身の女性マニの20才の長男は、ピアノとギターを弾く。しかも、秀才で、最近、理工科系のグラン・ゼコル(エリート養成校)に受かり、おまけにハンサムで、優しくて小さい子の面倒もよく見る。何もかも揃った完璧息子を持ってうらやましいなぁ、と思っていたのだが・・。先日、息子がギターを習いたがっている話をしたら、「うちの息子のギターをあげるわ、実は新品で一度も使っていないギターがあるのよ」。マニは2年前にコンフランに引っ越して来る前は、ニースに住んでいた。件のギターは長男くんが、ニースで付き合っていた恋人にプレゼントするために買ったものだが、渡す直前に彼女に他に好きな男ができて、フラれてしまったのだという。こんな完璧君以上の男がいるの?と驚くが、マニは「息子は泣いて悲しんでいたけど、私はその女の子が嫌いだったから、うれしかったわよ」とのたまう。
これで、新品のギターが手に入ったと喜んでいたら、翌日マニが来て、「息子に聞いたら、そのギターには彼女に捧げる愛の詩が書いてあるから、人にはあげられない、って言うのよ」とすまなそうな顔をする。ベンジンで消せないのだろうか?自分をフッた相手に渡すつもりだったものを大切にとっておくなんて私には理解できないが・・。と、夫にその話をすると、そういう事情なら仕方ないな、と妙に納得した様子。男心は分からん。

まあ、子ども用ギターじゃなかったし、と気を取り直して、市のコンセルヴァトワール(公営の音楽学校)に行ってみると、ギタークラスはもう定員がいっぱいで、来年6月の新規登録時まで待つように、と言われる。個人教授をするギターの先生を知らないかどうか尋ねたところ、事務のマダムに「ここがいいわよ」とギター・レッスンのちらしを渡される。

コンセルヴァトワールの近くに、コンフラン・ミュージックという小さな楽器店がある。楽器店と言っても、小さな店内にギター数台とドラムのスティック、楽譜が少々置いてあって、店主のおやじが、日がな(と言っても午後しか開いていない)、いすに座ってギターを弾いている、こんなんで経営が成り立つのかな、って感じの店だ。しかもずっと閉まっていたのが、最近再開した、と市の広報誌に載っていたのだ。
そのおやじさんに「8才の息子がギターを習いたがっているので、個人教授をしてくれるいい先生を知りませんか?」と尋ねると、何枚もの音楽教室やレッスン案内のちらしの中から、「ここの先生がお勧めだよ」と差し出したのが、コンセルヴァトワールで紹介されたのと同じちらしであった。

さっそく、そこに書かれていたメルアドに夫が希望するレッスン日時(平日夕方か学校が休みである水曜の午前中)を記してメールを送ると、翌日には返事があった。しかし返事の主はそのお勧めの先生らしいが、「教師の中で、ロランがその日時で都合がつくので、彼に直接コンタクトをとってください」と、ロラン某の電話番号が書かれている。まあ、そう言われたら仕方がない。さっそくそのロランに電話して、火曜の夕方に来てもらうことに。

年季の入った車に乗って、ギターを抱えて来たロランくん(20代後半ってとこだろうか?)はにこりともせず、名前も名乗らない。こんなんで子どもの相手ができるのだろうか?うちの息子も聞かれたこと(知ってる楽器は?ドレミファソラシドは分かる?なんて基本的なこと)には「知らない」としか答えない。
それでも、息子はレッスン初日からロランの持ってきたギターにふれて、弦をはじく、という初体験をした。ただ、1時間のレッスンの半ばには気が散ってしまい、「この様子では続けても意味がありません。でも、契約上、1時間はいなければならないし」と、手持無沙汰なロラン先生。この人、大丈夫なんだろうか?と不安になりながら、「何か曲を弾いてもらえます?」と頼んでみると、ビートルズの『ブラック・バード』と私の知らない曲をもう一つ、ささっと弾き、帰って行った。こんなんで大丈夫なんだろうか?

コンフランの楽器屋にも子ども用のギターが売っているのだが、けちな夫はインターネットでもっと安いギターを探す、と言いだす。買う前にちゃんと楽器を触ってみるべきだし、それに地元の零細ショップを応援してあげたい気持ちもあり、水曜日に息子を連れて、例のおやじさんの店に行く。息子はいきなり「エレクトリックギターがほしい」と言いだしたので、アコースティックでちゃんと練習して、うまくなったら中学生になった時にエレキを買ってあげる、とその場しのぎの約束をし、店に飾ってあった、美しい手作りのスペインギターを買う。おやじさんは無愛想ではあるが、「チューニングでも何でも、ギターで困った時はいつでも来るように」と言ってくれる。

ギターを始める

さて、この美しいギターを見て、自分も弾きたくなる。何を隠そう、中学2年の時、軽音楽クラブ(部活ではなく、週一度のクラブ)に入って、フォークギターまで買ったのだが、ほとんど弾かずに止めてしまったという苦い過去がある。Fコードがおさえられず、それでめげたというよくあるパターン。
ウェブで『禁じられた遊び』のタブ譜を見つけたので、それをプリントアウトし、ちょっと練習してみるも、20分もしないうちに指が痛くなる。
息子にもさっそく弾かせる(弦をはじかせる)が、「指が痛い!」。高いギターを買ったのだから、親の二の舞をせず、地道に続けてほしい。

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未知数・・・

江草さん、こんにちは。

Kenちゃんのギター弾く姿は、なかなか様になってますね~!

確かに?ギターの弦って堅いから、柔らかい女性の指や子供の指
には、ちと痛いんですよね。

が、好きこそモノの上手なれって言葉もありますし、将来のジミヘン
のようになるかも?しれませんから、長い目で見て応援してあげたいですね。

クラプトンも

マダム・かおりんさん、こんにちは。

クラプトンは10歳からギターを始めたっていうから、まだこれからに期待しますが、なんかうれしくて弾きまくるって感じではないですねぇ。今のところ・・。

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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