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フランスのご近所づきあい

夫が社員旅行で不在中、息子と二人の気楽な生活を満喫していたのだが。

先々週の木曜日に、パリで取材を終えて、郊外電車で帰宅しようとしたところ、突然、途中駅でデモがあり、電車が止まっているので、次の電車が遅れる(デモ隊が線路を占拠?)という旨の構内放送が。本来、木曜日は夫が自宅でテレワークをする日なので、息子を学童保育に迎えに行ってくれるのだが、インドにいるので、(当然)私が18時半までに迎えに行かねばならない。フランスは保護者が迎えに来ないと警察に通報される。まだ、時間に少し余裕があったが、いつ電車が来るのか分からず、不安になる。
我が家の近くの駅は郊外電車と国鉄の両方が通っているので、国鉄の始発駅、サンラザールに慌てて向かう。ところが電車は出たばかりらしく、次の電車はお迎えぎりぎりと分かり、青くなる。ただ、コンフラン市には二つ駅があり、もう一つの駅を通る電車がまもなく出ることがわかり、それに乗ることに。非常時(ってほどでもないが)はなるべく目的地に近付いた方がいいのだ。
コンフランの駅で降りると、うちの近くの駅(ここから学校までは徒歩3分)に行く電車がお迎えぎりぎりセーフに来ることが分かり、ほっとしていると、いきなり掲示板に「この電車、遅れます!」の表示が。いくら同じ市内にある駅とはいえ、ここから学校まで歩いたら、40分以上かかる!どうしよう・・と、この石油精製所のスト騒ぎでガソリン不足が深刻になっている時期に申し訳ないと思いながらも、近所に住む香港人の女性マニに電話をすると、快く迎えに来てくれる。持つべきものは、優しいご近所さんである。車で学童保育まで送ってくれ、18時ジャストに着くも、他の子どもたちもたくさん残っていた。そう、同じ理由で、遅れる親たちが少なくないらしく、そういう時にはフランスといえども少し融通をきかせてくれるのだ。

その翌々日の土曜日、雨が降って来たと思ったら、突然、停電になった。別に雷が落ちたわけでもなく、小雨である。近所を見ると、どこの家も明かりがついていないが、雨で暗いとはいえ、昼なので、それが停電のせいとはかぎらない。お隣に電話して、「そちらも停電ですか?」と聞くとマダムが、「うちは平気だけど」、夫が不在で、ブレーカーの使い方がよくわからない、と言うと、「じゃ、うちの主人をそちらに行かせるわね」。と、1分もしないうちに隣のムッシューがやって来て、ブレーカーを点検してくれる。そして、「庭に延長コードを出していませんか?」
我が家は外壁と屋根の工事が続いており、確かに、地下室から電源をとる延長コードが庭に放置されたままだ。それが雨でぬれたせいで、ブレーカーが落ちたらしい。コードを抜くと、ブレーカーが上がり、電気がつく。隣のムッシューは「水は気をつけないと。クロード・フランソワ(フランスの郷ひろみともいうべき、元祖アイドル歌手)も入浴中に、浴室の電球を変えようとして、それで感電死したでしょう?」。それは知らなかった。
隣のムッシューは画家さんであるが、「30日から隣町の展覧会に出展するから、ぜひ、その夜のヴェルニサージュに来てください」と言い残して帰る。お安いご用である。

夫は、留守中に何かあったらブルターニュに住む義母か義兄に連絡するように、と言い残して出かけた。「ママンは小さいことで大騒ぎするから、できれば義兄に連絡した方がいいな」と付け加えて。しかし、何かあってもブルターニュからわざわざ来れるわけじゃないし、遠くの親戚より、近くの他人とはこのことである。

夫が社員旅行から戻り、留守中いかにご近所さんに助けられたかを話し、隣のムッシューのヴェルニサージュに顔を出そう、ということになる。すると、当日、マニが「一緒に行かない?」と電話をかけてきて、夫の車でみんなで出かけることに。早めに行こう、と提案するマニに夫は「市長のくだらない話とかがあって、シャンペンが出て来るのは18時過ぎだから、早めに行くことはない」(何が目的じゃ~)。会場に行くと、運営委員長の挨拶の最中であったが、すでにテーブルにサンドウィッチやおつまみ類が並び、それを見た息子が、「お腹すいた~、早く、あれ食べたい」と何だか、イヤしい父子である。
ヴァルニサージュには隣のムッシューとマダムはもちろん、同じコンフラン市内に住む、お二人の息子さん夫婦、また、我が家の二軒隣のムッシューとマダムも来ていた。
結局、私もキールロワイヤルと普通のシャンペンを飲み、おつまみ、サンドウィッチ、デザートもたらふく食べる。マニは、「コンフランでも、こういう催し物ないのかしら?」と満足げ。

この展示会、審査員が選ぶ賞の他に、客の投票数で選ばれる賞があり、私たちはもちろん、みんな投票用紙に、隣のムッシューの作品番号を書き込む。これで、ご近所関係、円満である。

屋根工事
(屋根の工事。煙突の横で職人さんたちがカメラに向かって笑う)
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意外と・・・

江草さん、こんにちは。

個人主義のフランス人とご近所づきあいというワードが
なかなか?結びつかないイメージですが、こういう雰囲気は、
とてもいいですね。

よく、犯罪心理学者が「ご近所づきあいのうまく行っている地域は、
他人の侵入に対して抑止力が働く為、凶悪事件がおきにくく、
実際、ゴミ置き場の状態や街中の落書きの多さなどと犯罪率は
比例する。」とも言ってますから、コンフランは住み易くていい街
なのでしょう。

クロード=フランソワ、そういや、ヨーロッパ公演中の滞在先のホテルで入浴中に感電死したんですよね?
これ、結構?有名な話みたいです。そういや、彼のCDジャケット写真は、若い頃の写真ばかりだなあ~と思っていたら、本当に若くして
亡くなっていました。

旦那さん、無事にインドからご帰国されて、どんな印象だったの
でしょうか?もう一度行きたいと、かなり?はまったか、もう当分は
行きたくないとなったか、ちょっと興味ありますね。

たのしそうで良いですね。

うちはひどいですよ。掲示版でののしりあっています。
あまり恥ずかしいので、そのURLをここで出すのは控えます。

確かに住みやすい

マダム・かおりんさん、こんにちは。

確かにコンフランは近所づきあいがいい、と家探しの時に、何人もの売主が言ってました。道歩いていると、知らない人でもすれ違う時、ボンジュールって声をかけてくる人が多いし。でも、フランスってけっこう知らない人(特に老マダムが)がよく話かけてくるんですよね。

旦那はインドはまた行ってもいいかな、程度でそんなにはまっているようでも、逆にこりごりって感じでもないようです。
食べ物が同じものばかりで飽きた、って言っていましたが、まあ、ツアーだったので・・。

地域の掲示板?

Ushizakaさん、こんにちは。

それは、地域コミュニティの掲示板なんですか?匿名じゃなくて、本名でののしり合っている?ゴミの出し方とか?
想像つかないです・・。

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プロフィール

江草由香

Author:江草由香
編集者・ライター・コーディネーター。
96年に渡仏し、99年から10年間パリ発日本語情報誌『Bisouビズ』の編集長を務め、同時に日本の雑誌やWebに情報記事、コラムなどを寄稿。
2010年に日仏バイリンガルサイト『BisouJaponビズ・ジャポン』を立ち上げ、ジャパン・エキスポなどパリで行われる見本市で、日本企業や日本人クリエーターの出展をプロデュース、展示会の企画コーディネートの仕事を始める。
2018年に22年間のパリ滞在にピリオドを打ち、日本に帰国。

『BisouFranceビズ・フランス』
https://www.bisoufrance.com/

個人ブログ『湘南二宮時々パリ』
http://ninomiyaparis.blog.fc2.com/

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